『渡部昇一の少年日本史』
ヒストリーは、ストーリー。歴史は、物語である。それを教えてくれたのは、渡部昇一さんでした。そして、語られるのは人です。法や制度ではありません。人だけが、感動を呼べるのであり、人こそが、歴史を虹として見せてくれる。
第一章から第六章までの93項目、それにコラムを加えると、ちょうど100項目の歴史が語られている。そのいずれもが、上記のような、日本人の物語。日本人が、自分たちだけの“虹”としてあおぎみる歴史です。
あとがきで、ご本人が言うように、『少年日本史』は、渡部昇一さんの遺言になってしまいました。今でこそ、理解者は増えましたが、ちょうど朝日新聞を相手に大げんかしている頃は、まさに孤軍奮闘で、厳しい時代の灯台の役割を果たされました。


私の父母は、どちらも昭和3年生まれです。渡部さんよりも二つ年上ですね。でも、もうだいぶ前に亡くなりました。母は22年前、父が亡くなったのも、すでに11年も前のことになりました。母の時はそう思わなかったのですが、父が亡くなってから、同じような年恰好の人を見ると、時々、その人に、父の姿を重ねていることがありました。
母の時にそういうことがなかったのは、おそらく、まだ父がいたからだと思います。
ただ、同じ年恰好ならだれでもというわけではありません。父は、家の中では不愛想な人でしたが、外ではいろいろと周囲に気遣いをする人でした。それでいて、こうと決めたことは、どうでも曲げない頑固おやじでした。どうも私が父の姿を重ね合わせている人は、私が“きっとそうだ”と思っている人なのです。
たとえば、渡部さん。そらから、畏れ多くも今上天皇陛下。
ただの、私の、手前勝手な思い入れです。・・・でも、父の姿を重ね合わせられる方が、少なくなってきてしまいました。陛下のご健勝をお祈りいたします。
いま、私の心にある渡部昇一さんは、少年の姿をしています。そう、まだアメリカとの戦争が始まるよりも前でしょうか。そんなころの渡部少年が、空一杯にかかったでっかい虹の上を、小躍りするように駆けている姿が、私には見えるのです。

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
第一章から第六章までの93項目、それにコラムを加えると、ちょうど100項目の歴史が語られている。そのいずれもが、上記のような、日本人の物語。日本人が、自分たちだけの“虹”としてあおぎみる歴史です。
あとがきで、ご本人が言うように、『少年日本史』は、渡部昇一さんの遺言になってしまいました。今でこそ、理解者は増えましたが、ちょうど朝日新聞を相手に大げんかしている頃は、まさに孤軍奮闘で、厳しい時代の灯台の役割を果たされました。
致知出版社 ¥ 2,160 日本人にしか見えない虹を見る 高校生からも感動の声、続々 |
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私の父母は、どちらも昭和3年生まれです。渡部さんよりも二つ年上ですね。でも、もうだいぶ前に亡くなりました。母は22年前、父が亡くなったのも、すでに11年も前のことになりました。母の時はそう思わなかったのですが、父が亡くなってから、同じような年恰好の人を見ると、時々、その人に、父の姿を重ねていることがありました。
母の時にそういうことがなかったのは、おそらく、まだ父がいたからだと思います。
ただ、同じ年恰好ならだれでもというわけではありません。父は、家の中では不愛想な人でしたが、外ではいろいろと周囲に気遣いをする人でした。それでいて、こうと決めたことは、どうでも曲げない頑固おやじでした。どうも私が父の姿を重ね合わせている人は、私が“きっとそうだ”と思っている人なのです。
たとえば、渡部さん。そらから、畏れ多くも今上天皇陛下。
ただの、私の、手前勝手な思い入れです。・・・でも、父の姿を重ね合わせられる方が、少なくなってきてしまいました。陛下のご健勝をお祈りいたします。
いま、私の心にある渡部昇一さんは、少年の姿をしています。そう、まだアメリカとの戦争が始まるよりも前でしょうか。そんなころの渡部少年が、空一杯にかかったでっかい虹の上を、小躍りするように駆けている姿が、私には見えるのです。


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