めんどくせぇことばかり 短歌『山に遊ぶ心』 中野孝次

短歌『山に遊ぶ心』 中野孝次

正月の山にしづるる雪の音かそかなりけり夕にきけば  折口信夫
ふりつもる今宵の雪はふかからむ響き大きく梁(うつばり)のきしみ  平福百穂


この間、めずらしく関東にも大雪が降りました。四年前にも、今年を上回る大雪があったが、その時の反省か、報道も早めの帰宅を呼びかけ、多くの仕事で社員を早めに帰しましたね。“おもしろい”と言っちゃあなんだけど、それが裏目に出て駅に人があふれ、駅員は溢れかえる人の応対で電車の運行を、かえって遅らせてしまったようで・・・。

それもこれも、なんとか日常通りの暮らしを続けたい一心で、雪道に出ては転んで救急車で運ばれ、ノーマルタイヤで事故を起こしたりする。翌日は、朝から電車が動いていて、保線の仕事の方は、きっと夜通しの仕事だったんでしょうね。

私はと言えば、めずらしく軽い雪を三軒分ほどはいて、昨年と同じところで苦労して、長い時間かかってタイヤにチェーンを巻き、わざと坂道を選んで仕事場に向かいました。

そこで何台もの乗り捨てられた自動車を見つけました。そこから歩いたとすると、最寄りの駅でも軽く一時間はかかるようなところにも車はありました。ノーマルタイヤで雪に乗り出すような人が、おそらく長靴なんかはいてないでしょうね。・・・まさか、吹きだまりで凍り付いているようなことはないでしょうけど。

雪山でつらい思いをすることは珍しくないけど、平地だって雪が降れば、状況によっては、いくらでも人は死ぬはず。今回は吹雪いてなくて、運が良かったんかもしれないですね。


『山に遊ぶ心』    中野孝次


小沢書店  ¥ 時価

あきらかにしりぬ、心とは山河大地なり、日月星辰なり  道元

わが月暦画
うちなる焼ヶ岳 一月
雪中の狩人 二月
チロルの墓碑銘 三月
物の見えたる光 四月
中世アルプスへの郷愁 五月
レオナルドの宇宙観 六月
夕焼けの阿蘇 七月
美わしの南チロル 八月
山小屋の秋 九月
幻の乗鞍岳 十月
初冬の山国 十一月
塩ノ道紀行 十二月山小屋の雪
山小屋の雪

ねがわくは花の下にて春死なむそのきさらぎのもち月のころ  西行
仏には桜の花をたてまつれわが後の世を人とぶらはば  西行


山も花も、人のためにそこにあるわけじゃないし、咲くわけじゃないんだよね。だけど、それでも人は、山や花に呼ばれてしまう。呼ばれて行って、花に命を落とす人はいないけど、山に命を捧げることは珍しくない。

憤り胸に湧ききて佇立するいかばかり彼は生きたかりしか  岡野弘彦
敗れたるいくさの後を零落(はふ)れきてこの白砂に涙おとしき  岡野弘彦
告げやらむ思ひひとつを保ちつつ月冴ゆる夜の山を越えにし  岡野弘彦


著者の中野孝治さんは、21歳で終戦を迎えたそうです。大正14年の生まれですね。あの戦争は大正世代の戦争で、大正生まれの男の7人に1人が戦死しているそうです。まさに、戦死はすぐそこにあった。これって、他の世代ではわからないことですね。

その思いは、やはり中野さんの山への思いに強く関与しているようですね。死を見つめることを、いつも求められていた世代なんですものね。「ああ、あの戦争は、やはりなかったことにはできないんだな」って、そう思います。

年たけて又こゆべしと思ひきや命なりけりさやの中山  西行

そう、もういい歳になったから、山を再開したからと言って、かつて登った山にお目にかかるのは難しいかもしれないですね。だから、どんな山でも、一歩一歩、念仏でも唱えるつもりで登ってみましょうかね。

(ここに使った歌は、すべてこの本に取り上げられているものです)




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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