大村智先生『世界を救った日本の薬』 塚﨑朝子
ええ?《新薬開発の舞台裏を詳細にレポートする、製薬業界や薬学部学生必読の一冊》ですか。
なんだか似合わない本を借りちゃったな。ペラペラめくってみただけでも、化学式とかが出てきてますよ。・・・ど・どうしよう。
「どうしよう」って言ったって、買ったものは読むしかないですよね。面白く読めるところだけ読んで、あとは押し入れで寝ていてもらうんですね。まかり間違って、いつかまた、引っ張り出して読み始めることもあるかもしれないからね。
そんな、負け犬根性で読み始めた本でした。でも書かれていたのは、かなり前のめりの日本人論でした。
1845年、阿波蜂須賀藩ご典医の家に生まれた長井長義が発明した薬は、日本初の合成医薬品であるエフェドリン。明治に入り、日本の薬学を発展させるために設立された半官半民の大日本製薬、今の大日本住友製薬のもとでの発明だそうです。のちに、なんとそれが、気管支拡張薬として製剤化されて発売されたんだそうです。
気管支拡張薬は、私も一時期、手放せなかった頃がありました。ウサギの毛のアレルギーでぜんそくになっちゃうんですね。・・・ウサギを飼ってたんです。そしたら苦しくて・・・。医者からは、「命を縮める」って言われたんだけど、当時小学校2年生の娘が泣くもんですから・・・。数年間ですね。気管支拡張薬の吸入器を枕元において寝ましたね。直接関係なくても、おそらく、その研究の直線上にある薬だったんだと思うなぁ。そうだとすれば、ありがたい話だなぁ。
高峰譲吉と言えばアドレナリン。これは知ってます高峰譲吉も1854年生まれだから、江戸時代ですね。加賀藩のご典医の家だそうです。アドレナリンはホルモンの一種で、ホルモンの研究を加速させて生理学発展の原動力になったんだそうです。今でも、使用頻度の高い薬として役立っているんだそうですよ。
日本人による新薬開発、医学への貢献って、最近だけの話じゃないんですね。


対象は熱帯の寄生虫病オンコセルカ症で、世界で3億人が抱えていた寄生虫感染症による失明の危険を永遠に過去のものとしつつあるんですって。凄いですね。
オンコセルカ症は、アフリカなど熱帯の風土病で、皮膚と目に障害を起こすんだそうです。ブヨによって、感染した人から別の人へとミクロフィラリアと呼ばれる幼虫が媒介され、これが人の体内で成虫になって14年余り生きる間に何百万というミクロフィラリアを生むんだそうです。
ミクロフィラリアは皮下組織を移動していろいろな症状を引き起こし、死骸になっても激しい炎症反応が引き起こされ、猛烈なかゆみを生じ、目に入ると視力低下から失明にまで至るということなんですね。
オンコセルカ症はアフリカを中心に35カ国で蔓延し、毎年1800万人が感染し、77万人が失明する。・・・大村智先生は、ものすごい薬を世に出したもんですね。

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
なんだか似合わない本を借りちゃったな。ペラペラめくってみただけでも、化学式とかが出てきてますよ。・・・ど・どうしよう。
「どうしよう」って言ったって、買ったものは読むしかないですよね。面白く読めるところだけ読んで、あとは押し入れで寝ていてもらうんですね。まかり間違って、いつかまた、引っ張り出して読み始めることもあるかもしれないからね。
そんな、負け犬根性で読み始めた本でした。でも書かれていたのは、かなり前のめりの日本人論でした。
1845年、阿波蜂須賀藩ご典医の家に生まれた長井長義が発明した薬は、日本初の合成医薬品であるエフェドリン。明治に入り、日本の薬学を発展させるために設立された半官半民の大日本製薬、今の大日本住友製薬のもとでの発明だそうです。のちに、なんとそれが、気管支拡張薬として製剤化されて発売されたんだそうです。
気管支拡張薬は、私も一時期、手放せなかった頃がありました。ウサギの毛のアレルギーでぜんそくになっちゃうんですね。・・・ウサギを飼ってたんです。そしたら苦しくて・・・。医者からは、「命を縮める」って言われたんだけど、当時小学校2年生の娘が泣くもんですから・・・。数年間ですね。気管支拡張薬の吸入器を枕元において寝ましたね。直接関係なくても、おそらく、その研究の直線上にある薬だったんだと思うなぁ。そうだとすれば、ありがたい話だなぁ。
高峰譲吉と言えばアドレナリン。これは知ってます高峰譲吉も1854年生まれだから、江戸時代ですね。加賀藩のご典医の家だそうです。アドレナリンはホルモンの一種で、ホルモンの研究を加速させて生理学発展の原動力になったんだそうです。今でも、使用頻度の高い薬として役立っているんだそうですよ。
日本人による新薬開発、医学への貢献って、最近だけの話じゃないんですね。
『世界を救った日本の薬』 塚﨑朝子 講談社 ¥ 1,166 21世紀に入り、日本初の新薬が続々と登場 画期的新薬はいかにして生まれたのか |
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![]() | 大村智さんは、2015年のノーベル生理学・医学賞を受賞された方ですね。イベルメクチンですか。抗寄生虫薬ですね。寄生虫と言えば、ちょっと前に読んだ『寄生虫図鑑』の、あの世界ですね。あんまり思い出したくないせかいですね。 |
オンコセルカ症は、アフリカなど熱帯の風土病で、皮膚と目に障害を起こすんだそうです。ブヨによって、感染した人から別の人へとミクロフィラリアと呼ばれる幼虫が媒介され、これが人の体内で成虫になって14年余り生きる間に何百万というミクロフィラリアを生むんだそうです。
ミクロフィラリアは皮下組織を移動していろいろな症状を引き起こし、死骸になっても激しい炎症反応が引き起こされ、猛烈なかゆみを生じ、目に入ると視力低下から失明にまで至るということなんですね。
オンコセルカ症はアフリカを中心に35カ国で蔓延し、毎年1800万人が感染し、77万人が失明する。・・・大村智先生は、ものすごい薬を世に出したもんですね。


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