めんどくせぇことばかり 『逆説の日本史23 明治揺籃編』 井沢元彦
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『逆説の日本史23 明治揺籃編』 井沢元彦

『逆説の日本史』も23巻。『逆説の日本史』を読むたびに思うことだけど、一人の人間が日本史を古代から現代まで通して検証し直して通史を書くということは、通常、考えないですよね。考えっこない。だって、それが5年や10年でできるとは思わないだろうし、間違いなく人生をかけた仕事になるでしょう。集中砲火を浴びて途中でめげてしまったり、身体を壊して変に中途半端でやめることになれば、人生そのものに汚点を残すことになりますよね。・・・生きるか、死ぬかって問題だってことですよね。

井沢さんが週刊ポストに書き始めたのが1992年。第1巻が単行本になって刊行されたのが1993年。23巻が出たのが2017年だから、第1巻から第23巻までに24年かかってることになります。

私は33歳の時に第1巻を読んでるんですね。奇しくも、ちょうど、足のせいで山をやめる頃ですね。・・・そうかあ、あの頃第1巻を読んだのか。そう思うと、何だかやけに感慨深い。

井沢さんが週刊ポストに書き始めたのは、井沢さんが38歳あたりのはず。38歳の男が自分の残りの人生を日本史の通史を書き上げることに賭けるってのは、ちっとやそっとのことじゃあない。あるはずがありません。

そして大事なことは、24年後の今日、おそらく井沢さんは今、・・・62歳か63歳ですよね。その年になった今日においても、その挑戦は、いまだ道半ばということですよね。

私もいい歳になってしまって、悲しいことの一つは、好きな作家が死んでしまうこと。その人の書いたものをもう読めないのかと思うことは、手前勝手な発想で申し訳ないけど、そのたびにある種の絶望感を味わう。そして、「ああ、まだあの人が残ってる」って思い直して、勇気づけられる。

中でも、井沢さん、ここまで書いておいて、・・・お願いです。死なないで・・・。



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木戸孝允が病死し、西郷隆盛が戦死し、大久保利通が凶刃に倒れた。そして、日本の近代が始まる
第1章 近現代史を考察するための序論 近現代史を歪める人々
第2章 大日本帝国の構築1 琉球処分と初期日本外交
第3章 大日本帝国の構築2 廃仏毀釈と宗教の整備

数年前から、『逆説の日本史』の新しい巻が出るたびに、上記のような不謹慎なことを考えている私です。お恥ずかしい。・・・でも、御同様の方もきっといらっしゃるでしょう。

井沢さんは、西南戦争という出来事を一つの大きな境にして、それ以前を近代以前と捉えていたということです。たしかに、色濃く引きずってきた江戸時代と、この西南戦争をもって決別していくわけですよね。ちょうど、維新の三傑と呼ばれた木戸孝允、西郷隆盛、大久保利通が、この西南戦争と期を同じくして亡くなり、日本の行く末は明治維新の立役者から後続の者たちへと引き継がれていった時期に重なります。

そう言った意味で、この第23巻は、これまでの巻とはちょっと装いの違う書き方がされています。上の目次を見てもらえば分かる通り、この本の主題は第2章の『大日本帝国の構築1 琉球処分と初期日本外交』と第3章の『大日本帝国の構築2 廃仏毀釈と宗教の整備』の二つの柱です。

では、『近現代史を考察するための序論 近現代史をゆがめる人々』という第1章は、なぜそこに挿入されているのか。ということが問題になりますね。

高校の日本史に関してよく言われることに、「応仁の乱によって新しい歴史が始まっているのであるから、現代を理解するためであるなら、応仁の乱以前の歴史を学ぶ必要はない」ということがあります。たしかに、応仁の乱やそれに前後する激動によって、日本は身分なり、制度なりが、一度シャッフルされたようなところがあって、トランプのカードを配り直したような感じがある。だけど、シャッフルしてカードを配り直しても、ゲームのルール自体は変わっていないんですね。どうしてそういうルールができたかは、その前の歴史を見て行かないと分からないわけです。

ところが、そのルールが変わったんですね。それが、おそらくこの第23巻ということなんだと思います。そして、この第1章は、新しいルールに変わって新しく始まった日本史の“序文”にあたっている章だと考えればいいんだと思います。

さてその新しいルール。ここでも、あのチャイナ生まれのあの思想が、きわめて重要な役割を果たすことになるんですね。

つくづく、日本は東アジアの一国なんですね。いくら福沢諭吉が“脱亜論”を叫んでも・・・。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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