めんどくせぇことばかり 『戦争の日本古代史』 倉本一宏

『戦争の日本古代史』 倉本一宏

本来は非戦闘員であった百姓やそれ以下の身分の者を組織した奇兵隊をはじめとする諸隊によって江戸幕府を倒して成立した明治政府は、「国民皆兵」の旗印の下、家の継承者や官吏、官立学校生徒以外の男子を帝国軍の兵士として徴発し、本来は非戦闘員であったはずの彼らに「武士道」を植えつけて対外戦争へと投入したのである(大江志乃夫『徴兵制)。

そこには意図的な「武士道」の誤解・曲解が存在したことは、言うまでもない。武士のための「武士道」を国民道徳と同一視していったのである。そして、「武士道というは死ぬことと見つけたり」など、都合のいい文言だけが取り上げられることになった。

特に長州閥の支配する帝国陸軍は、北海道開拓、カムチャッカからオホーツク一体の占拠、琉球の日本領化、朝鮮の属国化、満州・台湾・フィリピンの領有という吉田松陰の「征韓論」(その根拠も「三韓征伐説話」であった)を継承していた。

やがて一八八二年(明治十五)の軍人勅諭から一九四一年(昭和十六)の陸軍省「戦陣訓」へとつづき、近代日本は果てしないアジア侵略と破滅の道を歩みはじめたのである。近代アジアにおける悲劇は、ほとんど対外戦争をおこなってこなかったという日本史の土壌の上に、古代以来の伝統的な日本の帝国指向と対朝鮮観(および対異国観)、それに歪曲された「武士道」をたたき込まれた帝国陸海軍の兵士(及びそれを賞揚する一般国民)によってもたらされたという側面が存在したということになる。
本書p290
・・・どうやら、日本人というのは、そこにいるだけで、アジアに騒乱をもたらさずにはいられない、救いようのない存在のようである。この文章は、“おわりに”に書かれた、いわばこの本の要約のようなもの。その終わりに著者は、《子や孫の世代にふたたび戦争が起こることのないように、私の大事な各国の人たちがいつまでも笑顔でいられるように》と祈りをささげているが、残念ながら、それは無理だ。

それは、上の文章を見れば明らかだ。そして、この本一冊の内容を通して、著者はわざわざ、それが不可能であることを、実証してしまっているではないか。なにをいまさら、あり得ない祈りを捧げるのか。それが可能となるのは、この地上から、日本人を抹殺するしか方法はないというのに。まさか、それを祈っているのか。
『戦争の日本古代史』    倉本一宏

講談社新書  ¥ 950

近代日本のアジア侵略は、その淵源が古代以来の倭国や日本にあった
第一章  高句麗好太王との戦い 四~五世紀
第二章  「任那」をめぐる争い 六~七世紀
第三章  白村江の戦い 対唐・新羅戦争 七世紀
第四章  藤原仲麻呂の新羅出兵計画 八世紀
第五章  「敵国」としての新羅・高麗 九~十世紀
第六章  刀伊の入寇 十一世紀
終章  戦争の日本史
  • 会社のために自己犠牲を強いられる企業戦士
  • 高校野球の犠牲バンド失敗に、「自分も生きようとしていたからいけない」という解説者
  • アウトを“死”とあらわす風潮
  • 「頑張れニッポン」と連呼する応援
  • 「日の丸を背負って」と意気込んでは実力を出しきれない選手
いずれも、拭い去れない“帝国日本”の呪縛と思えるのだそうだ。

もしこれから買おうかと考えている人がいたら、このブログ読んで、amazonのレビューでも読んで、それからで十分よ。私は読みましたよ。お金出して買ってね。まあ、たまにはこういう本を読むのも、いい刺激になるからね。

買って読んだんだから意見を言ってもいいよね。どんなことでも勝手に考えていていいから、世間に迷惑をかけるのだけはやめてね。

・・・この“世間”を気にする生き方も、“帝国日本”の呪縛と言われるだろうね




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No title

こんばんは。お久しぶりです。

>買って読んだんだから意見を言ってもいいよね。

その通りですね。買はずに批判するのはなんですが、お買ひになれたのですから、それにはご遠慮される必要はありませんね。

僕が大好きだつたとあるサッカー選手が所属クラブを退団した時にサポータへ向けたお別れの挨拶の時に「沢山の忠誠心を見せてくれてありがとう」と言つてゐたのが印象的でした。この選手は英語で原稿を書いて通訳に和訳してもらい、拙ひ発音であるが自分の言葉がサポータに伝はるやう日本語で話しました。
この時の単語はloyaltyです。他国は所属する団体に対してloyalty=忠誠心と言ふことを当たり前のやうに使ひますが、日本でそんなことを言ふと「右翼・軍国主義的思想」を言ふやから少なからず居ますよね。嫌な世の中ですね。僕は忠誠心は美徳だと思つてをります。

橘右近大夫 さま

占領軍が国旗の掲揚を禁止した心情と同じ、武道を禁じた心情と同じ、歌舞伎を禁止した心情と同じ。
この作者は占領軍と心情が同じ・・・ということでしょうかね。

ありがとうございました



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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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