めんどくせぇことばかり 『世界最古の物語』 Th・H・ガスター
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『世界最古の物語』 Th・H・ガスター

粘土板の物語は『ギルガメッシュ叙事詩』だけじゃなかったんだな。

粘土板に楔形文字が刻まれるようになったころには、こんなにも豊かな物語が語られて、受け継がれていたんだ。人類はいったい、いつ頃から物語を語るようになったんだろう。きっと、人類の歴史と同じくらい、古くからなんだろうな。

粘土板に刻まれた物語は、4000年前のもの。人が変わり、国が滅び、町が崩れ去り、長い時間が過ぎても、粘土板は残った。その粘土板には文字が刻まれていた。解読したところ、どうやら物語のようだった。

しかしそれは、著者が言う通り、“裸の言葉”として私たちに残されたものである。“裸の言葉”は、かつては様々な雰囲気を伝え、なにかをたとえた表現であり、隠された意味を伝えるものであったはず。でも、現代人には、“裸の言葉”として意味以上の価値を持たないものでしかない。

そこに、もともと持っていたと同じ価値を付加しようとすれば、さまざまな古代文学にあたり、同じ表現を見つけ、“裸の言葉”の何かを明らかにするような内容を持った記事や挿話を探し出す必要がある。古代文学という砂漠の中から、一本の針を探し出すようなもんだな。


『世界最古の物語』    Th・H・ガスター

東洋文庫  ¥ 3,132

ギルガメシュ叙事詩ほか、四千年前に語られていた、粘土板上に残された物語
バビロニアの物語
  ギルガメッシュの冒険 神々の戦争 借りものの翼 ほか
ハッティの物語
  姿を消した神さま 石の怪物 計略で捕らえた竜 ほか
カナアンの物語
  天の弓 誓いを忘れた王様 バアルの物語


上記のような、気の遠くなるような作業。いったいそんなことができるもんだろうか。いや、できるとしても、そんなことに人生のすべてをつぎ込むような酔狂な人がいるもんだろうか。・・・なんて思っていたら、別の手段もあるって。

一つの場所で語られた物語は、別の場所で語られることがよくあるんだそうだ。移住や伝播によるものであるか、同等の文化水準にあれば同じようなことを物語るのが人間というものということか、あるいはその両方か。いずれにせよ似通った話は、多くの場合存在する。

個々の場面で説明できない物語も、意味や文脈が残されている他の地域の材料と比較することで明瞭になるものも多いんだそうだ。ああ、たしかに、それは分かる。

そして、この粘土板に刻まれた物語が最古のものであるとすれば、私レベルでもよく知っているあの物語のあの話の、この物語のこの話のもともとのお話を、私はこの物語の中からたくさん見つけることができた。

“見つけることができた”なんてレベルじゃないか。だって、エンキドゥは神さまが粘土をこねて作った人間だしさ。あの世に行って、あの世の食べ物を食べちゃうと、もう戻れないっていうのは、イザナミがイザナギに語った話だよね。

いろいろな発見を楽しみに読んでみてね。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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