めんどくせぇことばかり 『呪われた明治維新』 星亮一
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『呪われた明治維新』 星亮一

錦江湾で溺れかけたことがある。いい気になって浮かんでたら潮に流されて、どうにも困っていたら、小さな漁船のお兄さんに救われた。何度も何度も繰り返し頭を下げて、お礼したいと言ったら、「お礼なんていらないから一緒に飲もう」ということになって、行きつけの店を教えてもらった。いったん宿に戻って身支度をし、言われた時間に店に入ると、すでに盛り上がっていた。大した金額のお礼にはならなかったけど、焼酎を一本入れさせてもらって、とにかく楽しく飲んだ。

ひとしきり盛り上がった後、「どこから来た」という問いかけに、「会津です」と答えた。
小単元でいえば、長くて2ページ。コラムにしたって短めの文章を、章ごとのテーマに合わせてつなげて行った感じ。“コラム”なんて言ってしまうと軽すぎるかな。なんせ、いくら短くたって、そこにはいちいち会津戦争の恨みがしみ込んでいる。だけど、これまでの“会津もの”に比べて、格段に読みやすい事ともたしか。

福島出身者であろうとなかろうと、山口県出身者であろうとなかろうと、鹿児島だろうが、高知だろうが、どこの出身であっても関係なく、“会津”の一言で、すべてをおもんばかることができる人が、どれだけいるだろうか。この本は、その歴史の味方を問題にしている。

会津を背景に持つということは、それは一つの史観を持つことにもつながる。たとえば、この間も、少し触っておいたが、会津を背景に持つことによって、靖国に対する捉え方だって、ものすごく違うものになる。つまり、大東亜戦争の捉え方もにも影響を与える重要な視点を持つことにつながることになる。



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長州はいったい、会津の地でどんな蛮行を働いたのか。なぜ会津は長州を許せないのか。
1  会津に残る薩長の略奪暴行の記録
2  会津人・宮崎十三八の魂の叫び
3  会津は怖い
4  吉田松陰と高杉晋作の実像
5  京都守護職という罰ゲーム
6  長州人は会津で何をしたか
7  戊辰戦争の真実
8  会津人の長州批判
9  明治維新余話

シナや韓国が、《日本人にやられた》と言っていることの多くはただのプロパガンダで、根拠もないことばかりである。だけど、会津では、女を犯し、子どもや無垢の民人を手にかけ、多くを奪い去った。戦いが終わった後でも、なにかを守るために命を懸けた相手に敬意を払うこともなく、侮蔑をつくした。

日本軍がシナや朝鮮で本当はやってもいないことを、長州は会津に対してやったのだ。

斗南藩へのところ替えは、それこそ藩を挙げての島流しに他ならない。そんなのありか。いや、もっとひどいか。会津の武家の娘が女郎になって客を取り、家族の飢えを助けたなんてね。『会津の女ごは尻までしゃっこい』なんて言われるんだそうだ。あわれだなぁ。

そこまで貶めた長州が悪い。
私怨をはらすための全く大義も名分もない戦を仕掛け、会津城下において我が国の歴史に消すことのできない残虐非道な行為の傷をつけた薩摩、長州、そして土佐。指揮を執った長州山県有朋、薩摩伊地知正治、土佐板垣退助の戦争犯罪人としての始末は、まだ済んでない。言うまでもなく、このことに関する岩倉・大久保の戦争犯罪も無視することはできないのである。
本書p224
これは、『明治維新という過ち』の原田伊織さんの弁だそうだ。実際、明治維新再検討の話は全国で取り上げられているんだそうだ。そのとき、なにが行われたのか。女たちがどんな目に合わされたかも含めてね。

山県有朋を中心とする長州勢が地道を上げたように、会津が浮かび上がる機会をことごとくつぶし、歴史の襞の中に葬り去ろうとするやり方は、“戦後”150年にして通用しなくなりつつあるようだ。

その上で、あえてつけ加えるけど、それでも、やはり会津には、“新たな時代”を開くことはできなかった。朱子学の呪縛は会津を去らなかった。朱子学に囚われていては、日本の将来は見えてこなかった。
「会津です。会津から来ました」と答えた瞬間、それまでの店の空気が一瞬で変わった。薩摩は心に傷を抱えているのがよくわかった。・・・ちなみに、私、会津とはなんの関係ありません。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本






















































































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