メイドカフェのイギリス人『不思議の国のジャパニーズ』 片野優 須貝典子
メイドカフェってのも、おかしな流行だな。だけど、私の感覚では、当初、ノーパン喫茶だの、ノーパンしゃぶしゃぶだのと変わりなかったんだけど、どうもそうでもないらしい。
まず、その出どころが違う。メイドカフェは、風俗出身のノーパン喫茶と違って、オタク文化の出身。最近は外国からのお客様が増えているのに対応して、英語教育を受けたメイドさんが接待してくれる。これに、イギリス紳士が反応してるっていうのが面白い。
この本のコラムによれば、イギリスは民主主義のを前提にした社会であるが、階級意識は極めて強いからしい。上流階級には上流階級の、中流には中流の生活があるんだそうだ。言葉の違いは顕著のようだ。上流はクイーンズイングリッシュを、中流はBBC放送の基礎にした標準英語、ロンドンの労働者階級は“コクニ―”と呼ばれる下町訛りを使うんだそうだ。
なんか、それも最近は、だいぶか会って来たって話を聞く。 そういえば、労働党からイギリス首相を務めたトニー・ブレアは、本来中流階級の人。そのブレアが、場合によっては上手に“コクニ―”を使いこなしたんだそうだ。労働党党首に躍り上がって国民を支持を集めた背景には、そんな点もあったのかもしれない。
この本によれば、イギリスの中流以下にはⅠ・Ⅱ・ⅢA・ⅢB・Ⅳ・Ⅴと、6つのカテゴリーがあるんだそうだ。職業でいえば法廷弁護士・判事・医師・大学教授・建築家が階級Ⅰ.国会議員・会社経営者・会社重役・農場主・新聞記者が階級Ⅱというふうに・・・。
もともとは王族・貴族に産業革命で台頭した新興ブルジョワジーが中流階級となって加わった。やがて、この中流が階級が上層・中層・下層の三つに分かれて、全体として5つの階級が出来上がっていったんだそうだ。


なんの本を読んだ時だったか、ピーター・ラビットを書いたビアトリクス・ポターの話に面白い話があった。ピーター・ラビットの物語を本にすべく、出版社と打ち合わせを重ねるうち、出版業を仕事とする人物と恋に落ちる。二人のことを知ったビアトリクス・ポターの両親は大反対。
ビアトリクス・ポターは特権階級の生まれなんだな。1866年、ヴィクトリア朝時代、特権階級の女性は私的に教育を受けるのが一般的で、大学にはいかなかったんだそうだ。それでも、開明的な彼女の両親は娘を学校に通わせることに理解があり、国立芸術学校に通っている。
それでも、娘が庶民の男と結婚することには大反対。相手が出版業界で働いていることを知ると、「会社務めなんかしている奴に、娘をやれるか」とカンカンだったという。
“しっかり仕事をして生活を支える”ということは、人間が生きていくうえで、できればやらないで済ませたいものなんですね。
そんなイギリスから、メイドカフェを目的の一つに日本に来る人がいるという。「お帰りなさいませ、ご主人さま~」って、ウサギのお耳のメイドさんにニャンニャンポーズされてみたい“イギリス紳士”は、いったいどんな階級の方なんだろうか。

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
まず、その出どころが違う。メイドカフェは、風俗出身のノーパン喫茶と違って、オタク文化の出身。最近は外国からのお客様が増えているのに対応して、英語教育を受けたメイドさんが接待してくれる。これに、イギリス紳士が反応してるっていうのが面白い。
この本のコラムによれば、イギリスは民主主義のを前提にした社会であるが、階級意識は極めて強いからしい。上流階級には上流階級の、中流には中流の生活があるんだそうだ。言葉の違いは顕著のようだ。上流はクイーンズイングリッシュを、中流はBBC放送の基礎にした標準英語、ロンドンの労働者階級は“コクニ―”と呼ばれる下町訛りを使うんだそうだ。
なんか、それも最近は、だいぶか会って来たって話を聞く。 そういえば、労働党からイギリス首相を務めたトニー・ブレアは、本来中流階級の人。そのブレアが、場合によっては上手に“コクニ―”を使いこなしたんだそうだ。労働党党首に躍り上がって国民を支持を集めた背景には、そんな点もあったのかもしれない。
この本によれば、イギリスの中流以下にはⅠ・Ⅱ・ⅢA・ⅢB・Ⅳ・Ⅴと、6つのカテゴリーがあるんだそうだ。職業でいえば法廷弁護士・判事・医師・大学教授・建築家が階級Ⅰ.国会議員・会社経営者・会社重役・農場主・新聞記者が階級Ⅱというふうに・・・。
もともとは王族・貴族に産業革命で台頭した新興ブルジョワジーが中流階級となって加わった。やがて、この中流が階級が上層・中層・下層の三つに分かれて、全体として5つの階級が出来上がっていったんだそうだ。
『不思議の国のジャパニーズ』 片野優 須貝典子 宝島社 ¥ 1,296 激動の幕末日本を訪れたシュリーマンは、平和で、秩序だった日本社会に感嘆したという |
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なんの本を読んだ時だったか、ピーター・ラビットを書いたビアトリクス・ポターの話に面白い話があった。ピーター・ラビットの物語を本にすべく、出版社と打ち合わせを重ねるうち、出版業を仕事とする人物と恋に落ちる。二人のことを知ったビアトリクス・ポターの両親は大反対。
ビアトリクス・ポターは特権階級の生まれなんだな。1866年、ヴィクトリア朝時代、特権階級の女性は私的に教育を受けるのが一般的で、大学にはいかなかったんだそうだ。それでも、開明的な彼女の両親は娘を学校に通わせることに理解があり、国立芸術学校に通っている。
それでも、娘が庶民の男と結婚することには大反対。相手が出版業界で働いていることを知ると、「会社務めなんかしている奴に、娘をやれるか」とカンカンだったという。
“しっかり仕事をして生活を支える”ということは、人間が生きていくうえで、できればやらないで済ませたいものなんですね。
そんなイギリスから、メイドカフェを目的の一つに日本に来る人がいるという。「お帰りなさいませ、ご主人さま~」って、ウサギのお耳のメイドさんにニャンニャンポーズされてみたい“イギリス紳士”は、いったいどんな階級の方なんだろうか。


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