めんどくせぇことばかり 『民族問題』 佐藤優
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『民族問題』 佐藤優

この間、この本から沖縄について書かれた部分を取り上げて“琉球”って題名で一つ記事を書いたとき、失礼にも《佐藤さんは、少し原理原則に縛られすぎるきらいがある》って書いた。私はいい加減な人間だから、“時と場合”っていつものらりくらりしているんだけど、のらりくらりしているうちに原理原則を見失うことが良くあることは確かだな。

佐藤さんは、外務官僚としてきびしい環境で仕事をしている時期に、膨大な仕事量と複雑かつ理不尽な内容を扱いながら、常に自分を見失わないためにも原理原則に立ち返ることで自分を戒めてきたんじゃないかな。・・・などと、私なんかがおもんばかろうとすること自体おこがましいことだろうけどさ。

それにしても、佐藤さんが立ち返ろうとする原理原則ってのも半端じゃない。そんなところまで立ち返らなくてもよさそうじゃないかって、私なんかは思ってしまうところだけど、いやいや、やることが徹底している。

関係する書籍には、おそらく可能な限り全部目を通しているんだろうな。それが役に立つか立たないかは関係なくね。私なんかは、面白くなければ文章を読む気になれないんだけど、佐藤さんは必要ならどんな文章でも読めるんだな。いや、官僚ってのは、先ずそれがすごい。つまらないことでも、必要ならば頭に収める。やはりすごい。

だけど、面白いか、つまらないかは佐藤さんが感じることで、佐藤さんは面白く感じているのかもね。その必要なことをさ。私は、自分が“つまらない”と感じる部分を佐藤さんがやってくれることで、世界のことを“おもしろく”理解できるんだから、佐藤さんの本には本当に助けられていることになる。

『民族問題』    佐藤優

文春新書  ¥ 896

佐藤優の集中講座 「民族と国家は現代日本人の必修科目だ」
第一講 なぜ日本人は民族問題がわからないのか
応用問題 スコットランド独立運動を沖縄の目で見る
第二講 民族問題の専門家スターリン
第三講 「民族」は作られるか
補講 シュライエルマッハー ナショナリズムと目に見えない世界
第四講 ゲルナー『民族とナショナリズム』の核心
応用問題 ヘイト本の構造
第五講 民族理論でウクライナ問題を読み解く
応用問題 エスノクレンジング
第六講 民族理論で沖縄問題を読み解く

この『民族問題』という本は、私が勝手にこの題名に抱いていた印象とは、かなりかけ離れた本だった。私が勝手に“民族問題”という題名に抱いてしまう印象というのは、例えば、チベット民族であり、ウイグル民族であり、チェチェン人であり、カタロニア人であり、スコットランド人であり、ロヒンギャ人であり、・・・そう言ったここの民族の抱えるそれぞれの“問題”である。

それらの“民族問題”の背景になにがあるか。特にその歴史性を解明して、民族問題発生の歴史的背景を明らかにし、解決の糸口を見つけることができればって思ってこの本を買った。

だけど、佐藤さんが書いているのはチベット民族問題ではなく、ウイグル民族問題ではなく、ロヒンギャ民族問題でもない。“民族問題”そのものなのだ。“民族問題”という原理原則を徹底して見つめ直すことで、民族問題がどう発生し、どう“問題”となり、どのような弊害を生み出すか。佐藤さんはそのこと自体を問題にしているみたい。

第3講で扱われているベネディクト・アンダーソンの『想像の共同体』や、第4講で扱われているアーネスト・ゲルナーの『民族とナショナリズム』といった本は、正直、私には読み切れない。少なくとも、ワクワクしながら面白く読めはしないだろう。

その部分を佐藤さんがやって、しかも解説して、実例まで上げてくれるっていうんだから、「ありがたい」ったらないってことになるわけだ。第5講《民族理論でウクライナ問題を読み解く》読んでみれば、私の気持ちを分かってもらえるに違いない。

第6講《民族理論で沖縄を読み解く》に関してはこの間書いた。その中に“「埼玉人」はエトニ―か?”って話が出てくる。埼玉人というエトニ―は成立しない。可能性があるとすれば、“秩父人”の方だな。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本






























































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