めんどくせぇことばかり 『黄砂の進撃』 松岡圭祐
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『黄砂の進撃』 松岡圭祐

『黄砂の籠城』は、昨年の4月に出た本だったんですね。読んだのが9月だったもので、今年の3月に、この『黄砂の進撃』が出たとき、「えっ、もうかよ」って思ってしまった。実際には、1年という適性な間隔があったんですね。

話の質としては、籠城して追い詰められてなんとか守り抜く話と、ものすごい勢いで進撃して行って退けられる話ですね。どうしたって、籠城して追い詰められてなんとか守り抜く話の方が面白いに決まってます。ものすごい勢いで進撃して行って退けられる話は、実際に起こったことを考えても、あまりにもまぬけです。

誰もがこの話、籠城して追い詰められてなんとか守り抜く話は書こうと思っても、ものすごい勢いで進撃して行って退けられる話は書こうとは思わないんじゃないかと思うんです。

それを松岡圭祐さんは書いたんですから、とても立派です。

かつ、ものすごい勢いで進撃して行って退けられるまぬけな話を、面白い話として読ませるには、ほとんどこの書き方以外にはあり得ないだろうという書き方で書き上げたんですから、本当に立派だと思います。
通常、義和団事件と言うと、会津藩出身の日本人将校である柴五郎を中心とする各国大使館側の勢力。それから西太合を中心とする清王朝の勢力。双方の周辺で、いろいろな話が盛り込まれたりしますよね。浅田次郎さんの、『珍妃の井戸 』という物語の背景も、義和団事件でしたね。

『黄砂の進撃』    松岡圭祐

講談社文庫  ¥ 756

扶清滅洋の旗印のもと、義和団は柴五郎らの立て籠もる北京公使館区域に攻め入る
清朝末期、満州族に辮髪と纏足を強要されていた漢人は、宣教師にも生活を蹂躙され不満は頂点に達していた。彼らは扶清滅洋の旗印のもと蜂起し、駐在武官・柴五郎らの立て籠もる北京公使館区域に攻め入る。中国近代化の萌芽となった「義和団の乱」の内幕を面白さ抜群に描く、『黄砂の籠城』と対をなす歴史小説。


中国では義和団事件よりも前に太平天国の乱っていうのが起こってますよね。あれは、キリスト教系の宗教結社か。あの時は、「滅満興漢」でしたよね。場所が南の方だったってこともありますかね。それが、義和団は北京ですもんね。北京政府に対する思い入れにも、南の方とじゃ、だいぶ違いがあるんでしょう。

その太平天国の乱のとき、英仏は、わけの分からない太平天国よりも清朝に付け込んでの利権拡張を目指しています。これは当たり前ですね。太平天国の弾圧、鎮圧に活躍したのがイギリスのゴードンの常勝軍でした。その常勝軍のゴードンが、スーダンで起こったマフディーの乱で戦死するんですね。さらには南ア戦争、そして義和団事件と、イギリスにとっては、海外植民地で面白くないことが繰り返されるわけですね。

おそらくそのへんがボディーブローのように、イギリスに効いていったんでしょうね。実際、ロシアだけじゃなくて、ドイツからもつっかけられて、経済面においては、あれよあれよという間にドイツに加えてアメリカにまでぬき去られて行ってね。

それでも、イギリスが構築した世界大勢はまだまだ健在ってところを見せてるんだけど、第一次世界大戦の傷は深かったですね。さらにそれでも、まだ日本を陣営に引き付けておければ違う展開もあったんでしょうけどね。

なんだか話がイギリスの方に行っちゃったけど、義和団事件ってのは、イギリスが構築した世界大勢の中で起きてることですからね。そして、義和団のまさに徒手空拳の紅巾は、連合国の銃撃に難なく吹き飛ばされていったのだが、その命と引き換えにそれまでの世界に風穴を開けていったのも、やはり事実なのでしょう。

欧米の魔の手に抗し得たのは、たしかに日本人だけではなかったんでしょう。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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