めんどくせぇことばかり 琉球『民族問題』 佐藤優
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琉球『民族問題』 佐藤優

2010年の9月、尖閣諸島の周辺海域をパトロールしていた巡視船が、チャイナの漁船に体当りされたことがあった。海上保安庁は、その漁船の船長のシナ人を公務執行妨害で逮捕し石垣島へ連行した。中国共産党政権は北京駐在の丹羽宇一郎大使を呼び出し厳重抗議した。相変わらずの分けの分からないやり方に多くの日本人が憤った。

北京駐在大使にしてもそうだけど、総理大臣は菅直人。外務大臣の前原はともかく、官房長官が仙谷由人と、今考えると背筋がゾッとするようなメンバー。

この人たちは、なんと中共政権からの容疑者釈放要求を受けると、まずは船員や漁船を帰してしまった。さらに中共政権から報復を含む強行措置を受けると、ビビって逮捕した船長まで返してしまった。あんときは本当にびっくりしたなー。

当たり前だけど、みんな怒ったよね。

その後も中共政府は図に乗って、なおも日本に謝罪を要求してきた。本当にシナ人というのは一歩譲ると、どこまでもつけあがる。国会では、衝突の際の映像を明らかにするように政府に要求したが、なにが都合悪いのか、菅直人や仙谷由人はのらりくらり。本当に、あいつら中共の手下かと思ったよね。

しばらくしてから、海上保安庁が保管してた映像の核心部分がYouTube上に流出した。流したのは悔しさに耐えかねた海上保安官だった。保安官は退職願を提出し受理された。国家公務員法守秘義務違反容疑は不問。だって、シナ人の船長だって返しちゃって、保安官だけ裁くわけにいかないよね。


この時、この本の著者の佐藤さんは、この保安官を起訴しなかったことを批判したんだよね。たしか、1932年の五・一五事件を引き合いに出していた。あのクーデターは犬養毅首相を殺害しておきながら、政財界の腐敗に義憤を抱いた青年将校たちの義挙として同情を集め、判決は世論に流された。それが二・二六事件の誘引となったのも確か。だから、実力組織である海上保安庁の一員なら、より服務規程に厳格でなければならない。それが佐藤さんの理屈。

私もあの映像が流出して、それが海上保安官が流出させたということを知った時、ちょっとそれを考えた。だけど、状況が違う。自らの服務規程に忠実であることが、日本国民の安全に大きな不安をもたらす可能性が高い状況だった。それでも服務規程に忠実であるべきだよ。だから、それをやぶった彼は海上保安庁を退職した。私は、彼が受ける社会的制裁は、それくらいでいいと思う。

『民族問題』    佐藤優

文春新書  ¥ 896

佐藤優の集中講座 「民族と国家は現代日本人の必修科目だ」
第一講 なぜ日本人は民族問題がわからないのか
応用問題 スコットランド独立運動を沖縄の目で見る
第二講 民族問題の専門家スターリン
第三講 「民族」は作られるか
補講 シュライエルマッハー ナショナリズムと目に見えない世界
第四講 ゲルナー『民族とナショナリズム』の核心
応用問題 ヘイト本の構造
第五講 民族理論でウクライナ問題を読み解く
応用問題 エスノクレンジング
第六講 民族理論で沖縄問題を読み解く


以前から思ってたんだけど、佐藤さんは、少し原理原則に縛られすぎるきらいがある。特に、上記の出来事のときにはそう感じた。

第一章のおまけに《スコットランド独立運動を沖縄の目で見る》という“応用問題”が付いている。2014年のスコットランド独立に関する住民投票に関して、日本の新聞は、これをナショナリズムの問題ではなく経済格差の問題ととらえ、英政府の格差是正策によって沈静化していくものととらえていたという。

そんな中、琉球新報だけが、逆の捉え方をしていたらしい。住民投票の自治権拡大の約束の結果が独立賛成45%、反対55%という数字だから、上澄みのほんの数%が動いた結果にすぎないということらしい。「現状+αならばイギリスにとどまる」という判断をした人たちが、決定権を握っていたということだ。なら、今後の動き次第で、賛成派が勢いを持つ状況も、たしかにあり得るね。

佐藤さんは、そのスコットランドと沖縄を関連付ける。《「大多数の日本人」は問題の本質を理解できていないと思います》と佐藤さんは言うんだけど、「大多数の日本人」は沖縄の抱える問題に心を痛めていると、私は思う。佐藤さんの言うように、《スコットランドで起きていることは、すぐに沖縄で起きてもおかしくはない》と言うが、私はそうは思わない。

ここでも、すこし杓子定規にとらえ過ぎじゃないかな。それが私の認識不足で、もしもそこまで沖縄が独立を願っているなら、仕方がないと思う。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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