めんどくせぇことばかり 『青空に飛ぶ』 鴻上尚史
FC2ブログ

『青空に飛ぶ』 鴻上尚史

昭和19年、日本陸軍航空隊初の特別攻撃隊として鉾田教導飛行師団で編成された万朶隊。装備機種は九九式双発軽爆撃機。佐々木友次は、その万朶隊員で、9回以上特攻に出撃して、唯一生存した隊員だそうだ。
『青空に飛ぶ』という題名。中学生らしい少年が、手をかざして空を仰ぐ。背景には、横っ腹に日の丸をつけた軍用機。焦燥感というか、無力感というか、わけの分からない胸騒ぎがして、一瞬、手に取るのをためらった。

だけど、書いたのが演出家の鴻上尚史ということもあり、読んでみることにした。別に私は鴻上尚史に縁もゆかりもない。だけど、好んで見ているNHKの《クールジャパン》という番組で見る、鴻上尚史の何か企んでいそうな邪気たっぷりの顔を思い出し、読書欲を書きたてられた。

少年は、“たまたま”であるが、上記の本を読んでいた。そういう設定になっている。


『青空に飛ぶ』    鴻上尚史

講談社  ¥ 1,672

哀調の切々たる望郷の念と、片道切符を携え散っていった特攻という名の戦友たち


少年は、とある病院の病室に、佐々木友次という名札を見つける。少年は、その名前を知っていた。

少年は、9回にわたって特攻隊員として出撃し、敵艦に突入することよりも死ぬことを期待されて出撃し、そのたびに生きて帰ってきた佐々木友次に、おさえきれない興味を抱いた。

彼は9回も、死を抱いて、青空を飛んだのだ。

少年が彼に興味を持ったのは、少年も青空を飛ぼうとしていたからだ。

いじめられて死に追い詰められていく少年と、特攻として若者たちが青空に飛び出していった時代が重なる。

佐々木友次にその時の様子を聞いたのは、少年ではない。それは、著者の鴻上尚二だった。鴻上は死を目前にした佐々木友次に合っている。そして、話を聴いている。そこから鴻上が感じた「生きたい」という心情が、鴻上の心の中の、死に急ぐ少年少女たちも「本当は生きたい」って思ってるに違いないって思いに重なっていって生まれたお話なんだろう。
最近の若い人たちは“匂い”に過敏すぎる。困ったもんだ。人というのは、匂うもんなんだ。匂い過ぎるのをおさえる程度が、ちょうどいい。そのへんのところが、分かってもらえない。匂いに敏感なわりに、人間の腐った匂いには疎かったりする。人間の腐ったやつは、匂う。

そのあやふやな感覚が冤罪を生むことにもつながるとかって言われそうだけど、匂うもんは匂う。いじめがはびこる教室の臭気なんて、最低だ。いじめって、匂うんだ。これは、教えて分かるもんじゃない。アンケートなんて書かせたって、たちの悪いいじめほど隠れる。あぶりだすには、仕掛けを張って密着するしかない。こっちも傷つくのを覚悟すれば、止められる場合もある。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
関連記事

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください


現代とはなぜこんなにも棲みにくいのか。
前近代から近現代へと変貌し続ける世相の本質をつかみ生き方の支柱を示す。
カウンター
カテゴリ
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
最新記事