めんどくせぇことばかり 『大世界史』 池上彰 佐藤優
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『大世界史』 池上彰 佐藤優

佐藤優さんの『民族問題』を読んで、ブログで記事にした。佐藤優さんにはこれまでずいぶんお世話になっていて、おそらく頃レからもお世話になるんだろうな。・・・なんて、そんなことを考えながら、「今まで一番お世話になったのはどれかな」なんて考えてみたら、ピンときたのがこの本。池上彰さんとの対談の本だけど、ずいぶん面白かったし影響も受けたので、何回か書いた過去記事をまとめる形で紹介しておこうと思う。

たとえば、中東の混乱について、『大日本史』が本になった時期に比べれば、イスラム国後からは完全に弱まっているが、中東の混乱の度合いは増しているように思える。この本の中で佐藤優さんが、当事における中東の勢力図を紹介しているんだけど、これが現在でも結構役に立ちそうなんで紹介しておく。
第一勢力
サウジアラビア、湾岸諸国、ヨルダンなど、アラビア語を使うスンニ派のアラブ諸国。基本的には欧米諸国との協調路線を維持
第二勢力
急速に勢力を拡大しているペルシャ語を話すシーア派のイラン。レバノンのヒズボラもこのグループ。
第三勢力
アラビア語を話すシーア派のアラブ人。
第四勢力
スンニ派だが、トルコ語を話し、民族意識も高いトルコ。
…ね。けっこう使えるでしょ。

《イランーシリアーヒズボラのラインでイスラエルに圧力をかける動きがある。さらにイエメンで拡大するシーア派武装組織フーシはイランの支援を受けており、それに対してサウジアラビアが空爆を加えている。アメリカはちぐはぐな対応しか打てない。アメリカの場当たり的な対応はとりあえずこっちに置いといて、今、中東ではスンニ派とシーア派の本格的な宗教戦争の危険性が拡大している。》

基本的な構図は、今も変わらない。そこにトランプが《エルサレムをイスラエルの首都として承認する》なんてことになって、イスラム勢が大反発って状況になってる。

『大世界史』 池上章・佐藤優

文春新書  ¥ 896

現代の生き抜く最強の教科書  世界をその手につかまえろ❢
1  なぜ、いま、世界史か
3  オスマン帝国の逆襲
5  ドイツ帝国の復活が問題だ
7  「右」も「左」も沖縄を知らない
9  ウェストファリア条約から始まる
11  最強の世界史勉強法
2  中東こそ大転換の震源地
4  習近平の中国は明王朝
6  「アメリカvs.ロシア」の地政学
8  「イスラム国」が核を持つ日
10  ビリギャルの世界史的意義

続いて、バルカン半島について書いたものを、そのまま紹介しておく。
バルカン半島は古代からフン、アヴァール、マジャール、ブルガール、オスマン帝国、オーストリア帝国、ロシア帝国が侵攻をくりかえした。

半島国家は、その付け根を制した大国から常の脅かされる。バルカン半島を大国が支配するとき、ギリシャの自由と独立は失われる。古代においてはローマ帝国、中世においてはビザンツ帝国、15世紀以降はオスマン帝国がそれである。

そのたびにギリシャ人は進んでローマ人となり、ビザンツ人となり、オスマン人になることで生き延びてきた。

オスマン帝国が衰退すると、親露派と親英派が抗争し、イギリス海軍の力で独立した後は親英王政。第二次大戦後は親露派と親英派が抗争し内戦へ。チャーチルとスターリンの談判で、ギリシャはイギリス勢力圏、ブルガリア以北はロシア勢力圏と決まると、共産ゲリラの掃討が行われた。大戦後はイギリスに変わりアメリカがギリシャ防衛を受け持つ。アメリカはギリシャにマーシャルプランで莫大な経済軍事支援を行い、ギリシャをトルコとともにNATOに加盟させた。両国を押さえておけば、ソ連黒海艦隊の地中海進出を阻止できるからである。

ギリシャに公務員が多いのは中道左派のパパンドレウ政権が公務員の労働組合を支持母体としていたことから、投票の見返りとして公務員のポストを報酬としてばらまいたことによる。国民五人に一人が公務員という異常事態となった。

この本によれば、ギリシャは一九世紀に大国の利害で作られた人造国家だとか。英露のグレートゲームの中、オスマン帝国をいかに解体していくかをめぐってギリシャが生まれた。

オスマン帝国領の、現在のギリシャに相当する地域に住んでいた人々は、帝国内のミレット(共同体)に属しており、「ギリシャ人」というより「オスマン帝国のギリシャ正教徒」という意識を持っていた。正教徒ということなら、ロシアはその懐に手を突っ込みやすい。

さらにイギリスの詩人バイロンは、ヨーロッパ文明の母ギリシャの独立を支援するして戦死することで、「オスマン帝国のギリシャ正教徒」に古代ギリシャ人の末裔という伝説を与えた。

一八二九年に独立するギリシャだが、DNAの上ではトルコ人と変わらない。そのオスマン帝国を解体するにあたり、ギリシャのムスリムをアナトリアに移し、アナトリアの正教徒をギリシャに移して、ここに人造国家ギリシャが作られることになる。英露が作り上げた古代文明時代とつながるギリシャ人意識は、今ではヨーロッパに広く受け入れられており、ギリシャ人自身がその「伝統」を信じて疑わない。

その上で、ギリシャ文明こそヨーロッパ文明の故郷であるのだから、ヨーロッパ人がギリシャを見捨てるはずがないという新たな“ギリシャ神話”を作りだした。

まったくのファンタジーだな、ギリシャ人っていう人々は。・・・なんかどこかで聞いたような、・・・どっかで見たことがあるような、・・・とっても近くに似たような人々の気配が感じられるような。
この時も、ギリシャのことを“ファンタジー”って書いているんだけど、“ファンタジー”っていえば、韓国だよね。《シナの歴史はプロパガンダで、韓国の歴史はファンタジー》って、まったくその通りだよね。“ファンタジー”という点において、半島はそういう特殊性をもってるってことだな。

最後、全体をまとめた部分を最後に紹介しておく。
池上章さんと佐藤優さんか。二人が世界史を語りあって、私たちが生きる“今”を読み解くのか。・・・な~んか、血圧上がりそう。とりあえず、暖房の設定を三度ほど低くしておこう。・・・だって、暑苦しくなりそうじゃん。・・・失礼、本当のことを言っちゃうから暑苦しくなるんであって、「読むなら読むで、腰をすえてかかっていこう」っていう意志表明だからね。

とかなんとか言ったって、もう二本も記事書いちゃったくせにね。それで、まだまだ。本当に読み出があるね。そりゃ、このあくの強い二人が書いてるんだからね。

「歴史を学ぶのは、一言で言えば、今の自分の立ち位置を知るため」と池上さんが言うとおり。そして、「これからどう生きるかの糧にするため」ということですよね。結局、それ以外の結論はありえない。だけど、大上段に構えてしまうと、なんにも知らない自分への絶望が広がるばかり。それでも生きていかなきゃならないからね。坪庭の中だけなら危険も少ないけど、そうもいかない。

過ちは繰り返さない方がいいに決まってる。そのためには歴史を知らなければならないが、あの敗戦で、戦勝国の作った物語に合わせて、日本の歴史はぐちゃぐちゃ状態だからね。多くの日本人が自分の立ち位置に自信を持ててないはず。最近、こういう言い方すると怒られますけど、《盲蛇に怖じず》で、実は崖っぷちを平気で歩いていたりする。

だから、「明日を生きるために、歴史を知らなければならない」って言う風に大上段に構える人が必要なんだ。その人の目が曇ってると大変なことになるけどね。それは、たくさん読んで、自分で感じるしかないね。


この本は、読んでおいてよかったな。久々に振り返って忘れている部分もあって、この年末年始の休みを使って読んでみてもいいかな。・・・読む予定の本を山と積んでおいて、・・・そういうわけにはいかないかな。



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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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