『連合国戦勝史観の虚妄』 ヘンリー・ストークス
いま国際社会で「南京大虐殺はなかった」と言えば、もうその人は相手にされない。ナチスのガス室を否定する人と同列に扱われることになる。残念ながら、これは厳粛なる事実だ。だから慎重であらねばならない。だが、日本が日本の立場で、世界に向けて訴え続けていかなければ、これは歴史的事実として確定してしまう。 |
以前にこの本を紹介したとき、こんなことを書いていた。世界は、戦争に勝ったことによって、負けたものにそれまでの負の遺産を担わせることに決めた。そして、それは今も変わらない。変わらないだけではない。中には、真実が顕になるのを覆い隠すかのように、声高に日本を攻撃するものがいる。シナと韓国だ。彼らは、国の成立自体が、第二次世界大戦にある。そこで語られることの多くが嘘だということが明らかになれば、彼らの国の土台自体が嘘にまみれていることが明らかになる。
もちろん、シナや韓国といった便乗組だけではない。日本に負の遺産のすべてを担わせるあらすじを書いた米英にしたって、その事実が明らかにされることは、なんとしても避けたい。違うのは、シナや韓国よりも、多少、恥を知っているというところだろう。
日本の敗戦によって、彼らは日本を裁くチャンスを手に入れた。著者の言葉は激越だ。『辱めを与える必要があった。日本人を徹底的に打ち砕き、完膚なきまでに叩きのめさねばならなかった。勝者の正義などは、まさに「建前」で、復讐をせずには収まらなかったのが「本音」である。東京裁判もまさに復讐劇だった』
“なぜ、そこまで・・・”と思うところだが、日本が彼らから奪ったものを考えれば、・・・当然といえば当然かも知れない。
『連合国戦勝史観の虚妄』 ヘンリー・ストークス 祥伝社 ¥ 864 英国人大物記者が、戦後、戦勝国の都合で作り上げられた「日本悪玉論」を断罪 |
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「唯一の文明国であるはずの白人世界で、最大の栄華を極めた大英帝国が有色人種に滅ぼされるなど思考の限界を超えていた」「チャーチルが日本を口汚く罵った背景にはその悔しさと怒りがあった」
「英国はナポレオンとヒトラーの侵略を受けた。だが、その帝国の植民地が有色の日本人によって奪われ、その他の有色人種が次々独立していったことは想像を絶する悔しさだった」
「アメリカは原爆を落とす必要はまったくなかった。生体実験のように人間の上に原爆を落としたのは〈辱めを与える必要性〉があったからだ。日本人を完膚なきまでに叩きのめさねばならなかった。正義は建前で、復讐せねばおさまらなかったのが本音だ」
「日本は白人の持ち物の植民地を侵略した。侵略が悪いのではなく、有色人種が白人さまの領地を侵略したから悪いのだ。白人が有色人種を侵略するのは〈文明化〉で、劣っている有色人種が白人を侵略するのは〈犯罪〉なのだ」
「東京裁判は復讐劇であり、日本の正当性を認めることなど最初からありえなかった。認めれば自分たちの誤りを認めることになる。広島長崎の原爆や東京大空襲で民間人を大量虐殺した罪を明らかにされてはならなかった。それが連合国の立場だった」
こんなところを挙げておけば、彼らがなぜそこまで日本を徹底的に叩こうとしたのかの理由として、十分でしょうか。《猿の惑星》という映画は、建てに作られたわけじゃないってことだね。


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