めんどくせぇことばかり 『武器としての経済学』 大前研一
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『武器としての経済学』 大前研一

経済の話は苦手だな。なにしろ学生時代に胸をときめかせながら勉強したのは、ソ連の崩壊とともにとどめを刺された“マル経”って言う年代物ですから。この間、30歳位のやつに話してみたけど、“マル経”なんて、なんのことだかわからなかったみたいよ。

大学はその手の学生の巣窟で、自治館の運営の中核は、それにふさわしい名称を持った団体の方々が取り仕切っていた。なにかとその自治館を間借りしている立場で、あの飛行場が気に食わないとか、あの港に気に入らない船がやってくるとかで、駆り出されることもあった。

学生に比べれば遥かに良識をお持ちの先生方も、ハウス“キン経”チキンカレーに対抗する立場で、世のくつがえる時を待ちわびる、どこか《魔太郎がくる!》を思わせる方々。最後の審判のあとは、あちら側で美味しい思いができると信じていたんでしょう。

そのお立場はソ連崩壊で砕け散り、哀れな余生を送るしかないという運命だったはず。ところがどっこい、多くの方々は、“進歩主義”であるとか、“リベラル”であるとか、なんだか昔よりもスマートな装いで、いぜんとして「先生」と呼ばれる毎日を送っている。

「そのしぶとさはゴキブリ以上」なんて言い方はちょっとひどいと思うけど、たしかにそのしぶとさは見事なほど。そういうのが目につくからこそ、日本人は“潔さ”を尊ぶんだろうな。



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経営コンサルタントの大前研一が、25の視点から「武器として使える経済学」を指南する

第1部  新聞ではわからない「株価と為替と景気」の新常識
「円」の強さ―円安と円高、結局、どちらのほうが日本にとってよいのか
物価―日本は将来、インフレになるのか。それにどう備えるべきか
株価―なぜ日銀とGPIFが株を“爆買い”しているのに株価が上がらないのか
ほか
第2部  新しい「日本経済」と「世界経済」への視点
チャイナリスク―中国経済は、いつ、何がきっかけで崩壊するのか
日米貿易の行方―トランプが求める「二国間協議」にはどう対峙すべきか
自国第一主義―トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」はアメリカの貧困層を救えるのか
ほか
第3部  「2020年」のための成長戦略
新たなビジネス―「高齢化」と「少子化」社会で、どんなビジネスを見いだすべきか
観光産業―外国人観光客「3000万人時代」に向けて日本は何をすべきか
残業問題―「月60時間」の残業規制は働き方・仕事をどう変えるか
ほか


高校生や大学生にとって、就職に夢をかけられないというのは、大変な悲劇だ。その大変悲劇的な状況が、けっこう長い間続いた。“長く続いた”ってことがまた、日本の悲劇だった。それが目に見えて上向いたのは4年前だ。今年は今まで以上の売り手市場で、高校生も大学生も、これまで夢見た将来像をそのまま就職活動の上に乗せているだろう。

そのやり方は、いくらでも文句をつける余地があるだろうが、これがアベノミクスの成果であることは疑いない。

そのあたり、大前さんの問題提起は、「そこまで就職の状況が良いのに、景気が良くならないか」という点に向けられる。

若い頃に心酔したマルクス経済理論は、ソ連の崩壊で完全に葬り去られた。「マルクス経済理論にも見るべき点がある」という人もいるが、それが論理展開のことを言うのであれば他にいくらでもあるし、弱者の視点であるなら、残念ながらその出発点には“歪み”がある。だいたい、戦後の世界において、マルクス経済理論に出る幕はなかったのだ。

経済政策の基盤は、ケインズ経済学にあった。だけど、大前さんは、「もはや、ケインズ的な経済学はおわった」と言い放つのだ。当然のように、ケインズ経済理論を土台に組み立てられたアベノミクスは、大前さんの攻撃の対象となる。

だけど、安倍政権の高支持率は、「経済は上向いている」という庶民の感覚に支えられている。私もそうだが、息子の就職の時期にあたり、アベノミクスの実効性は実感している。ただし、言葉のとおりに進んでいない実情に、支持と同じくらいに大きな不安を感じながらではあるが

大前さんの話には、理屈の上で唸らされる部分が多いんだ。アベノミクスに感じる不安を、大前さんはしっかりとついている。ケインズ的政策を土台とするアベノミクスに対する強い警鐘となるだろう。

決して暗い話ばかりが書かれているんじゃない。経済のことは、アベノミクスにおまかせ、大前さんにおまかせじゃなくて、良質な報道をしっかり抑えていくことでしょうね。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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