めんどくせぇことばかり 『登山力アップの強化書』 徳永哲哉
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『登山力アップの強化書』 徳永哲哉

私は、30代前半までは、かなり頻繁に山に行ってたんで、山に関するそれなりの知識と経験はある。“それなり”の知識と経験ってのは、扱いようによっては、いい方にも悪い方にも転ぶ。“それなり”の知識でも、知識は無駄になることはないだろうけど、今、60代手前の私にとって、30代前半までの“それなり”の経験ってのは、特に体力面においては、私の足を引っ張ることもあるだろう。

だけど、以前登ってるときも、ガイドじゃないけど、けっこう経験の薄い若い人を連れて行くことが多かったんで、安全第一だったんだけどね。そのせいで、“下山家”とか、“停滞野郎”とか、“撤退くん”とかって心ない言葉を浴びせられることもあった。

そんな私の“それなり”の知識と経験から言っても、一々納得できるし、最低限必要なことを、十分に教えてくれる本だなって思った。第三章、第四章の、道具や服装に関わる話は特に勉強になったな。なにしろ、山を離れている間の道具の進化ってのがすごいからね。

ザックには驚いた。この本の著者と同じく、山をキスリングではじめた私たちの世代は、パッキングは死活問題だった。高校一年の夏山合宿では富山から入って、薬師から上高地まで縦走したんだけど、一番バテたのは、学校から西武秩父駅までの30分だった。ひどいパッキングだったからね。電車の中で、先輩に怒られながらパッキング直してね。合宿中も、おかしなパッキングすれば、痛い思いするのは自分だからね。

今のザックはいいよね。装備をボコボコ投げ込んで、ギュッてやって、グイッとやれば、それでパッキング完了だもんね。それでも使いこなせない人がいるみたいだけどさ。

第五章の《毎日筋トレするより毎週山へ》は、私も同感です。でも、高校の時はお金がなくてね。今もないけどさ。だから、歩荷が多かった。連休があれば、必ず歩荷。雲取か、雁坂か、甲武信。土曜日は学校があったからね。私は秩父だから、東京に出ると時間をロスするから、やっぱり奥秩父だったね。夜のうちにできるだけ歩いてね。山に行かない土曜日は、トレーニングで武甲山に登るの。学校から山頂まで3時間位。なにしろ山にのぼるのが一番。

それもない時は、私は個人的にお金もうけ。だいたい土曜日の午後に野球部だの、サッカー部だのが練習試合をやるので、頼まれて豚汁とおむすびを作ってやるの。一人100円だったかな。・・・そんな経験、どうでもいいか。

地図、磁石、スパッツ、ザイル、アイゼン、ピッケル、カラビナ。そういうのは、まず使ってみることですよね。ロープがあるけど、ちぎれていたりしているところはよくある。そんなちぎれたようなロープ、危なくってしょうがない。使い所はかならずある。アイゼン、ピッケルも、どうかなって思ったら使う。使ってるうちに使い方もうまくなる。そのあたりも書かれていたけど、けっこう大事なことだな。



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遭難予備軍と呼ばれないための強化書 さあ、明日も山に登りましょう
第一章  体力頼みの猪突猛進は危険だ!
第二章  遭難しないための基礎知識
第三章  道具を使いこなせばより安全・快適になる
第四章  冬山のリスクを軽減する方法
第五章  毎日筋トレするより毎週山へ!

昨年の10月下旬に股関節の手術をして、痛みを感じることなく歩けるようになりました。おっかなびっくり山道に入ってみました。気持ちよくて、気持ちよくて、気持ちよくて・・・。

「ああ、自分の一生は山とともにあるんだな」って思ってたのに、30代の前半には山登りをやめてしまった。症状について正確に伝えるのはとても難しくて、痛いときと、それからちっとも痛くないときもあるんだけど、山に登ってるときに痛くなると、どうにもならない。連絡が取れない場所なら、誰かが通るのをひたすら待つしかない。

山登りをやめた理由を人に伝えようとすると、自分ながら言い訳がましくしか聞こえない。

好きでやめたわけじゃない。

でも、私の心が取った適応機制は、“合理化”。

いい歳をして、山なんか登るやつの気が知れない。

そんなこと言ってたやつがまた山に登るんだから、まさにこの本にあるように《遭難予備軍》になりかねない。一番そう思わされたのは、歩く速度。コースタイムの半分で歩くとか、3時間のところを2時間で歩くとか。かつてはそういう登り方をしてました。ハアハア息を上げながら。水を節約して、なるべく飲まないようにして。

そんなやり方が通じたのはただ若かったからで、山を再開してすぐダメだとわかった。著者の言うとおり、「まず自分の身体を知る」ってことですね。わかってるんだけど、前後に人がいると、意味もないのに張り合っちゃってたりするんだよね。これがなくなった時、私の山登りは、今より少しましになると思う。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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