めんどくせぇことばかり 『こうして歴史問題は捏造される』 有馬哲夫
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『こうして歴史問題は捏造される』 有馬哲夫

ルーズベルトは、戦争を必要としていた。だから日本を追い込んだ。ハル・ノートも突きつけた。このことで日本から仕掛けてくるだろうことは、時間の問題だった。陸軍長官のスチムソンは1941年11月27日の日記に、ハル・ノートを日本に手交したあとハルの発言を、以下のように書いている。

「私の仕事はこれで終わった 。後は君 と ノックス ( 海軍長官 ) 、 陸軍と海軍にまかせるよ。」

日本が真珠湾攻撃に及んだことは、ルーズベルトの思うがままだった。・・・悔しいけど。だけど、アメリカ人の中にもルーズベルトの動きに疑問を持つものもいた。ミッドウェーで形成が逆転し、ガダルカナルの攻防で戦争の成り行きに見切りをつけたルーズベルトは、証拠の隠滅にかかる。要は、物言う日本を消滅させればいいのだ。

日本は、この戦争の集結を、戦闘の優劣をつけた上での講和条約と考えていた。もちろん、日本優勢のうちに講和条約を結んで戦争を集結させようと考えていた。それは、かりにアメリカ優勢による講和条約であったとしても、ルーズベルトには都合が悪い。どちらにせよ、ルーズベルトが仕組んだ戦争であることが明らかになるからだ。だから、日本を完全に叩き潰すことが必要だった。

この本の中で、カイロ会談の重要性が強調されていた。ソ連の参戦を招いたヤルタ秘密協定に触れる人は多いが、カイロ会談に触れる人はあまり多くない。でも、これはとても重要。会談のあとの会見で、ルーズベルトは日独伊に対して“無条件降伏”を要求しているのだ。どうやら、チャーチルにも了承を取っていなかったらしい。そこまで強引に無条件降伏にこだわった理由は一つ。この戦争が、ルーズベルトが仕組んだ戦争であることを隠すためだ。



新潮社  ¥ 864

プロパガンダに与せず、イデオロギーに偏らず、謙虚に歴史を見つめる作法を提示
序章  歴史問題はなぜ終わらないのか
第一章  歴史論議とは反証可能でなければならない
第二章  「南京事件」「慰安婦問題」の論議を冷静に検討する
第三章  反証を無視すれば捏造になる
第四章  中国と韓国が反証不可能な論議をするのには理由がある
第五章  歴史修正主義とは何か
第六章  歴史研究に右も左も国境もない

悔しいけど、歴史の修正は本当にむずかしい。戦争への道筋は、用意された単純なストーリーに決着している。そしてそれは、日本と戦ったすべての国に侵略されていた国も含めて、日本と戦ったすべての国にとって都合のいいストーリーである。もう一つ含めるのを忘れた。当時は日本であった韓国も含める。

それだけでも、その単純なストーリーに物申すことがいかに難しいか、想像がつく。さらに、・・・面倒だから著者の言葉をお借りする。
日本人相手に日本語で議論するときでさえ、複雑な内容を主張すると不利になります。ましてや外国語で外国人相手となると、「先に戦争を仕掛けたのか、仕掛けなかったのか」「支配地域の外なのか内なのか」「支配地域を広げたのか、広げなかったのか」と単純化され、不利な立場に追い込まれます。

戦争は二つあった。その戦争の一つはある部分で攻撃的だが、ある部分では防衛的であったと主張すると、当事国はもとより、第三国の人々の耳にも言い訳をしているように聞こえます。そこに中国、ロシア、韓国、アメリカが「それは歴史修正主義だ」と口を挟んでくると、いよいよ窮地に陥る事になります。情けないことに日本の一部メディアまでがこれに付和雷同するので、もはや目も当てられない状況になります。
本書p192

・・・と、笑い話のような状況だ。

それでも、いずれ好機は来ると信じる。著者の言うとおり、一次資料に基づく反論可能な歴史論議を重ねてイデオロギーやプロパガンダから自由な歴史感を築き上げ、一生懸命、誠実に働いて国力を高め、困難な国に手を差し伸べて良好な国際関係に貢献していくうちに、必ず好機が来ると、・・・来るといいなあ。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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