めんどくせぇことばかり 『飛騨の怪談』 岡本綺堂
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『飛騨の怪談』 岡本綺堂

2008年の本。私は原価よりも安く買ったけど、amazonでは原価よりも上。いやいや、・・・飛騨は、・・・怖いよ。

この本に出てくる“怖いの”は、「やまわろ」。「やま」は山だけど、「わろ」の字が出てこない。けもの偏に口を三つ書いて木という漢字。人とも猿ともつかないわけの分からない生き物。夜の間に鳥小屋の鳥を絞めて盗んだり、かつては人をさらうこともあったという。まつわる話はいくらでもあるが、正体はまったく知れない。「見た」という話もあるが、どうも突き詰めてみるとおぼつかない。

「わろ」は、おそらく和郎という意味であろうという。で、大きいのを山男と言い、小さいのを「やまわろ」と言うんだろうと。山姥や山女郎はその女性版とか。

同じような、「黒ん坊」の話を何かで読んだ。この、「やまわろ」の話がもとになっているんだろう。

怖いのは怖い。怖いけど、ただの怪談話じゃない。だいたい、死んだ人間が化けて出るわけじゃない。化けで出るわけじゃないけど、怪綺談であることは間違いない。だってゾッとする。だけどそれだけじゃあない。それらは飛騨の険しい山岳を背景に懸命に生きている。生きている以上感情がある。女も欲しくなる。愛情も芽生える。それらはときに、おぞましく思えるかもしれないが、愛に隔てはないだろう。

ただ、その背景にあるのが、飛騨の険しさなのだ。

『飛騨の怪談』    岡本綺堂

メディアファクトリー  ¥ 時価(定価より高いかも)

近代怪談文芸の精華 岡本綺堂に1世紀近くも埋もれていた幻の中編怪奇小説があった!
飛騨の怪談

怪談実話集
木曽の怪物
お住の霊
河童小僧
池袋の怪
画工と幽霊


私の生家は、埼玉県の秩父、武甲山の北側斜面の山麓にある。家は、武甲山の北側斜面に正対する格好で建てられていた。子どもの頃に見上げる武甲山はとてつもなく出かかった。当時は、夜になれば真っ暗。武甲山がある方を見れば、それこそ桎梏だった。そちらの方向からは、いろいろな音が聞こえてきた。

なにかがいるのは分かっていたので、大人から脅されたときは、やっぱりほどほどにしておいた。抑えがきかなくなって、外の木に縛り付けられた夜は、声が枯れるほど泣いた。・・・らしい。

私は、四足の生き物だろうと思っていた。なぜか。まったく理由はない。当時、野良犬はいくらでもいたし、それらと渡り合ったこともあった。そのため、“山の中の恐ろしいもの”を考えると、犬型で、もっと恐ろしくて、悪賢いものが思い浮かんだんだろう。

かりに当時、武甲山にそんなのがいたとしても、今の武甲山ならまったく居場所がない。石灰岩を掘り出された今の武甲山は、無残な姿をさらしているばかり。“何者か”がいられる場所は、どこにもない。

今住んでいるのは、埼玉県の東松山市。関越高速で都会の人が、ゴルフにやってくるのにちょうど都合がいい。うちから高台に登っていくと三方をゴルフ場に囲まれている。道は、ゴルフ場の間を縫って向こうの町につながっている。

山の上にあるのはゴルフ場。それから、大学も山の上にある。大東文化大学と山村短大というのがある。一山南には東京電機大学がある。周辺の山も電気大の所有地らしい。電気大は、電気をたくさん作りたいらしく、山を切り開いてソーラーパネルを並べた。道路から見ると、その向こうは林のように見えるが、木が植わっているのは、ほんの一重。中に林はなく、ソーラーパネルが敷き詰められて電気を起こしている。

ゴルフ場に、大学に、ソーラーパネル。「やまわろ」よりもたちが悪い。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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