めんどくせぇことばかり 『美しき幻 遙かなる墓標のもとに』 森村誠一
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『美しき幻 遙かなる墓標のもとに』 森村誠一

ここで紹介すべきかどうか、とても迷いました。本屋で手にとって、裏表紙の要約を読んで、私は勘違いした。そこには、次のように書いてありました。
知られざる戦争の悲劇 終戦間近のアルプスでなにが !?
大学で旅行研究会に所属している三杉道久は、一年先輩でマドンナ的存在の新村桐子と二人きりで北アルプスを縦走する。桐子の祖父は戦争中、徴兵を忌避してアルプスの最奥地・雲ノ平で消息を絶ったという。数年後、急逝した桐子の遺言に自らの使命を見出した道久は再びアルプスへ・・・
作家・森村誠一が平和への祈りを込めて世に問う渾身の書き下ろし長編。
気になる「徴兵を忌避」という言葉もあるが・・・。書いたのが森村誠一とは言っても・・・。だって、・・・。そんなこと言ったって・・・。

・・・そこで気が付かなきゃダメだよね。でも、北アルプス雲ノ平を舞台にしていて、主役が「ふたたびアルプスへ・・・」なんて言われたら、・・・ねえ。読んじゃうよね。

森村さんの書いた『悪魔の飽食』は、単行本として出されたときに、すぐに読んだ。当時は、日本の戦争責任を告発するのがブームで、家永三郎、千田夏光、本多勝一、吉田清治、森村誠一、挙げ句の果ては『ゆきゆきて、神軍』なんてドキュメント映画まで作られた。


時期的には1970(昭和45)年前後からそういった動きが激しくなり、そこから20年~30年余りの間は、無人の野を行くがごとき有り様。逆に、“保守”というだけで、“軍国主義者”と決めつけられるようなご時世。

戦争に行ったのは大正生まれの人たちで、大正生まれの人たちの戦争と言っていい。昭和生まれでも、なかには志願していった人達もいるが、昭和3年生まれの私の父は、祖父の激しい反対にあって断念した。当時、17歳。森村さんは昭和8年生まれだから、当時、12歳。おそらく、この違いは限りなく大きい。少なくとも、戦争に行った大正生まれの人たちを、“軍奴”を切り捨てる傲慢さは、父にはなかった。


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星座を見上げながら、桐子が、「私たちの星座を探しましょうよ」と言った
マドンナとの出逢い
流英の一夜
予期せぬ邂逅
「ただ一人の異性」の遺言
孤独の抵抗
元測量部隊隊員の証言
雲ノ平への道
山上の神域と人間の海の間
撃墜王と呼ばれた男
米軍兵士の述懐
北アルプスの新緑の森に


雲ノ平は好きです。夢のような場所だと思います。もう一度、行ってみたいところだな。そう思うのは、人があまり来ない静かな場所というイメージがあるからで、登山ブームでたくさんの人が訪れる雲ノ平なら、行かなくてもいいや。うちの近所に、一日歩いても誰にも合わないで住む山なら、まだまだある。

森村さんは山好きなんだろうけど、中でも北アルプス最深部の雲ノ平は汚れのないものの象徴。新村桐子もそう。汚れなき存在とそれに対する存在とをきれいに分けて、汚れなきものが汚れたものに勝利する物語。勧善懲悪を貫いた水戸黄門みたいなもの。

とても、政治色の濃厚な物語で、現政権への憎悪に満ちている。その憎悪を貫くためなら、無辜の先人たちへの呪詛をためらわない。

心身に不調を抱える時には読まれませんように。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































































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