めんどくせぇことばかり 『ヒルビリー・エレジー』 J・D・ヴァンス
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『ヒルビリー・エレジー』 J・D・ヴァンス

CNN.co.jp 2017/08/13
白人至上主義者が集会、反対派に車突っ込み1人死亡 米南部
https://www.cnn.co.jp/usa/35105684.html
(抜粋)
バージニア州シャーロッツビル(CNN) 米南部バージニア州シャーロッツビルで12日、白人至上主義者らが大規模なデモを計画し、これに抗議する団体と前夜から衝突した。12日午前には抗議集団に車が猛スピードで突っ込み、市当局によると1人が死亡、19人が負傷した。
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アメリカのメディアは、ここぞとばかりこのニュースを取り上げ、トランプ大統領を追い詰めようとしている。・・・まだ分かってないということだ。
著者は、白人にはちがいないが、アメリカ北東部のいわゆる「WASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)」に属する人間ではない。そのかわりに、「スコッツ・アイリッシュ」の家系に属し、大学を卒業せずに、労働者階層の一員として働く白人アメリカ人の一人である。・・・これは本人の書いていること。

「スコッツ・アイリッシュ」というのはアイルランド島北東部からアメリカに移民してきた人たちのことだそうだ。“スコッツ”というのは、その地域にスコットランド系のプロテスタントが逃げて来ていたことを示すようだ。カトリックとの兼ね合いで、彼らは“アイルランド系移民”とは一線を画しているようだが、“アイルランド系移民”であることには違いない。

そうした人たちにとって、貧困は、代々伝わる伝統といえる。先祖は南部の奴隷経済時代に日雇い労働者として働き、その後はシェアクロッパー(物納小作人)、続いて炭鉱労働者になった。近年では、機械工や工場労働者として生計を立てている。アメリカ社会では、彼らは「ヒルビリー(田舎者)」「レッドネック(首すじが赤く日焼けした白人労働者)」「ホワイト・トラッシュ(白いゴミ)」と呼ばれているんだそうだ。つまり、アメリカという国のリベラル層は、自らを「スコッツ・アイリッシュ」と認識する人々を、自分たちアメリカ人とは違う種類の人々と考えているらしい。

そして、この本の著者は、自分のことを「スコッツ・アイリッシュのヒルビリー」と心の底から思っているんだそうだ。


『ヒルビリー・エレジー』    J・D・ヴァンス

光文社  ¥ 1,749

アメリカ社会では、彼らは“ヒルビリー”、“レッドネック”、“ホワイト・トラッシュ”と呼ばれている
第1章  アパラチア――貧困という故郷 崇拝すべき男たち、避けられる不都合な事実
第2章  中流に移住したヒルビリーたち 1950年代、工場とそして豊かさを求めて
第3章  追いかけてくる貧困、壊れ始めた家族 暴力、アルコール、薬物……場違いな白人たち
第4章  スラム化する郊外 現実を見ない住民たち
第5章  家族の中の、果てのない諍い 下がる成績、不健康な子どもたち
第6章  次々と変わる父親たち ――そして、実の父親との再会
第7章  支えてくれた祖父の死 悪化する母の薬物依存、失われた逃げ場
第8章  狼に育てられる子どもたち 生徒をむしばむ家庭生活
第9章  私を変えた祖母との三年間 安定した日々、与えてくれた希望
第10章  海兵隊での日々 学習性無力症からの脱出
第11章  白人労働者がオバマを嫌う理由 オハイオ州立大学入学で見えてきたこと
第12章  イェール大学ロースクールの変わり種 エリートの世界で感じた葛藤と、自分の気質
第13章  裕福な人は何を持っているのか 成功者たちの社会習慣、ルールのちがうゲーム
第14章  自分の中の怪物との闘い逆境的児童期体験(ACE)
第15章  何がヒルビリーを救うのか? 本当の問題は家庭内で起こっている


《ヒルビリーは、自分の母親を侮辱する人がいれば、チェーンソーを携えて、侮辱したものが隠れている家を襲う。妹の名誉を守るためなら、実際に下着を持っていって、名誉を傷つけた者をやっつける》

アメリカには、そんな人たちがいる。そして、そんな人たちを、自分たちと同じ人間だとは思っていない人たちがいる。富める者と貧しき者、教育を受けた者と受けていない者、上流階級と労働者階級という二つの集団は、時とともにますます違う世界に生きるようになっている。著者は、一方の集団からもう一方の集団への、文化的移住者である。

著者は31歳の弁護士で、いくつかの幸運に恵まれたことと、それを活かした本人の努力により、海兵隊・オハイオ州立大学・イェール大学ロースクールに進み、アメリカエリート社会の一員となった。

しかし、それでも彼の自己認識は、「スコッツ・アイリッシュのヒルビリー」なのだ。2016年6月に発表されたこの本は、いまだに売れ続けているという。

なぜ、ヒルビリーは民主党を嫌うのか。なぜ、ヒラリーではなくトランプなのか。アメリカでさえ理解しきれていないアメリカを理解するための、一級資料。以上に意義深い本。




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CNN.co.jp 2017/08/13
白人至上主義者が集会、反対派に車突っ込み1人死亡 米南部
https://www.cnn.co.jp/usa/35105684.html
(全文)
バージニア州シャーロッツビル(CNN) 米南部バージニア州シャーロッツビルで12日、白人至上主義者らが大規模なデモを計画し、これに抗議する団体と前夜から衝突した。12日午前には抗議集団に車が猛スピードで突っ込み、市当局によると1人が死亡、19人が負傷した。

市当局はその後、車を運転していた人物が拘束されたと発表したが、身元は公表していない。デモに関連してこのほかにも15人の負傷者が出ているという。

現場で撮影された映像には、デモ参加者らが行進する狭い通りをグレーのスポーツカーが暴走してほかの車に追突し、さらに猛スピードでバックする様子が映っている。

白人至上主義者らは12日正午から同市内での集会を予定していた。警察は2000~6000人規模の大規模な集会になるとみて警戒態勢を敷いた。

11日夜には市内のバージニア大学構内でデモ参加者と抗議集団の衝突が起き、マコーリフ州知事が非常事態宣言を出していた。

警察は正午前に集会を違法と宣言し、参加者らに解散を命じた。

トランプ米大統領は記者団との会見で事態を注視していると述べ、「憎悪と偏見、暴力を示す悪質な行為」を強く非難した。

シャーロッツビルは民主党支持者が多数を占める街。南北戦争で南軍を指揮した将軍の像を撤去する計画などが極右団体や白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(KKK)」の激しい反発を招き、かねてから全米各地の活動家らが抗議デモに集まっていた。
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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































































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