めんどくせぇことばかり フランス革命(覚書)『嘘だらけの日仏近現代史』 倉山満

フランス革命(覚書)『嘘だらけの日仏近現代史』 倉山満

わたしは罪を犯したとなじられる。だがわたしに罪はなく、ゆえにわたしは恐れることなく死に赴く。私を殺す者たちをわたしは許そう。そして神よ、彼らがこの先、流すであろう血が、どうかフランス全土を覆いつくしませぬように
本書p107
処刑台に引っ立てられるルイ16世が、もはや“一市民、ルイ・カペー”として監獄を出るときの言葉だそうです。そう、きわめて立派な国王として、彼は死地に臨んだのです。

アメリカ独立戦争への加担は、ルイ16世の失政の一つで、のちのフランス革命の一端を作ったといわれる。しかし、ルイ15世時代の七年戦争の敗北で失われたプライドは、取り戻さずには国際社会で軽んじられる。しかも、イギリスに対抗するに必要な海軍の拡張を、彼は庶民への増税抜きに、宮廷費をけずって実行したそうです。

それも、慎重に、かつ大胆に行動してイギリスを追い詰める。武装中立同盟を主導してイギリスを孤立させ、インド方面でも牽制し、ドーバー海峡に兵を集中させて、イギリス軍を分散させている。アメリカ植民地は、もとから海軍力などないに等しいわけなので、この戦い、ジョージ・ワシントンの戦いではなく、ルイ16世の戦いだった。

著者の倉山満さんは、この章を、ルイ16世の名誉回復に割いている。

だったらどうして、何故ここまで、ルイ16世はさげすまれなければならないのか。それは、彼を処刑したフランス革命は、“国王の圧政を人民が革命によって打倒し、「自由・平等・博愛」の民主的で人権が保障された共和制フランスを打ち立てた、人類史に残る偉大な出来事”という左翼のお題目を正当化するための御託と考えればいいだろう。

そしてもう一つ、王妃に恵まれなかったこと。



扶桑社新書  ¥ 821

学ぶべきはフランス革命やナポレオンではなく、マザラン、タレイラン、ド・ゴールだ
第一章  フランスらしきものの胎動
第二章  宗教戦争と主権国家の誕生
第三章  世にも恐ろしいフランス革命
第四章  五大国によるウィーン体制
第五章  フランスから見た日本
第六章  ド・ゴールに学べ

ポンパドール夫人を愛人とした、乱脈を極める祖父ルイ15世時代への反動か、ルイ16世は一夫一婦制に価値観を置く貞操観念の強い、敬虔なクリスチャン。それが彼の姿だった。

そんな彼は、狩りに向かう途中で、マリー・アントワネットとフェルゼンの密通を裏づける王妃の手紙を読み、茂みにしゃがみ込んで、両の手で顔を覆っていたそうだ。ショックを受けたのだ。でも彼は、一言も妻を攻めていない。

「包茎のために不能で、手術をした後も・・・」というのは、幼な妻の放蕩を弁護する立場からのこじつけで、そんな手術、していないという。

幼な妻は遊びほうけていても、夫は文武に励んでいたそうだ。通常なら、まず夫よりも妻の方に原因が求められることが多い。にもかかわらず、そんな立派な人物であるにもかかわらず、ルイ16世には《性的欠陥》と罵声が浴びせられる。左翼の唱えるお題目と波長が合ってしまったようで、こうなると言いたい放題。

16歳と15歳で政略結婚した少年と少女が、まわりから往時の誕生を期待され、騒ぎ立てられてギクシャクし、それでも結婚から8年目、国王24歳、王妃23歳で子を授かっているにもかかわらずだ。

どうも、女房を寝取られた男っていうのは、それだけで、すでに虚像を成立させてしまっているところがあって、どこをけずり、どう付け足してでも、虚像に実像を無理やり当てはめてしまうもののようだ。「どうせ、自分の女房を他の男に寝取られるような奴だから」って、そんなことまでフランス革命を“リベラル派の金字塔”を打ち立てるために利用する。・・・むごい人たちだ。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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