『安全保障は感情で動く』 潮匡人
アメリカ大統領に求められる器量というのは、一体何なのか。こんなこと言うのも、バラク・オバマ大統領という人は、「印象に残るアメリカ大統領」という調査で、ジョン・F・ケネディに次いで2位になってるんですね。しかも、女性だけなら1位。なんと66%の女性が、バラク・オバマを1位に選んでいると言うんですから驚きです。
https://news.nifty.com/article/item/neta/12225-170118009887/
まあ、良いとか、悪いとかいう判断基準ではありませんから、こういう結果になることも分からないではありませんけどね。
2013年8月、「シリアによる化学兵器の使用はレッドライン」と明言した。レッドラインとは越えてはならない一線であり、アメリカ大統領がこの言葉を使った場合、その先は軍事介入となることを意味している。「アサド政権が化学兵器を使えば、アメリカは軍事介入する」と言っているのだ。
しかし、その後、レッドラインを踏み越え化学兵器を使ったアサド政権に対し、オバマは前言を翻すように矛を収めた。世界が大きく乱れたのはここからだ。その時、オバマはこう言ったのだ。《米国は世界の警察官ではありません。恐ろしいことは世界中で起きており、我々はすべたのアクを正すことはできません》
この言葉の影響は、一つ、アサド政権の化学兵器使用を放置したにとどまらなかった。アメリカは、自国の利益や存亡に直接の影響がない限り、軍事介入に踏み切ることはないと思われたのだ。
本書の言うとおり、その後、シリアで軍を展開しているのはロシアである。それ以外の世界においても、チャイナは南シナ海に進出し、ロシアはクリミアを手に入れた。
それだけに、ドナルド・トランプの、シリアに対するミサイル攻撃の衝撃は大きかった。本人も、大統領選挙中、「アメリカは世界の警察官ではない」と公言していたのだからなおさらだ。シリア北西部で、またぞろアサド政権が化学兵器を使用し、その惨状を報告されたドナルド・トランプが“激しく心を乱された”結果であるようだ。
安全保障は感情で動く
オバマのケースを考えれば、これが逆の効果を生む状況も考えられる。ロシア、チャイナが、アメリカを刺激しない道を選択する可能性が高まるということだ。圧倒的な力に対する“恐怖”という感情には、暴走を押せる効果もある。
しかし、同時に、その恐怖を乗り越えようとする努力を促すこともありうる。相手に過度の恥辱を加えれば、相手が対立を先鋭化させていく危険が生まれる。
「《計算違い、誤解》・・・それが誰も望まず、意図せず、勝者のいない戦争の始まり」だというのだ。対立の生み出す緊張状態は、思考を極端化させ、いったん方向性を持った大衆心理に火が付けば、もはや誰も手出しすることはできなくなる。
どっかの、刈り上げデブみたいに、その先を行くバカもいるけど・・・。

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
https://news.nifty.com/article/item/neta/12225-170118009887/
まあ、良いとか、悪いとかいう判断基準ではありませんから、こういう結果になることも分からないではありませんけどね。
2013年8月、「シリアによる化学兵器の使用はレッドライン」と明言した。レッドラインとは越えてはならない一線であり、アメリカ大統領がこの言葉を使った場合、その先は軍事介入となることを意味している。「アサド政権が化学兵器を使えば、アメリカは軍事介入する」と言っているのだ。
しかし、その後、レッドラインを踏み越え化学兵器を使ったアサド政権に対し、オバマは前言を翻すように矛を収めた。世界が大きく乱れたのはここからだ。その時、オバマはこう言ったのだ。《米国は世界の警察官ではありません。恐ろしいことは世界中で起きており、我々はすべたのアクを正すことはできません》
この言葉の影響は、一つ、アサド政権の化学兵器使用を放置したにとどまらなかった。アメリカは、自国の利益や存亡に直接の影響がない限り、軍事介入に踏み切ることはないと思われたのだ。
本書の言うとおり、その後、シリアで軍を展開しているのはロシアである。それ以外の世界においても、チャイナは南シナ海に進出し、ロシアはクリミアを手に入れた。
『安全保障は感情で動く』 潮匡人 文春新書 ¥ 880 たしかに重要である。しかし、地政学だけで安全保障を語るのは危険である |
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それだけに、ドナルド・トランプの、シリアに対するミサイル攻撃の衝撃は大きかった。本人も、大統領選挙中、「アメリカは世界の警察官ではない」と公言していたのだからなおさらだ。シリア北西部で、またぞろアサド政権が化学兵器を使用し、その惨状を報告されたドナルド・トランプが“激しく心を乱された”結果であるようだ。
安全保障は感情で動く
オバマのケースを考えれば、これが逆の効果を生む状況も考えられる。ロシア、チャイナが、アメリカを刺激しない道を選択する可能性が高まるということだ。圧倒的な力に対する“恐怖”という感情には、暴走を押せる効果もある。
しかし、同時に、その恐怖を乗り越えようとする努力を促すこともありうる。相手に過度の恥辱を加えれば、相手が対立を先鋭化させていく危険が生まれる。
「《計算違い、誤解》・・・それが誰も望まず、意図せず、勝者のいない戦争の始まり」だというのだ。対立の生み出す緊張状態は、思考を極端化させ、いったん方向性を持った大衆心理に火が付けば、もはや誰も手出しすることはできなくなる。
どっかの、刈り上げデブみたいに、その先を行くバカもいるけど・・・。


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