めんどくせぇことばかり 『経済は地理から学べ』
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『経済は地理から学べ』

「日本にとって重要な国・地域はどこだ?」なんて、考えてるだけじゃ観念論に紛れ込むだけ。一回迷い込んだら、その迷路から脱出するのはけっこう大変なんだよね。そのまま一生を過ごすやつもいくらでもいるしね。だけど、こういうものを突きつけられれば、絶対にそっちの迷路に入らずに済む。

たとえば・・・

《日本の原油輸入相手国》
サウジアラビア、アラブ首長国連邦、ロシア、カタール、クウェート、インドネシア、イラク、メキシコ、ベトナム
太平洋戦争直前の1935年の最大輸入国はアメリカ合衆国。輸入量420万4000kl中274万9000klで、65.4%。
現在の日本は、OPECへの依存度が84.9%(2015)と非常に高い。近年はロシアからの輸入が増えていて、10%に近づいている。

《日本の石炭輸入相手国》
オーストラリア、インドネシア、ロシア、カナダ、アメリカ合衆国、中国
オーストラリアからの輸入は輸入量の65%を占めていて、日本にとって欠かせない資源供給国。近年は、インドネシアからの輸入が増えていて、1990年には93万5000トンだったものが、2015年には3263万2000トンに増えている。

《日本の液化天然ガス輸入相手国》
オーストラリア、マレーシア、カタール、ロシア、インドネシア、アラブ首長国連邦
2010年のLNG輸入量が約7000万トンだったものが、2014年には8851万トンへと26%増加した。なかでもロシアからの輸入が603万トンから845万トンへと増えている。

《日本の鉄鉱石輸入相手国》
オーストラリア、ブラジル、南アフリカ共和国、カナダ、インド、ロシア、ウクライナ

日本の資源輸入相手国を考えてみると、東南アジアとオーストラリアの重要性が見えてくる。鉄鉱石や石炭、天然ガスなど、日本はオーストラリアから多くの資源を輸入している。

資源は、商品としては、付加価値がほとんどないことから、本来価格が安い。問題となるのは輸送費である。そのため、価格の安い船舶による輸送に頼ることになる。オーストリアからの輸送となると、当然、東南アジアは日本にとって重要なシーレーンということになる。

一方、原油や天然ガスに関しては、ロシアへの資源依存が急速に進んでいる。


ダイヤモンド社  ¥ 1,620

著者は予備校で人気の先生 地理は「地球上の理」を指針に現代世界の疑問を解き明かす

序章  経済をつかむ「地理の視点」
第1章  立地 地の利で読み解く経済戦略
第2章  資源 資源大国は声が大きい
第3章  貿易 世界中で行われている「駆け引き」とは?
第4章  人口 未来予測の最強ファクター
第5章  文化 衣食住の地域性はなぜ成り立つのか?
おわりに 地理とは、いったい何を学ぶ科目なのか?



インドにおける近代産業の発展を引っ張るのはIT産業である。カースト制度はインドの近代化の足を引っ張っているのは確かなことであるが、IT産業はカースト制度には規定のない職業であったことが大きい。

グローバルの背景にはローカルがある。

《資源戦争 チャイナV.S.オーストラリア・ブラジル》
鉄鋼業は、製鉄部門、製鋼部門、圧延部門の総称である。製鉄部門は“鉄鉱石”を溶かして“銑鉄”を製造する。製鋼部門は、“銑鉄”から炭素を取り除いて“鉄鋼”を製造する。この段階では加工する前なので“粗鋼”と呼ばれる。圧延部門は、“鉄鋼”を圧延して“鋼板”、“鋼管”などの“鋼材”に加工する。

チャイナの高度成長を支えた産業の一つが鉄鋼業であるが、それは粗鋼を生産するまでの製鉄部門・製鋼部門であった。2003年には粗鋼生産量で日本を上回り、世界最大の粗鋼生産国になった。

ところが、2013年、チャイナの経済成長に陰りが見え始める。もともとチャイナ産の鉄鉱石は鉄含有量が少なく、その分採掘コストが相対的に高い。そこへ、成長鈍化による鉄鉱石需要の縮小が重なって、採掘コストの高い国産鉄鉱石が嫌われ、外国産の鉄鉱石への指向が高まる。

2014年、ついに粗鋼生産量は34年ぶりに前年を下回った。鉄鉱石余りの減少は顕著となり、鉄鉱石の価格が低下する。にもかかわらず、オーストラリアやブラジルは鉄鉱石を増産した。・・・何が起こっていたのか。

チャイナとは逆に、オーストラリアやブラジルの鉄鉱石は鉄含有量が多く、採掘コストが安い。そこで価格の下落というリスクを取りながら増産することにより、チャイナの鉄鉱石を市場から締め出している。増産により価格を低下させることで、社会市場におけるシェアを増大させようとしているのだ。そのようにして鉄鉱石の寡占化を進めることが、背景にある。

価格の低下にもかかわらず、サウジアラビアが原油を増産することで、アメリカのシェールオイル業者を市場から退場させたのと同じ構図だ。

チャイナに関していえば、中国共産党大会が2017年秋に行われる。そこで支配の基盤強化を狙う習近平は、経済の破綻を表面化させない手段の一つとしてインフラ整備を加速させた。それにより鉄鉱石の再増産が始まったが、それは市場の需要に促されたものではなく、あくまでも政治的な都合によるものであった。当然、鉄鉱石はだぶつき、輸出に回され、世界の鉄鉱石価格や鋼材価格を低下させ、世界経済の悪影響を与えた。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































































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