めんどくせぇことばかり 『岳泉会のよくばり温泉マウンテン』
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『岳泉会のよくばり温泉マウンテン』

30年前だな。人と一緒に登るのが苦手だった私が、唯一望んで一緒に登った先輩と、よくこういう登山をしてた。あの頃は、「立ち寄り温泉」なんて言葉もなかった。それっぽい旅館を見つけて、「お風呂入らせてもらえませんか」って声をかけた。

もちろん、泊りの人が来る時間には入れてもらえるわけ無いから、旅館としては前の客は帰って、あとの客はこれからって中途半端な時間。終始、登山客の多い地域の温泉旅館ならともかく、他の地域では、そんな時間に客が来るのは“連れ込み”宿だけって状況だった。「お風呂入らせて」ってお願いしても、値段設定もしてない旅館も少なくなかった。

とにかく、最初の客が来るまでの旅館はただの暇な時間だから、たいがいが300円くらいしか取られなかった。「露天ならただでいいよ」なんてことも再々で、そんな経験をすると《立ち寄り湯1,000円》なんて言われると、「いえいえ、泊まるわけじゃなくて」なんて思ってしまう。

先輩はそれだけで終わらない。小さな旅館でもなんとなく置いてあるソファーに座り、中居のおばちゃん、場合によっては女将さんとの語らいの時間がやってくる。とにかく暇な時間ですから、おばちゃんの数だけ集まってくる。そして、次のその辺の山に登る時には、お土産を持っていくことになる。・・・もちろん私が背負っていく。


『岳泉会のよくばり温泉マウンテン』  落合恵 木下綾乃 中村亮子 元永二朗

パイ・インターナショナル  ¥ 1,728

山と温泉、旅館、喫茶店、ローカル電車などをコースに取り入れた“よくばり”な山歩き
南高尾山陵と京王高尾山温泉 極楽湯
茶臼山と三斗小屋温泉 大黒屋
白馬岳と蓮華温泉
秋田駒ケ岳と鶴の湯温泉
五色沼と猫魔温泉
皆野アルプスと秩父温泉 満願の湯
北八ヶ岳と本沢温泉
尾瀬ヶ原と温泉小屋
北八ヶ岳白駒池と蓼科温泉



この本でも紹介されている三斗小屋温泉は定番だった。行くのは、決まって春先。そう、茶臼山周辺が40mの偏西風にさらされる時期。ピッケル、アイゼンで装備して、ザイルでつないで行くこともありましたが、目的地は三斗小屋温泉。でも、定宿は煙草屋の方。天気のいい日に早めについて、二階の屋根に出て、くさやの干物を焼いて食べたのもいい思い出。

季節的に客も少なく、夜、飲んで歌っていたら、いきなり宿を守るお母さんが二階まですごい勢いで上がってきた。怒られるのかと思ったら、すごい勢いで雨戸を閉め始める。「手伝って!」って言われて一緒に雨戸を閉めた。窓を開けるとすごい風。今夜から明日にかけて40mを超える風が吹くという。

翌日、案の定すごい風。お母さんは止めたが、私たちの装備を見て安心したらしい。お母さんは、峰の茶屋あたりで一度、吹っ飛ばされたことがあるという。その時痛めた膝を、いつも痛がっていた。煙草屋は今も営業しているらしい。お母さんは今も元気だろうか。
さてこの本、山を楽しんでいる雰囲気がとてもよく伝わる。会員4人からなる岳泉会と銘打ち、山で遊ぶ。この人たちの行く山には、必ず温泉がセットになっている。いい景色があって、うまいものがあって、温泉につかって、おそらくいい人がいる。山に登りに行くんじゃなくて、遊びに行く。そんな姿勢がとても素敵ですね。

私たちコンビも、かつては下山家と呼ばれました。得意技は“停滞”。嫌いなのは“強行”。今日は何となく“撤収”。懐かしいなあ。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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