めんどくせぇことばかり 『八月十五日に吹く風』 松岡圭祐

『八月十五日に吹く風』 松岡圭祐

昨年10月にこの本を読んで、ブログに記事を書いています。そんなに経っていないにもかかわらずここに取り上げるのは、まったく腹の立つ、気になるニュースを読んだからです。以下のニュースです。
AFP BB NEWS 2018/05/10
カナダ首相、ナチス・ドイツからのユダヤ人亡命拒否を謝罪へ
http://www.afpbb.com/articles/-/3174115?pid=20107613
(全文)
【5月10日 AFP】カナダのジャスティン・トルドー首相は9日、同国が第2次世界大戦(World War II)開戦の数か月前にナチス・ドイツからの亡命を希望するユダヤ人の受け入れを拒否したことについて、謝罪する意向を示した。

カナダ首相官邸の声明によると1939年5月13日、「安全と迫害からの保護を必死に求める」ドイツ系ユダヤ人が遠洋定期船「セントルイス号」に乗ってドイツを出港し、大西洋を横断。

しかし、ユダヤ人たちは最初の目的地キューバでは上陸を許可されず、続いて米国とカナダでも入国を拒否された。「0人でも多過ぎる」という、当時の差別的な移民政策が理由だったという。

欧州への帰還を余儀なくされたユダヤ人の多くは後に強制収容所へと送られ、254人がホロコーストの犠牲となった。

トルドー首相は声明で「カナダがセントルイス号に乗船していたドイツ系ユダヤ人907人の亡命を拒否した時、わが国は乗客だけでなく、その子孫やコミュニティーをも見捨てたのだ」と指摘。

トルドー氏は謝罪によって亡くなった人々がよみがえったり、ホロコーストで台無しになった人生を埋め合わせられたりするわけではないとする一方、こうした困難な事実を認め、歴史から学び、反ユダヤ主義と日々闘い続けていくことは「われわれ共通の責任である」とし、「二度と繰り返さない」という厳粛な誓いに意味を持たせることになると強調した。
・・・言葉がありません。このニュースに関しまして、時間がありましたら、以下の記事をどうぞ・・・
《この小説は史実に基づく 登場人物は全員実在する(一部仮名を含む)》

序章が始まる前に、上記のような一文がついている。「すべては本当にあったこと」ってことかよ。そんなもの、本当に書けるのか。いや、そんなものを書いて、面白い話になるのか。

なるんだな、これが・・・。軍国主義から平和主義への正反対。人命軽視から人命重視の正反対。封建主義から民主主義への正反対。野蛮人から人道主義。何でもかんでも正反対だらけの日本近代史。正反対の背景には、深い物語があるってことだな。
日本兵分析五項目
①人命軽視 
②不条理な戦死の目的化 
③同一戦法への固執 
④想定外の事態への対処能力欠如
⑤理想や願望と事実の混同

軍人に限らず、夫人や子供を含む一般市民に至るまで、日本人は自他の生命への執着が薄弱である。軍部による本土決戦および一億玉砕、一億総特攻に、誰もが抵抗なく呼応している。原爆使用の慎重論を唱える向きは、情報部資料を参照されたい。一億玉砕、一億総特攻に大多数が賛意を示す日本国民は、本土決戦において婦女子を含め非戦闘員が戦闘員となりうる。よって国民には「情報公報」の日本兵分析結果五項目が、兵士と同様にあてはまると考慮される。
だから、原爆落としたってか。一億総特攻を拒否しないからには、民間人も非戦闘員ではなく、したがって原爆の標的にしても国際法違反には当たらないって理屈か。

白人は、前からそうだ。野蛮人だから、まともにあつかう必要はない。対等な条約関係なんてもっての外ってことで不平等条約を押し付けて、改正の要求も無視できない軍事力を持つまでは鼻もひっかけない。鼻もひっかけなかったくせに、多くの犠牲を払って国力をつければ、こんどは戦争で袋叩きだ。・・・なんて嫌な連中だ。

だけど、・・・アメリカにはロナルド・リーンがいる。

ロナルド・リーンは、“実在する登場人物”のなかでも“一部仮名を含む”の一人だな。でも、ほぼ同じ名前にするんなら、仮名にする必要があっただろうか。

講談社文庫  ¥ 799
人命を軽んじ、やすやすと玉砕する野蛮な日本人観を覆した奇跡の作戦があった
いくつか、戦争ものの小説を上げた。おもしろい小説ばかりだけど、この『八月十五日に吹く風』も、確実にこれらに肩を並べる本の一つ。

扱われているのは、キスカ島撤退作戦。アッツ島の玉砕の直後だけに、それこそ正反対のこの作戦は際立つ。だけど、正反対だけに、背景には計り知れない物語がある。

1938年、ナチスの迫害から逃れたユダヤ人が、ソ満国境のオトポール駅で立ち往生していた。満洲国外交部は、友好国ドイツに気兼ねして、ユダヤ人の入国を渋っていた。当時、陸軍少将だった樋口季一郎は、その窮状を見かねて救いの手を差し伸べた。以後、“ヒグチ・ルート”に向かうユダヤ人難民は増え続け、五千とも、あるいは二万を超えたともいわれるが、ドイツへの外交的配慮から公式文書はないという。

その樋口季一郎が、2600を超えるアッツ島守備隊長山崎保代陸軍大佐に対して、玉砕を命令した。

軍は海軍と協同し万策を尽くして人員の救出に務むるも地区隊長以下凡百の手段を講して敵兵員の燼滅を図り最後に至らは潔く玉砕し皇国軍人精神の精華を発揮するの覚悟あらんことを望む

その樋口が、今度はキスカ島の6000人を何とか救おうとする。その使命を受けたのは、木村昌福少将。

・・・、これ以上はまずいよね。

8月15日は、日本人にとって、この日はやはり終戦だ。すでに両手を上げた状態の日本に対してスターリンがここぞとばかり襲いかかる。8月18日にソ連軍が千島列島最北の占守島に攻撃をかける。日本軍はこれを撃退するのだが、樋口季一郎は、この占守島の戦いでも指揮を執っている。

それを嫌ったスターリンは、意趣返しとばかり樋口を戦犯に指名するが、世界ユダヤ人会議はいち早くこの動きを察知して、世界中のユダヤ人コミュニティーを動かし、マッカーサーは最後までソ連からの引き渡しを拒否した。

オトポール事件の時、満洲外交部にいて樋口季一郎の要請を受け入れたのは松岡洋右だよね。で、関東軍の参謀長として、ドイツからの抗議を「当然なる人道上の配慮によって行ったものだ」と撥ね付けたのは東条英機だった。

いったい、誰が野蛮人だ。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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