めんどくせぇことばかり 死に絶えた漢族『秘伝・日本史解読術』 荒山徹
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死に絶えた漢族『秘伝・日本史解読術』 荒山徹

遠回りのようでも、中国史の悠久の流れを簡単に振り返っておくことにします。日本が中国大陸から受けた影響は、今更ここで述べるまでもなく絶大で、中国史の基本的骨格を頭に入れておくことは、日本史を学ぶ上で望ましいどころか、必須と言っても過言ではないと思うからです。
本書p144
まったく同感です。でも、高校の社会なんかでは、日本史は日本史で、チャイナの歴史っていうのは世界史の中の一部として取り扱われているので、日本史の理解のために利用されることがない。本来、歴史は、現状把握のための学問。日本史理解のために、チャイナの歴史に、西洋の歴史に照らし合わせてみることは、きわめて重要な作業のはずなんだけどね。

そうそう、これ、何だか分かりますか?
《いんしゅうしんかんさんごくしん なんぼくずいとうごだいそう げんみんしんちゅうかみんこく ちゅうかじんみんきょうわこく》

これを、🎶もしもし亀よ🎶の曲で歌うんです。漢字で書くと、こうなります。《殷周秦漢三国晋南北隋唐五代宋元明清中華民国中華人民共和国》・・・チャイナの王朝交代を覚えるための暗記歌です。

私は、中学生の頃から、「“りこれいへいけいこう”で三省六部」とかって無意味に唱える世界史オタクでしたので、チャイナの王朝交代くらい屁のカッパでした。だけど、世界史さっぱりなO君という友人がおり、たまたま知っていたこの暗記歌を教えました。彼は本当に嬉しそうに、私に感謝の言葉を並べました。

そして、試験当日。先生は問題作りがめんどくさかったと見えて、期待通り王朝名を並べる問題が出題されました。出席番号が私の次のO君は、私の後ろの席で、楽々正解を書いていると思いきや、変な声が聞こえるのです。「アレ?アレ?いーんしゅうー・・・アレ?」 彼は必死に、🎶桃太郎🎶の曲に王朝名を乗せようとして、苦戦しておりました。



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歴史小説作家だからこそ気づくことのできた、日本史の盲点とツボ
序章  「史観」を語る前にスべきこと
第一章  「遺跡は人なり」と心得よ
第二章  秘伝・日本史収納整理術
第三章  古代史学は伝奇文学か
第四章  日本書紀を再評価せよ
第五章  史料は原文が面白い
第六章  超「仏教」入門(上)
第七章  超「仏教」入門(下)
第八章  遷都の裏に政教分離あり
第九章  藤原氏で知る系図の秘訣
第一〇章  時代の境目とは何か
第一一章  日本市場の二大画期
第一二章  二つの中国とモンゴルの侵略
第一三章  「皇統」は誰が決めるのか
第一四章  歴史は「応仁の乱」以後で十分化
第一五章  歴史と地理は不可分なり
第一六章  「太閤記もの」の読み方
第一七章  世界史から捉える島原の乱
第一八章  史的眼力を「忠臣蔵」で考える
第一九章  近くの国より遠くのオランダ
第二〇章  小説を楽しむためのスキル
終章  歴史は「取扱い注意」で


しかし、残念ながら現代チャイナの源流は、夏・殷・周・秦・漢・三国時代(魏・呉・蜀)・晋ってところにはないんですよね。「中国史の流れを現代からさかのぼっていくと“代”という国に行きつく」と、著者は言ってのけます。そう、チャイナのルーツは夏でも、周でもなければ、現代チャイナの民族名をあらわす“漢”ですらないんですよね。

晋王朝によるつかの間の統一のあと、チャイナは南北朝時代に入る。その直前、鮮卑族の一部族である拓跋部が晋帝から代王に封ぜられた。この“代”の後裔が“北魏”ー“西魏”ー“北周”ー“隋”とつながるわけですね。この北方民族が、南部に歴史を重ねてきた最後の漢民族王朝“陳”を滅ぼしてチャイナを統一する。だから、このとき、漢民族が紡いできたチャイナの歴史は鮮卑族によって受け継がれていったわけだ。

チャイナに漢字で表記された周辺国、周辺民族名は、漢字による意図的音写である。あえて、“意図的”というのは、“ヒノミコ”、あるいは“ヒメミコ”を「卑弥呼」などと音写するからだ。「鮮卑」もまた、ひどい意図的音写である。『新編東洋史辞典』が出どころだそうだが、鮮卑の原音はバックルを意味するモンゴル語の「serbe」であろうという。「セルベ」である。

このセルベが漢民族の陳を滅ぼしてチャイナ全土を手に入れたことを、教科書は何と書いているか。この本で参考にしている野とは違う東京書籍の『世界史B』の文章を紹介する。
『581年、北周の外戚楊堅は、禅譲の形式で隋王朝を建て、長安に大興城を築いた。589年には南朝の陳を滅ぼし、ここに秦漢帝国以来の中華帝国が再建された』
やはり、それまでのチャイナの滅亡を、“中華帝国の再建”と呼んでいる。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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