めんどくせぇことばかり 『嘘だらけの日仏近現代史』 倉山満

『嘘だらけの日仏近現代史』 倉山満

うんこ踏まないようにするためにハイヒール。においを隠すために香水。腐った肉でも我慢して食えるようにハーブや香辛料。マントや外套はとてもじゃないけどうんこを踏まずに歩けないときに敷いて歩いた。空から降ってくるアレの直撃を避けるために日傘やシルクハット。・・・ゾッとするな。

14世紀、百年戦争真っただ中で、しかも、ヨーロッパの全人口の3割に当たる3000万人が死んだというペストの猛威。今の猫ほども巨大なネズミがペスト菌を宿して走り回り、頼りになるのは、笛吹き男か、長靴をはいた猫くらい。・・・地獄さながらだな。

ローマの時代には、あれだけ建築術を発展させて、上下水道が完備されていたっていうのに、なんもかんも垂れ流しだからね。セーヌのほとりで愛を語ってみろ。まず、生まれてくる子には期待はできない。歴史って断絶するものなんっだな。

日本人には、その感覚はわかりにくい。わかりにくいから、その分、やってることが危なっかしかったりする。せめて皇室くらい、本来の姿のまま、守り切らないとね。

断絶して、そのあとを拾ったのが、ローマ教会だったっていうのも、ヨーロッパの悲運でもある。その後、1000年にわたり、ヨーロッパの鼻面を引きづりまわしたからな。

でも、どうなんだろうな。そんなローマ教会でも必要だったてことなのかな。「イスラム教徒をぶっ殺せ」って、ひたすら自分の利益のために騒乱の200年間を開いたウルバヌス2世みたいなのがいた。周囲の善男善女ともどもカタリ派を殲滅したインノケンティウス3世見たいのもいたりするけど、それでもローマ教会って、ないよりはあった方が良かったんかな。・・・微妙だな。


扶桑社新書  ¥ 821

学ぶべきはフランス革命やナポレオンではなく、マザラン、タレイラン、ド・ゴールだ
第一章  フランスらしきものの胎動
第二章  宗教戦争と主権国家の誕生
第三章  世にも恐ろしいフランス革命
第四章  五大国によるウィーン体制
第五章  フランスから見た日本
第六章  ド・ゴールに学べ

ヨーロッパの歴史に特別興味のない人でも、フランス革命くらい知っている。だけど、知っているのは、ルイ16世よりも、マリー・アントワネット。ジャンヌ・ダルクなんかも人気があるよね。踏み込めば面白いところなんだけど、そういう興味とは、ちょっと違うところが残念なところ。

そういう人を考えてみれば、本当に、この本はうってつけだな。そんなこと言っといて、けっこうミーハーな私も、とても面白く読ませてもらった。

ヨーロッパの歴史も、この本みたいに、人間の関係を中心に追っていくと面白いね。宗教改革の流れが、ルター派からカルヴァン派に移り変わっていく様子なんて、高校の世界史の先生はどうやって教えてるんだろ。知り合いにいるから、今度、聞いてみよ。
俗っぽく言えば、「ルターは信仰の正しさよりも、スポンサーであるザクセン公の利益を優先している。許せん」です。なにが許せないのか。「人間に自由意志などないはずだ。バチカンにもザクセン公にも。人間は神の教えである聖書に書いてあることのみに従って生きるべきなのだ」ということです。この過激すぎる主張が受けて、カルヴァンはスイスのジュネーヴに招かれ、この通りのことをします。「朝から晩まで働け。夜は聖書を読むだけにしてさっさと寝ろ」まではよくても、「音楽を聴いていたら死刑だ」とかあらゆる娯楽を禁止します。
本書p52

子孫を残すために、子作りは認めるけど、必要以上に“感じちゃいけない”んでしょ。快楽を求めてSEXしちゃいけないんだよね。どっかの国で、・・・たしかソマリアだったかな。どこどこのうちに男たちが集まって、テレビでサッカーのワールドカップの放送を見てるところをイスラム教過激派が襲撃して皆殺しにしたって事件があった。カルヴァンもそういうやつで、その教えを厳格に信仰したいって人たちがアメリカ合衆国を作ったんだから、アメリカも大変な国だよね。 

とりとめのない話になっちゃったけど、この本、どこから切っても、関係なく面白い。もしかしたら、倉山満さんの、『嘘だらけ・・・』シリーズの中でも、一番面白いかも。・・・おすすめです。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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