めんどくせぇことばかり 江州牛(覚書)『卑弥呼のサラダ 水戸黄門のラーメン』 加来耕三

江州牛(覚書)『卑弥呼のサラダ 水戸黄門のラーメン』 加来耕三

どうにも改革派ってのはかっこいい。幕末で言えば、島津斉彬、阿倍正之といった一橋派だな。それに比べ、守旧派ってのは、どうもいけない。古臭くて、頭が固くて、物わかりが悪くて、時代を知らない。幕末でいえば、南紀派だな。もちろんその筆頭が、井伊直弼。今やってる大河ドラマ、《おんな城主 井伊直虎》を引き継ぐ一族の者だな。

・・・でも、本当にそうか?

司馬遼太郎さんは、暗殺を否定しておきながら、「桜田門外の変だけは例外的に時代を動かした」と、その特別なことを強調してたな。でも、往々にして、暗殺は時代を動かす。司馬遼太郎さんのいいたいのは、好ましい方向へ動かすことはほとんどないが、桜田門外の変は、例外的に好ましい方向へ動いたということなんだろう。

つまり、井伊直弼は、暗殺されてよかったと・・・。

でも、それは司馬遼太郎さんの好みの問題じゃないかな。

この間、書いたけど、攘夷論者って、現実に目をつぶった“原理主義者”でしょ。こずるい連中は、かわいい“原理主義者”の皮をかぶった狼だったりするわけだけどさ。

いわば、“原理主義者”は迷妄の徒で、列強の力を認識し、外交に未熟なところはあっても、通商に頭を切り替えた方が開明派だった。それでも、司馬遼太郎さんは、桜田門外の変は、“例外的にいい暗殺”だったとおっしゃる。


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歴史をつくったあの人は、その時なにを食べていた? 「食」から読み解く日本史
第1章  幕末~明治 激動期の英傑たちの「食」
第2章  江戸 太平の世に花開いた「食」文化
第3章  鎌倉~戦国 乱世の英雄たちの「食」と合戦
第4章  古代~平安 あの有名人が愛した「食」
ただし、井伊直弼の食に対する態度は、もしかしたら歴史を大きく動かしてしまったかもしれない。江戸時代、けもの肉を食わせる店は、「ももんじ屋」と呼ばれたという。江戸時代も押し詰まると、けもの肉も一般化し、「ぼたん」といって猪の肉を、「もみじ」といって鹿の肉を食うようになったそうだ。でも、ここでは、牛肉の話。

私は埼玉の人間だから、肉といえば、豚肉。めったに食ったことはないが、すき焼きも豚肉だった。それが関西は牛肉なんだってね。だから、関西の人は、「牛丼」とは言わないそうですね。この本にありました。関西では、「肉丼」といえば、丼ご飯の上に乗ってるのは牛肉なんですって。

関西でも、牛肉というと、近江牛、神戸牛、松阪牛となって、ようやく近江で井伊直弼につながる。当時は、「江州牛」と呼ばれて珍重されたそうだ。

去年の4月、息子が滋賀県に就職して、彦根城を訪れた。残念ながら、江州牛は食わなかった。今考えれば、食っときゃよかった。なんせ、江戸時代、彦根藩の産する江州牛は、幕府に唯一公認されたもので、それは“赤備え”を旨とする彦根藩の軍装を整える皮革産業に通じるものだったという。つまり、鎧兜の皮を産するおまけとして、肉を食う。なんてご都合主義で、原理主義から遠く離れた姿か。

牛肉の味噌漬けは、彦根藩の隠れ名物で、歴代藩主は、寒中見舞いに、将軍家はじめ親藩諸家に届けたそうだ。これが大好物だったのが、なんと水戸の徳川斉昭だったって。ところがそれが、パタリと届かなくなる。

理由は、直弼が藩主となって、領内での牛肉食を禁止したんだそうだ。理由は、直弼が禅と国学を修めたことにあったらしい。「殺生の嫌う」という気持ちが強かったということだ。・・・ああ、こんなところで“原理主義”が。

桜田門外の変のメンバーは、一人の薩摩浪士を除き、水戸浪士だった。大半の尊皇攘夷主義者などと違って、現実路線を見極める井伊直弼なのに、「肉食禁止」とは。

彼が、それこそ、新たな時代を切り開くエネルギー源に、肉を食うほどの人物であれば、きっと、もっとマシな“維新”があったかも・・・。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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