『言ってはいけない中国の真実』 橘玲
まただ。どうも最近は、この手の技が幅を利かしているらしい。どんな技かと言うと、昨日紹介した『残念すぎる朝鮮1300年史』と同じ技。何年か前に出されてけっこう売れた本を、ちょっとおもむきと題名を変えて刊行するという技。私みたいな善良な小羊は、いとも簡単に騙されてしまう。・・・騙されるは、言い過ぎ?
騙そうとする意図はないんでしょうか。たしかに、たしかに書いてありますよ。裏表紙にありました。「・・・・新中国論。『橘玲の中国私論』改題」って。あるにはあるけど、私は見ないんです。まず、この手のものは見ないんですよ。
それも、“改題”も新しい題名は『言ってはいけない中国の真実』ですよ。あの大売れの『言ってはいけない 残酷すぎる真実』が頭に浮かぶじゃないですか。それがすべてですよ。
まあ、いいんです。2015年の本とはいえ、読むには読んだけど、虫の居所が悪かったんだかなんだか、ブログで紹介してなかったみたいですから。それに、・・・たかだか3年ぶりだっていうのに、はずかしながら、けっこう新鮮な気持ちで読んでしまった。
1853年のペリー来航から1868年の明治維新まで15年。これを長いとみるか短いとみるかは人それぞれだけど、長いとみるなら、その原因は朱子学の影響ってことになりますよね。古代からそうだけど、シナの文明を取り入れるにあたっても、日本という学生は不真面目で、なかなか先生の言う通りしないんですよね。
日本には、最後のところに捨てられない何かがあるんですよね。
それはさておいて、朱子学においても、不真面目な日本でさえ、けっこうバカバカしいような影響を受けています。背景に宗教が、朱子学という宗教があることを意識して考えれば、その幕末維新の日本人の奇行も解き明かせるというのは井沢元彦さんの「逆説の日本史」に書いてあった。
だけど、それでもまだまだいい方で、朱子学の本家であるシナや、表面的小中華、内心本中華の朝鮮は、がんじがらめになっちゃって身動き取れない状況でしたからね。
しかも、シナは体が大きいもんだから、止まろうって頭が思ったって、身体はなかなか止まらない。そのシナが、今度は経済発展に走り出して、どんどんどんどん加速して、「アッ!」って思ったって、そう簡単に止まれるもんじゃない。


たしかに、橘玲さんの言う通り、日本人には都合の悪いことは全部シナの異質性で説明するようなところがあるような気がしますね。「異質なのはもしかしたら私たちかもしれない」っておっしゃいます。おっしゃる通り、日本人は世界において異質な存在ですよね。
人のことを気にしますからね。それをシナの人が「日本人は器が小さい」と感じたとしても、日本人にはその部分を変えられません。おそらくそれは、“最後のところにある捨てられない何か”に強く関係しているものなんだろうと思うんです。
お互いに、理解しあえないところがあると殺しあわなければならないとか、そういうことではありませんからね。「理解しあえませんね」と言いながら、理解しあえる部分でつながっていけばいいだけのことだと思うんです。問題は、そんなところにあるわけじゃなくて、中国共産党が道理を無視して無理を通そうとするところですね。
最後の項目に《「超未来世界」へと向かう中国》というのがありますが、これは文庫版向けの書き下ろしなんだそうです。そこに書かれてるんですが、共産党による情報統制はものすごいんですね。ソ連を崩壊に導いたのは、ゴルバチョフの始めたグラスノスチとペレストロイカ。中でもグラスノスチですね。情報公開。
それを良く分かっている中国共産党は、絶対グラスノスチはやらない。逆に情報統制を徹底してますね。このインターネットの時代になってそれをするというのはとてつもなく大変なことだと思うんだけど、それをやらなきゃ共産党の一党独裁は崩壊するくらいの気持ちがあるんでしょうね。
長谷川慶太郎さんは、経済の自由化がすすめられれば、必然的に政治的自由を求める声が高まると書いてらした。それをおさえるために、無理を通して情報統制をしているわけですね。しかも、シナの人たちも、そういうことが行われていることを分かってるはずです。分かってて、北京政府をあざ笑いながら、表面的には受け入れている。はてはて、行きつく先になにが待ち受けていることやら。
ああ、またまた、面白く読まされてしまった。

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
騙そうとする意図はないんでしょうか。たしかに、たしかに書いてありますよ。裏表紙にありました。「・・・・新中国論。『橘玲の中国私論』改題」って。あるにはあるけど、私は見ないんです。まず、この手のものは見ないんですよ。
それも、“改題”も新しい題名は『言ってはいけない中国の真実』ですよ。あの大売れの『言ってはいけない 残酷すぎる真実』が頭に浮かぶじゃないですか。それがすべてですよ。
まあ、いいんです。2015年の本とはいえ、読むには読んだけど、虫の居所が悪かったんだかなんだか、ブログで紹介してなかったみたいですから。それに、・・・たかだか3年ぶりだっていうのに、はずかしながら、けっこう新鮮な気持ちで読んでしまった。
1853年のペリー来航から1868年の明治維新まで15年。これを長いとみるか短いとみるかは人それぞれだけど、長いとみるなら、その原因は朱子学の影響ってことになりますよね。古代からそうだけど、シナの文明を取り入れるにあたっても、日本という学生は不真面目で、なかなか先生の言う通りしないんですよね。
日本には、最後のところに捨てられない何かがあるんですよね。
それはさておいて、朱子学においても、不真面目な日本でさえ、けっこうバカバカしいような影響を受けています。背景に宗教が、朱子学という宗教があることを意識して考えれば、その幕末維新の日本人の奇行も解き明かせるというのは井沢元彦さんの「逆説の日本史」に書いてあった。
だけど、それでもまだまだいい方で、朱子学の本家であるシナや、表面的小中華、内心本中華の朝鮮は、がんじがらめになっちゃって身動き取れない状況でしたからね。
しかも、シナは体が大きいもんだから、止まろうって頭が思ったって、身体はなかなか止まらない。そのシナが、今度は経済発展に走り出して、どんどんどんどん加速して、「アッ!」って思ったって、そう簡単に止まれるもんじゃない。
新潮文庫 ¥ 766 崩壊説を尻目に急成長を遂げた中国 その体制、組織、国民性を読み解く新中国論 |
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たしかに、橘玲さんの言う通り、日本人には都合の悪いことは全部シナの異質性で説明するようなところがあるような気がしますね。「異質なのはもしかしたら私たちかもしれない」っておっしゃいます。おっしゃる通り、日本人は世界において異質な存在ですよね。
人のことを気にしますからね。それをシナの人が「日本人は器が小さい」と感じたとしても、日本人にはその部分を変えられません。おそらくそれは、“最後のところにある捨てられない何か”に強く関係しているものなんだろうと思うんです。
お互いに、理解しあえないところがあると殺しあわなければならないとか、そういうことではありませんからね。「理解しあえませんね」と言いながら、理解しあえる部分でつながっていけばいいだけのことだと思うんです。問題は、そんなところにあるわけじゃなくて、中国共産党が道理を無視して無理を通そうとするところですね。
最後の項目に《「超未来世界」へと向かう中国》というのがありますが、これは文庫版向けの書き下ろしなんだそうです。そこに書かれてるんですが、共産党による情報統制はものすごいんですね。ソ連を崩壊に導いたのは、ゴルバチョフの始めたグラスノスチとペレストロイカ。中でもグラスノスチですね。情報公開。
それを良く分かっている中国共産党は、絶対グラスノスチはやらない。逆に情報統制を徹底してますね。このインターネットの時代になってそれをするというのはとてつもなく大変なことだと思うんだけど、それをやらなきゃ共産党の一党独裁は崩壊するくらいの気持ちがあるんでしょうね。
長谷川慶太郎さんは、経済の自由化がすすめられれば、必然的に政治的自由を求める声が高まると書いてらした。それをおさえるために、無理を通して情報統制をしているわけですね。しかも、シナの人たちも、そういうことが行われていることを分かってるはずです。分かってて、北京政府をあざ笑いながら、表面的には受け入れている。はてはて、行きつく先になにが待ち受けていることやら。
ああ、またまた、面白く読まされてしまった。


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