めんどくせぇことばかり 新大陸の作物『1493 入門世界史』チャールズ・C・マン
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新大陸の作物『1493 入門世界史』チャールズ・C・マン

やっぱり、今も昔も、良かれ悪しかれ、シナが関わることで大きく動く。“コロンブス交換”。その姿を解き明かすことこそが、本書の目指すところであり、キーワード。

南米原産の食材がシナに持ち込まれて、それが人口爆発を起こした様子が書かれていて、ちょっと触れておきたい。お亡くなりになった岡田英弘さんが書いた本で、人口爆発のことを読んだけど、ほぼ同様のことが書かれていた。やっぱり、岡田先生って偉大だな。

《水を制する者が天下を制す》・・・五帝の時代から、治水は天かを左右する事業。長江下流の稲作地帯、小麦の主産地である黄河流域の華北平原にどう水を送るか。はたまた壊滅的な洪水にも見舞われやすい地形であるからこそ、治水は歴代王朝の命運に直接かかわっていた。

広大な大地にもかかわらず、適当な耕作地は意外と少ない。漢王朝時代で6000万。基本的にこれが頂点ですよね。以後これを上回ることなく歴史は推移した。ところが清王朝の時代に、シナの人口は、一気に6000万を突破した。突破したどころか、康熙帝、雍正帝、乾隆帝の絶頂期を越えて、道光帝の時代には4億に近づいた。

安定を言うなら、過去にも安定はあった。それでも6000万を上回れなかった人口が、一気に4億だ。なにが変わったのか。

そこで出てくるのが、“コロンブス交換”ということになる。旧世界にもたらされた新世界の作物。


サツマイモ、トウモロコシ、落花生、唐辛子、パイナップル、カシューナッツ。それらの作物が、ガレオン貿易に沸き返る福建省に持ち込まれた。


『1493 入門世界史』   チャールズ・C・マン

あすなろ書房  ¥ 1,728

コロンブルから始まるグローバル社会 《1493》は“コロンブス後”ということか
はじめに コロンブス交換が現在の世界を作った
第1部  世界は再びつながった
第2部  大西洋を越えて
第3部  太平洋を渡って
第4部  変貌を遂げるヨーロッパ
第5部  真実のアフリカ
おわりに 生命の営み   

それまでの2000年近く、・・・この本の著者は「中国の人口増加はずっとゆるやかだった」と言っているが、実際には王朝の盛衰に合わせて激しく増減した。ただしいくら増えても、漢王朝時代の6000万人を上回ることはなかったということだ。

それが清による征服後、一変した。アメリカ大陸産の作物の到来と清王朝による社会改革の相乗効果で、人口が爆発した。軽視されるか、無視されてしまうことが多いが、清王朝の社会改革は見逃せない。天然痘の予防接種を広く実施し、食糧貯蔵庫を全国に設けて余剰穀物を買い上げ、不足時に低い法定価格で放出した。

それまでのシナの王朝ではあり得ないな。征服王朝だからどうのとか、違うからどうのとかいうことはないな。だいたい、漢族なんて三国時代以降の動乱で死に絶えているし、結局、シナというのも“場”でしかないんだな。だから、征服民だろうが、違おうが、少しでも質のいい奴らが治めた方がいいというだけのことだ。

でも、清王朝の社会変革だけでも、あそこまで爆発的に人口が増えることはなかったな。まあ、アメリカ大陸原産の作物が果たした役割は、やはりとても大きいよ。

ただし、シナ人ってのは、絶対それじゃあ終わらないんだ。増加した人口を養うために、彼らは山にもトウモロコシを植えた。山を利用した耕作地の急激な増加は、思いがけない災いをもたらした。木を失った山の急斜面から雨水が激流となって駆け下り、土中の養分を洗い流した。シナの農民は階段状に畝を建てることを知らず、斜面に沿って縦に畝を切った。新たに開墾された山の畑は、たちまち疲弊した。

森林伐採はふもとの平地に洪水の害も与えた。洪水は長江下流の水田や黄河下流の小麦地帯を襲い、シナを代表する穀倉地帯が深刻な被害を受けた。洪水の頻発は、そのたびに飢饉をまねき、社会不安を醸成した。国の資源は被害の回復のために費消されていった。アメリカ大陸さんの作物は、ぐらついた清王朝の土台に、致命的な蹴りを入れた。

「災い転じて福となす」という言葉がある。ところが、シナ人の手にかかると、アメリカから荒地でも豊かに実る新たな作物がもたらされるという幸運も、それが転じて国を亡ぼすということになる。・・・なんのこっちゃ?

習近平を少しは応援してやりたくなる。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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