『歴史講義 満洲事変』 倉山満
《日本の軍部独走・侵略史観に基づく悪玉扱い。逆にその反動としての「日本は悪くなかった」という日本小国史観。海外大国による外圧、陰謀史観は、満洲事変においてはすべて間違いです》
・・・、ということで始まる本なんです。鍵になる言葉は、“憲政の常道”。“憲政の常道”は英米との協調関係、つまりはワシントン体制が前提で、もちろんちょうど時期も重なります。そして、対英米協調関係と“憲政の常道”が崩れた時、日本は米英との対戦に突入していくのです。
これまで倉山さんの本は数多く読んできましたけど、実は“憲政史”の研究こそが倉山さんの本職で、“憲政の常道”をキーワードとするこの本こそ、倉山さんの“本気”なんだそうです。
“憲政の常道”が英米との協調関係を前提としている以上、イギリスやアメリカの研究を疎かにできるはずもなく、では中国は?ロシアは?フランスは?ドイツは?と、隣接分野に手を伸ばしているうちにバルカン半島にまで行き着いたということなんだそうです。
それが崩壊したことで米英との大戦への道を歩き出すという“憲政の常道”とは、総選挙により国民から選ばれた第一党が内閣を組織すること。憲政会と政友会の二大政党を前提に、第一党が内閣を組織し、第一党の内閣が失政により倒れた場合は野党第一党が首相を出して内閣を組織するという政治的慣例のこと。
1932年の五・一五事件で終焉した“憲政の常道”。その動揺が始まるのは、前年9月の満洲事変。満洲事変に至る日本に足りなかったものはなにか。満洲事変で動揺した“憲政の常道”を、その後の懸命な選択によって立て直すことは不可能だったのか。
倉山さんの本気を聞いてみましょう。


日本で教えられている歴史は、日露戦争後の日本が世界最強の、無敵な国であったことを教えていない。それどころの話じゃない。基本的には、アメリカがほどこしたウォー・ギルド・インフォメーション・プログラムは、いまだにそのまま。教育の世界では、公職追放でアメリカに追随した敗戦利得者とその後継者が、いまだに日本の歴史を書いていますからね。
日本は軍部独走によって朝鮮、中国を侵略しただけでは飽き足らず、アジアを支配下において各民族に隷属を強い、連合国にこてんぱんに打ちのめされた。軍部独走の背景には日本人の民族性があり、その背景に日本文化や歴史の特殊性がある。結局、日本人が、どうしようもなく悪いということになっている。
しかもその悪さは、時間を追うごとにどう仕様もないものとなり、「それでも日本人は戦争を選んだ」と、もはや日本人はいない方がいいんじゃないかというところまで行っている。・・・あ~あ。
その反動としての「日本は悪くなかった」も、面倒だ。「悪くなかった」はずがない。なにしろ、大日本帝国という国が消滅したんですからね。どれだけの日本人が絶望の果に血の涙を流したか。ロシアの暴虐のもとで死んでいったか。世界最強、無敵の国家が、なぜそのような羽目になったのか。
「ソ連も、アメリカも、大英帝国も手を出せない」くらいに強かった日本が、アジアだけでなく、世界情勢にまで責任ある地位にあった大日本帝国が、なぜ消えてなくなったのか。
倉山さんが言うんです。「それは頭が悪かったからに他ならない」って。「この問から逃げている限りは」、私たち日本人は影響に敗戦国のままだって。
たしかにそうですよね。自分たちで第二次世界大戦に関する検証ってのが、全くしてないわけですからね。まずは、それをやる。それをやりもしないで、一歩も前に進めるはずは、・・・。

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
・・・、ということで始まる本なんです。鍵になる言葉は、“憲政の常道”。“憲政の常道”は英米との協調関係、つまりはワシントン体制が前提で、もちろんちょうど時期も重なります。そして、対英米協調関係と“憲政の常道”が崩れた時、日本は米英との対戦に突入していくのです。
これまで倉山さんの本は数多く読んできましたけど、実は“憲政史”の研究こそが倉山さんの本職で、“憲政の常道”をキーワードとするこの本こそ、倉山さんの“本気”なんだそうです。
“憲政の常道”が英米との協調関係を前提としている以上、イギリスやアメリカの研究を疎かにできるはずもなく、では中国は?ロシアは?フランスは?ドイツは?と、隣接分野に手を伸ばしているうちにバルカン半島にまで行き着いたということなんだそうです。
それが崩壊したことで米英との大戦への道を歩き出すという“憲政の常道”とは、総選挙により国民から選ばれた第一党が内閣を組織すること。憲政会と政友会の二大政党を前提に、第一党が内閣を組織し、第一党の内閣が失政により倒れた場合は野党第一党が首相を出して内閣を組織するという政治的慣例のこと。
1932年の五・一五事件で終焉した“憲政の常道”。その動揺が始まるのは、前年9月の満洲事変。満洲事変に至る日本に足りなかったものはなにか。満洲事変で動揺した“憲政の常道”を、その後の懸命な選択によって立て直すことは不可能だったのか。
倉山さんの本気を聞いてみましょう。
『歴史講義 満洲事変』 倉山満 KKベストセラーズ ¥ 1,399 いつの時代の話だ、まるで今の日本ではないか。そう思った方もいるかもしれません |
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日本で教えられている歴史は、日露戦争後の日本が世界最強の、無敵な国であったことを教えていない。それどころの話じゃない。基本的には、アメリカがほどこしたウォー・ギルド・インフォメーション・プログラムは、いまだにそのまま。教育の世界では、公職追放でアメリカに追随した敗戦利得者とその後継者が、いまだに日本の歴史を書いていますからね。
日本は軍部独走によって朝鮮、中国を侵略しただけでは飽き足らず、アジアを支配下において各民族に隷属を強い、連合国にこてんぱんに打ちのめされた。軍部独走の背景には日本人の民族性があり、その背景に日本文化や歴史の特殊性がある。結局、日本人が、どうしようもなく悪いということになっている。
しかもその悪さは、時間を追うごとにどう仕様もないものとなり、「それでも日本人は戦争を選んだ」と、もはや日本人はいない方がいいんじゃないかというところまで行っている。・・・あ~あ。
その反動としての「日本は悪くなかった」も、面倒だ。「悪くなかった」はずがない。なにしろ、大日本帝国という国が消滅したんですからね。どれだけの日本人が絶望の果に血の涙を流したか。ロシアの暴虐のもとで死んでいったか。世界最強、無敵の国家が、なぜそのような羽目になったのか。
「ソ連も、アメリカも、大英帝国も手を出せない」くらいに強かった日本が、アジアだけでなく、世界情勢にまで責任ある地位にあった大日本帝国が、なぜ消えてなくなったのか。
倉山さんが言うんです。「それは頭が悪かったからに他ならない」って。「この問から逃げている限りは」、私たち日本人は影響に敗戦国のままだって。
たしかにそうですよね。自分たちで第二次世界大戦に関する検証ってのが、全くしてないわけですからね。まずは、それをやる。それをやりもしないで、一歩も前に進めるはずは、・・・。


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