めんどくせぇことばかり 出歯亀『アダムのリンゴ』 小泉牧夫

出歯亀『アダムのリンゴ』 小泉牧夫

《もしあなたが公園で愛の交歓を行うのならば、痴漢にのぞかれることを覚悟しておいてほしい。覚悟の上で、のぞいている人々が感動してしまうようなSEXができたら、あなたはもう性の達人である》

・・・なんか、・・・感動的だ。

昔、女の子と一緒に、夜の新宿中央公園に言ったことがある。・・・止むに止まれず。・・・もちろん、その娘は今の連れ合いですが。その時も、“ピーピング・トム”君がいました。いや、日本人ですから、“出歯亀”と、正しく呼びましょう。

《明治末期、池田亀太郎という植木職人がいて、女湯を覗くなど変態的なことをして逮捕された。その男が“出っ歯の亀太郎”だったために「出歯亀」と呼ばれるようになった》・・・ということだ。

それは、私が止むに止まれぬ行動に及ぼうとしたその時、斜め前の植え込みに興奮に割れを抑えられなくなったやつがいて、大きく動揺した。植え込みの動揺に石を投げ込むと、「痛えじゃねえか」と抗議の声。

逆に大きく動揺した私たちは、そそくさとその場を立ち去ったのでした。

そんな私たちですから、その頃はもちろん、その後も、“性の達人”の道は、遠く険しいものとなったのでした。



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のどちんこにはリンゴが詰まっている 歴史から生まれた世にも面白い英語
〈古代ギリシア編〉
〈古代ローマ編〉
〈中世編〉
〈近世前編〉
〈大航海編〉
〈近世後編〉
〈アメリカ大陸編〉
〈近代編〉
〈2つの世界大戦編〉
〈戦後・21世紀編〉

ピーピング・トムの語源は、少し趣が違う。
イングランドのほぼ中央にコヴェントリーという町がある。この地で起こったあるできごとによって“誕生”した表現にpeeping Tom がある。

時の領主レオフリックが重税を課していたために、住民は苦しみに喘いでいた。それを見かねた妻のGodiva「ゴダイヴァ」が、夫に「税金を軽減して欲しい」と頼むと、「もしお前が裸で馬に乗って町中を回れば税金を安くしよう」と答えた。妻は、町中の人に家のドアを締めて窓に覆いをすることを約束させて、これを実行に移した。

だが、仕立て屋のTomだけが、誘惑に負けてゴダイヴァの姿を覗いてしまった。その罪でTomは目を潰されたという。それから、「性的興味で覗き見をする人」をpeeping Tom と呼ぶようになった。
本書p76

亀太郎さんも、警察に逮捕されて、罪を償う羽目になったわけだけど、まあ、どんな罰をくださ得れたか知らないけど、“目を潰される”ことはなかったでしょう。Tom の目を潰すことを決めたのは、一体誰だったんだろう。

領主ということは、まずないだろう。妻の裸を見られたのが悔しいなら、最初から裸で馬に乗れなんて言わなければいい。妻がそんなことをするわけがないと思って言っちゃったけど、いざやることになると、覗いたやつが許せないということはあるかもしれない。

領主の妻。これはあるかもしれない。「みんなのために、恥を忍んでやったのに」ってね。だけど、税の軽減のために、みずからの恥を忍ぼうという女が、「Tom の目をつぶして」というのも考えづらい。

いずれにせよ、領主か、領主の妻が「Tom の目を潰せ」と言ったのなら、二人とも“性の達人”からはほど遠い人間だっただろう。

住民が、「みんなのために恥を買って出てくれた奥方様の裸を覗くとは・・・」と、Tom の目をつぶしたというのがだとうなところか。

Godiva は、フランス語読みでは「ゴディヴァ」。そう、ベルギーのチョコレート屋さんだな。「裸で馬にまたがる長い髪の女」はゴディヴァのチョコレートのイラストに使われているんだそうだ。

・・・この本、面白すぎる。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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