めんどくせぇことばかり 『真実の世界史講義中世編』 倉山満

『真実の世界史講義中世編』 倉山満

なぜか私の目の前に山川出版の詳説世界史Bの教科書がある。今日ご紹介するのはこれじゃなくて、倉山満さんの『誰も教えてくれない真実の世界史講義 中世編』なんだけど、その前に、すぐ目の前のこの不愉快な本を何とかしないと先に進めそうもない。

なにしろ、日本人にとって、この本に書かれたことが“世界の歴史”なわけだからね。

ニュースを見ると、「官僚の体たらく」がどうのこうの、「テストで高い得点を取ることしかできない」からどうのこうのとか、ここぞとばかり言い立ててますね。きっと、ああいうこと言ってる瞬間って、とっても気持ちよくなっちゃってるんだろうな。

それにしたってすごいよ。この本で世界史を勉強して、そのほとんどを覚えて、与えられた設問に対して適切な答えを導き出すってのは、「テストで高い得点を取ることしかできない」なんてレベルの問題じゃない。とてつもない能力だと思うんですけどね。なにしろこの本で勉強するってのは、我慢が必要ですからね。我慢力。ものすごいです。ある意味で、それがあるからこそ、国を支える仕事ができるという面もあるのかもしれない。

山に連れて行ってる子たちの中にも、警察とか消防とかの公務員試験を受けようって子がいるんだけど、勉強しなけりゃいけない内容がものすごいですよ。こんなことやってなんか役に立つのってことまでありますもん。「そういう役に立たなそうなことでも我慢できる能力を問われてるのかな」なんて思ったりするくらいです。

そういう世界史からは、遠いところにあるのが、この倉山さんの本といえばいいかな。山川の世界史は、一般的日本人の世界理解に寄与していません。でも、倉山さんのこの本は、それに大いに役立つと思います。


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西欧史・中国史中心の歴史観を根本からくつがえす、“教養としての世界史"の第2弾
第1章  世界史の正体と日本
第2章  十字軍の爪痕
第3章  世界史を語る視点としての鎌倉幕府
第4章  暗黒の中世の終焉と室町幕府
第5章  中世と近代のはざまで


世界史とはいうものの、歴史の勉強ってのは、今の自分の立ち位置を認識し、自分の生きていく一助にすることにありますよね。自分の足元を照らす歴史、自分の足元を照らす世界史じゃなきゃ、本当は意味がないわけです。この、倉山さんの本は、それこそ三分の一くらいは日本史の記述になってます。日本の歴史を世界の歴史の中でとらえ直しているんですね。

だから、面白かったですよ。日本ではさほど大きく取り上げられないけど、元寇でモンゴル軍を撃退したってことの意味の大きさとか、ヨーロッパの絶対主義時代に200年もさかのぼって行われた足利義教の絶対主義とかね。世界史と照らし合わせることで日本の歴史にあらためてスポットライトが当てられているみたい。逆にそうすることで、世界史への理解も深まるしね。

いずれにせよ、日本の学問の世界はセクト主義だから、こういう日本史と世界史の交流以前に、歴史を通史としてとらえるということ自体ができていないですよね。歴史が好きな高校生は、本当は大学の史学部で、“通史”を勉強したいんじゃないでしょうか。でも、通史をおいている大学ってあるでしょうか。

たとえば、上の山川出版の世界史にしたって、東京大学の名誉教授さんを筆頭に8人の先生方が分担で書いています。通史のように見えて、実は通史になってない。セクトのつぎはぎですか。

学校で教わる歴史も、なんだか、《歴史総合》というものに変わっていくようですが、結局、セクトのつぎはぎになるんなら、同じことのような気がするな。

まあ、嘆いてみてもしょうがない。面白い歴史が読みたい人は、倉山さんの本みたいのを探すことですね。

・・・最後にこう言う言い方もなんなんですけど、私、“古代編”を読んでませんでした。・・・あたふた、あたふた




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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