めんどくせぇことばかり 『荒海を渡る鉄の船』 鳥羽亮
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『荒海を渡る鉄の船』 鳥羽亮

勝海舟は有名人で、テレビの時代劇でも頻繁に取り上げられる。明治維新の動きに、直接関わっているから、それは当然。そのうえ坂本龍馬ともからむし、西郷隆盛とも、小栗忠順とも、徳川慶喜ともからむから、いろいろなドラマで、その度に取り上げられる。

同時代を生きて、いろいろな歴史的場面に関わり、人間性から言えば勝海舟と比べても質が違うのであって優劣はない。その割に、山岡鉄舟がドラマや映画で取り上げられることは少ない。

身分、性格、適正、人間関係、たまたま、まあ、いろいろあるだろう。

私が最初に山岡鉄舟を知ったのは、海舟を含め、幕末に“三舟”と呼ばれた人物がいるという話からだった。「海舟・泥舟・鉄舟」というセットとしてその名前に接したのが初めてだった。

“幕末の三舟”として語られる時、それは江戸城無血開城を成し遂げて、江戸の街を内乱の戦火から救ったという話の主役として語られることになる。歴史の教科書ならば、"勝海舟と西郷隆盛の直談判”によるということになるのだが、”直談判"自体が山岡鉄舟なくしては語れないところであり、"江戸城無血開城"の本来の立役者は山岡鉄舟と言っても過言ではないだろう。

まあ、誰か一人をあげなければならないわけではないが、後の世の取扱が勝海舟に偏りすぎている状況だから、そんのくらい許してもらえるだろう。


『荒海を渡る鉄の船』    鳥羽亮


双葉社  ¥ 1,728

第一章  飛騨高山
第二章  千葉道場
第三章  浪士組
第四章  一刀流の剣
第五章  無血開城
第六章  駿府へ
第七章  開眼

実は他にも肩入れする理由があって、山岡鉄舟の父の知行地が小川町竹沢にあったということで、そこを訪れる度に今の小川町の旅館二葉に立ち寄ったんだそうだ。そして、そこの当主に「料理に禅味を盛ってみよ」と示唆したんだとか。

言われた方は困ってしまうところだけど、当主の忠七さんは、もとから一本気な人だったんだろうね。本気になって試行錯誤して、山岡鉄舟を納得させるようなものを作り上げた。名にし負う、“忠七めし”の出来上がりである。へへへ、地元だからね。

“知る人ぞ知る”ということは、知らない人走るはずもない、日本五大銘飯の一つが、この忠七めし。忠七めしの他になにがあるかというと、岐阜県可児の“さよりめし”、大阪府難波の“かやくめし”、島根県津和野の“うずめめし”、東京深川の“深川めし”。これらと並び称されるということになるんだから結構なもんだ。

そのわりに、地元でもあまり意識されていないのは悲しいところ。
忠七飯なにしろ「禅味」ですからね。“禅”って、痛いじゃないですか。そんなものを料理に盛り込まれたって、・・・まあ、贅沢なご飯ができるはずがない。
私?・・・もちろん食べました。私は好きですよ。山岡鉄舟ほどではないにしろ、酒飲みだからね。

山岡鉄舟に戻るけど、私がそうだからって、それで人を推し図っちゃーダメなんだけど、知られているとしても、江戸城無血開城に関わる山岡鉄舟って人が多いと思うんだ。そんな私みたいな人にとっては、山岡鉄舟の人となりを知るにはうってつけの本だった。その分だけ、正直なところ、淡々としすぎているとも思った。

もしも、読みやすく書いてくれる人がいれば、山岡鉄舟はフェノロサとも関わってるはずだし、侍従として明治天皇にどんな影響を与えていったのか、その余白の利用の仕方によっては、いろいろな山岡鉄舟像が立ち上がることがあるかもしれない。

そのへんも読んでみたいな。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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