めんどくせぇことばかり 閏年生まれの彼『アダムのリンゴ』 小泉牧夫
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閏年生まれの彼『アダムのリンゴ』 小泉牧夫

そうそう、《西向く侍》ね。侍を“士”と書いて、《にしむく士》は二月、四月、六月、九月、十一月。いわゆる、“小さい月”に当たる月ね。それが二月、四月、六月と偶数月でいって、突然八月が“大きい月”になるもんだからこんがらがってしまう。ここから“小さい月”は奇数月に変わって九月、十一月と続くわけ。

“西向く侍”の他にも、左手のゲンコを握って、指の付け根の出っ張りが“大きい月”。人差し指の付け根から始まって、一、ニ、三、四、五、六、七と小指の付け根に至る。今度は右手のゲンコ。人差し指の付け根から、八、九、十、十一、十二は薬指の付け根で終わる。

私はゲンコの山と谷で“大きい月”と“小さい月”を認識した。

しかし、まだ問題が残る。二月だ。なんで二八日しかないんだ。影森小学校、影森中学校と一緒に過ごした黒澤誠くん。“マコちゃん”は、本当は、四年に一度しか巡ってこない二月二九日生まれ。同級生が十二歳当時、彼だけは三歳だった。彼は、便宜上、二八日生まれと、生まれながらの嘘つき人生を送ることになった。

なんでこんなことになってしまったのか。責任者、出てこーい❢



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のどちんこにはリンゴが詰まっている 歴史から生まれた世にも面白い英語
〈古代ギリシア編〉
〈古代ローマ編〉
〈中世編〉
〈近世前編〉
〈大航海編〉
〈近世後編〉
〈アメリカ大陸編〉
〈近代編〉
〈2つの世界大戦編〉
〈戦後・21世紀編〉

な~んてこと云ってたら、すごい責任者が出てきてしまった。なにしろ、カエサルとオクタヴィアヌス。King of Kinguこと、Emperor。ラテン語でImperatorのご登場ですからね。とはいえ、私だって、怯んでいる訳にはいきません。なにしろこれには、“マコちゃん”の名誉がかかってますからね。

古代ローマの暦では一年は十カ月だったらしい。農作業に適さない寒期にあたるニか月間、おそらくは冬至から春分くらいの間でしょ。その間は暦から除かれていたんだって。だから一年の始めは、今でいう三月、March。もとはMartiusで戦いの神「マルス」Marsの月。後から割り込んだ形の一月は、ローマ独自の双面神の「ヤヌス」Janus。英語にすると「ジェイナス」Janus。一つの顔が去りゆく年を、もう一つの顔が来るべき年を向いているということらしい。二月は、ローマが罪を償い、戦死者の霊を慰めるお祭りにちなんで名づけられたらしい。その時祀ったのが、贖罪の神Februus。英語の「フェブラリー」Februaryはここからきているという。

英語のSeptember「九月」は、マーチから数えると七番目の月。ラテン語のseptemは「七」をあらわす言葉。そういえば、八本足のオクトパスのように、octoがあらわす数字は「八」。つまり、「七」をあらわすSeptemberは九月となり、「八」をあらわすOctoberは十月になっちゃった。つまり、みんなにカ月ずれちゃった。

一年を三六五日。カエサルが、四年に一度の閏年を設けたユリウス暦を定めたのは紀元前四六年。この時に自分が生まれた七月を自分の名前“Julius”「ユリウス」に変えてしまった。この“Julius”が、英語の“Juiy”「ジュライ」の由来。「どうせずれちゃってるんだから、・・・」ってのは名前を変えやすい理由になったかもしれないけど、「だったら俺も・・・」って悪のりしたのがオクタヴィアヌス。

アウグストゥスって呼ばれた彼は、ユリウス暦を改暦したときに八月を自分の名前のAugustusに変えちゃった。これが英語で「オーガスト」Augustになるわけだ。

もともと七月は「五」をあらわす「クインテリス」Quintilis、八月は「六」をあらわす「セクスティリス」Sextilisだったって。

オクタヴィアヌスが悪乗りしすぎたのは、アウグストゥスこと、行程たる自分の名前を冠した月が“小さい月”だったことを不満に思い、これを変えちゃったこと。かといってカエサルの七月を減らすわけにもいかず、連続で“大きい月”にしちゃったこと。んんん、めんどくさいことになったのは、オクタヴィアヌスの責任か。しかも、八月に増やした分を、遠く離れた二月から持ってきたもんだから、二月は閏の月でやっと二九日。その他は二八日になっちゃった。

“マコちゃん”、悪いのはオクタヴィアヌスだったよ。「嘘つきマコちゃん」じゃなかったよ。・・・誰がそんなこと言ってるかって?・・・そういや、私以外にはいなかったかも。





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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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