『未承認国家に行ってきた』 嵐よういち
この本に紹介されている『クリミア共和国』、『沿ドニエストル共和国』、『アブハジア共和国』に加えて、『南オセチア共和国』、『ナゴルノ・カラバフ共和国』は、いずれも旧ソ連に所属した未承認国家である。それらの地域では、旧ソ連による民族政策が原因となって、さまざまな衝突が発生した。ソ連崩壊は、それとともに各共和国のロシアからの離脱を促した。急激に離脱を遂げたところもあれば、緩やかに離脱を試みているところもありと、いろいろだ。
ただ、旧ソ連は、各共和国にロシア人を移住させ、場所によってはロシア人多数化工作が行われた。そういうところでは、その共和国がロシアから離脱しようとすると、ロシア人だけがロシア共和国の磁力に反応する現象が起こる。早くにロシアから離脱した共和国でも、そういうところは安心できない。
また、その共和国がロシアから離脱しようとするとき、ロシアの力を利用してその共和国からさらに離脱しようとする民族が登場する場合もある。
前述の旧ソ連内の未承認国家は、そのいずれかのケースに該当する。
この本の中に再三登場する“ロシア人の無愛想”は一体何を意味するのか。力で押し通すやり方への自信の無さの現れか。あるいは、孤立への不安を虚勢で隠しているのか。どのロシア人をとっても、リトルプーチンの金太郎飴のようなものか。


この本を読めば、つい先ごろまで戦いの行われた場所であっても、それが終われば、そこには人々の生活がある。彼らにとって見れば、どちらでもいいのだ。必要なのは、家族とともに子供を育てられる環境だ。読んでみて、それがよくわかった。
こういう国をあえて訪れたいという旅行者もいるんですね。いったいどんなところに魅力を感じているのか、私にはよくわからない。“未承認”であるということは、その対立の原因は、解決されていないということだ。原因が残されている以上、状況によっては戦いが再燃することもあり得る。そうなれば、《家族とともに子供を育てられる環境》なんて、いとも簡単に消滅する場合もある。
そんな刹那の平穏の中に生きる人々に、直に触れてみたいということなのか。
著者の旅が、緊張感に包まれたものであることは、文章の端々から感じられる。それだけの警戒も、準備もした上での旅行のようだ。それでも、おそらくこれまでも、危ない目にあったこともお有りでしょう。どうぞ、お気をつけて。
北朝鮮から帰国を許されたアメリカ人の青年は、やはり、北朝鮮なんか行くべきじゃなかった。・・・ここで引き合いに出すのは、ふさわしくなかったかもしれませんね。ごめんなさい。
ソマリランド。ここも未承認国家の一つですよね。それがなんでも、とても治安が安定しているとか。ソマリアと聞いただけで震え上がってしまうのに、・・・謎多き、治安良好のソマリランド。ぜひ報告してもらいたい。

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
ただ、旧ソ連は、各共和国にロシア人を移住させ、場所によってはロシア人多数化工作が行われた。そういうところでは、その共和国がロシアから離脱しようとすると、ロシア人だけがロシア共和国の磁力に反応する現象が起こる。早くにロシアから離脱した共和国でも、そういうところは安心できない。
また、その共和国がロシアから離脱しようとするとき、ロシアの力を利用してその共和国からさらに離脱しようとする民族が登場する場合もある。
前述の旧ソ連内の未承認国家は、そのいずれかのケースに該当する。
この本の中に再三登場する“ロシア人の無愛想”は一体何を意味するのか。力で押し通すやり方への自信の無さの現れか。あるいは、孤立への不安を虚勢で隠しているのか。どのロシア人をとっても、リトルプーチンの金太郎飴のようなものか。
『未承認国家に行ってきた』 嵐よういち 彩図社 ¥ 1,296 そこに住む人達はどのように暮らし、国はどうなっているのか。興味は尽きない |
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この本を読めば、つい先ごろまで戦いの行われた場所であっても、それが終われば、そこには人々の生活がある。彼らにとって見れば、どちらでもいいのだ。必要なのは、家族とともに子供を育てられる環境だ。読んでみて、それがよくわかった。
こういう国をあえて訪れたいという旅行者もいるんですね。いったいどんなところに魅力を感じているのか、私にはよくわからない。“未承認”であるということは、その対立の原因は、解決されていないということだ。原因が残されている以上、状況によっては戦いが再燃することもあり得る。そうなれば、《家族とともに子供を育てられる環境》なんて、いとも簡単に消滅する場合もある。
そんな刹那の平穏の中に生きる人々に、直に触れてみたいということなのか。
著者の旅が、緊張感に包まれたものであることは、文章の端々から感じられる。それだけの警戒も、準備もした上での旅行のようだ。それでも、おそらくこれまでも、危ない目にあったこともお有りでしょう。どうぞ、お気をつけて。
JIJI.COM 2017/06/16 北朝鮮の残酷な扱いに怒り=帰国大学生の父-米 http://www.jiji.com/jc/article?k=2017061600303&g=int (抜粋) 【ワシントン時事】北朝鮮当局から約1年半ぶりに解放され、昏睡状態のまま帰国した米国人大学生オットー・ワームビア氏の父フレッドさんは15日、オハイオ州で記者会見し、「息子が長期間、残酷な扱いを受けたことに怒りを覚える」と北朝鮮を非難した。 (続きを読む)に全文 |
ソマリランド。ここも未承認国家の一つですよね。それがなんでも、とても治安が安定しているとか。ソマリアと聞いただけで震え上がってしまうのに、・・・謎多き、治安良好のソマリランド。ぜひ報告してもらいたい。


JIJI.COM 2017/06/16 北朝鮮の残酷な扱いに怒り=帰国大学生の父-米 http://www.jiji.com/jc/article?k=2017061600303&g=int (全文) 【ワシントン時事】北朝鮮当局から約1年半ぶりに解放され、昏睡状態のまま帰国した米国人大学生オットー・ワームビア氏の父フレッドさんは15日、オハイオ州で記者会見し、「息子が長期間、残酷な扱いを受けたことに怒りを覚える」と北朝鮮を非難した。 オットー氏が昏睡状態に陥った経緯に関し、フレッドさんは「ボツリヌス中毒になって睡眠薬を服用したからだという(北朝鮮当局の)説明は信じない」と主張。さらに、「これほど長い間、息子の状態を隠し、高度な治療を拒否し続けたことについて何の釈明もない」と北朝鮮への不信感をあらわにした。 |
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