『遺言』 養老孟司
意味を求められないからこそ今の仕事に憧れて、それなりに努力をしてこの仕事についたんです。ちょっと仕事柄、はっきりしたことを言うわけにいかないんですけど、そんな仕事にも、少しずつ、“意味”を求められるようになったんです。本当なら、あの時やめるべきだったんですね。でも、まずいことに、悪あがきしたら、相手が少し引いたんですよね。・・・それで、「なんとかなるかも」とかって思っちゃったんですね。
それでも、“意味”は追いかけてきました。だから、逃げたんです。・・・転勤ね。人があまり望まない、ちっぽけな職場なんですけど、嫌なこともたくさんあったんですけど、仕事に“意味”を求められることはなかったんです。私には、それが何よりだったんです。だから、最後までそこで勤めようと思ってました。
それなのに、その職場、閉鎖されちゃったんですよ。6年前です。それで、元の職場に戻って、・・・“意味”のある仕事をして、疲れ果てているわけです。
私の身の回りには遺言を残した死んだ人はいません。そのせいか、遺言がどういうものかわかりません。だけど、遺言である以上、残された者がそれを理解できなかったら仕方ありませんからね。もっとわかりやすく、原稿用紙2・3枚にまとめてもらった方がいいと思うんですけどね。
でも、そしたら本にはなりませんね。


1章から始まって、その個々の章で養老孟司さんが言わんとしていることがわからないってわけじゃあないんです。もとから養老さんは、あらゆることは事実を踏まえて思考される方で、非常に分かりやすい考え方をされる方ですからね。
1章で養老さんの言ってることはわかります。2章も、3章もわかります。だけど、遺言でしょ。養老さんが、何を二十数歳年下の私に伝えようとしているのか、個々の章を理解するだけでは汲み取れなかったんです。
だけど、読み進むうち、後半に入っていく頃には、ようやく養老さんが伝えようとしていることの概要がつかめるようになっていきました。もしこれから読まれる方がいたら、そう思って読み進むことをおすすめします。
そのようにして理解したこの本の概要をもとに、冒頭の、私の有り様を書きました。定年まで残り少ないんですが、もう一度、意味を求めずに仕事をしてみようと思います。・・・それが許されなかったら、・・・もう、・・・ねえ。
ソーラーパネルについて、養老さんが終章に書いている。私はソーラーパネルを見るたびに、腹が立って仕方がない。そのたびに、呆れ返る。どうして一方を悪と決めつけて、勝手な善を押し付けようとするのか。
ソーラーパネルを見るたびにそう思う。

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
それでも、“意味”は追いかけてきました。だから、逃げたんです。・・・転勤ね。人があまり望まない、ちっぽけな職場なんですけど、嫌なこともたくさんあったんですけど、仕事に“意味”を求められることはなかったんです。私には、それが何よりだったんです。だから、最後までそこで勤めようと思ってました。
それなのに、その職場、閉鎖されちゃったんですよ。6年前です。それで、元の職場に戻って、・・・“意味”のある仕事をして、疲れ果てているわけです。
私の身の回りには遺言を残した死んだ人はいません。そのせいか、遺言がどういうものかわかりません。だけど、遺言である以上、残された者がそれを理解できなかったら仕方ありませんからね。もっとわかりやすく、原稿用紙2・3枚にまとめてもらった方がいいと思うんですけどね。
でも、そしたら本にはなりませんね。
『遺言』 養老孟司 新潮社 ¥ 778 これだけは言っておきたかった 80歳の叡智がここに❢ |
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1章から始まって、その個々の章で養老孟司さんが言わんとしていることがわからないってわけじゃあないんです。もとから養老さんは、あらゆることは事実を踏まえて思考される方で、非常に分かりやすい考え方をされる方ですからね。
1章で養老さんの言ってることはわかります。2章も、3章もわかります。だけど、遺言でしょ。養老さんが、何を二十数歳年下の私に伝えようとしているのか、個々の章を理解するだけでは汲み取れなかったんです。
だけど、読み進むうち、後半に入っていく頃には、ようやく養老さんが伝えようとしていることの概要がつかめるようになっていきました。もしこれから読まれる方がいたら、そう思って読み進むことをおすすめします。
そのようにして理解したこの本の概要をもとに、冒頭の、私の有り様を書きました。定年まで残り少ないんですが、もう一度、意味を求めずに仕事をしてみようと思います。・・・それが許されなかったら、・・・もう、・・・ねえ。
ソーラーパネルについて、養老さんが終章に書いている。私はソーラーパネルを見るたびに、腹が立って仕方がない。そのたびに、呆れ返る。どうして一方を悪と決めつけて、勝手な善を押し付けようとするのか。
ソーラーパネルを見るたびにそう思う。


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