仏露『世界の歴史はウソばかり』 倉山満
『世界の歴史はウソばかり』はちょっと前に読んで、すでにブログでも紹介した本なんだけど、覚書に書き残しておいたものがあって、ちょっと時間が経ったんで、今ならいいだろうということで紹介します。
例えばフランス革命に関してなんですが、「ギロチンは平等思想の産物」なんですって。「身分に関係なくだれでも苦しまずに死ねる」ということでは、たしかにそうかも知れませんね。各地で反革命狩りが行われ、50万人もの人が反革命容疑者として捕まり、約1万6000人が死刑に処されましたよね。まあ、殺された方々に関しては、死の苦痛に関していえば、たしかに平等だったかもしれませんね。
各国軍が王や皇帝の傭兵中心であったのに対し、フランスは士気の高い国民軍であったことがナポレオンの軍の強さの本質だったとはよく言われますよね。たしかにそうだと思います。日本が国民軍を組織するのは、それから百年後のことになりますが、これが日本人の国民性にあってたんでしょうね。それこそ、凄まじく強力な軍を作り上げることになります。
ただ、ナポレオンは、その用兵術において、優れた能力を持っていたことも事実です。なかでも移動の速さは、他の国の軍の三倍の速さで移動したそうです。三倍の敵に囲まれても移動の速さで各個撃破したと言うんですから、驚きですね。
ゲーテが言ってますが、これによってフランス軍の兵士は、ナポレオンに従えば、これまでなし得なかったこともなしうると、心底信じられるようになったわけですね。そこにフランス軍の本当の強さがあったのかもしれませんね。
のちに、各国が国民軍に切り替え、ナポレオンの用兵を学んだからことから、ナポレオンも勝てなくなってしまいますけどね。
いずれにせよ、ナポレオン戦争は、フランス人が武器をもって周辺諸国と戦う経験をすることで、国民国家としてのフランスが形成されたという大きな意義を持ってますね。フランスがフランスに、フランス人がフランス人になったのが、このナポレオン戦争だったということでしょう。フランス語が普及したのものこの時だそうです。
フランス革命はあまりにも大きな動乱ですが、大きな動乱に発展したのは、そこに後のマルクス主義にも通じる極めて単純な二元論的な考え方が生まれていたからでしょう。
ただ、後のその傾向が明らかになった極左活動家に啓蒙された下層市民が武装蜂起であるパリ・コミューンでは、もっとひどいことになった。じつは、一般パリ民衆は反コミューンで、ビスマルクはフランス暫定政府を支持してこれを鎮圧してますね。殺戮は凄惨をきわめ、死者は3万人以上。フランス革命10年の死者を、コミューンはたった1週間で上回ったそうです。
パリ民衆は、コミューンに極めて危険な何かを感じていたんでしょうね。
さて、最近のロシアですが、プーチンが目指すのは、やはりソ連の復活でしょう。ただし、共産主義ではなく、ガスプロムのもとにおけるソ連の復活ということになります。ガスプロムは世界最大のガス会社で、ロシア政府が株式の50%を保有している実質的な国営企業。プーチンはその利益代表と考えればいいでしょう。
アレクサンダー・レベジはロシア・ナショナリストで、エリツィンと大統領選を争うが、ソ連からロシアを取り返すのに協力し、取り返した後はチェチェン紛争の凍結や西側との関係改善に尽力した人物です。共産主義と決別し自由主義経済の導入を目指した、ロシア史上一番と言ってもいいくらいの真人間です。そして、その政敵がプーチンでした。プーチンの政敵はよく不慮の事故で無くなるが、レベジは謎のヘリコプター事故で死んでしまいました。
プーチンは大統領になって間もない2001年、中国と組むことを選択して上海協力機構を発足させました。上海協力機構は軍事同盟で、テロ防止を掲げるものの仮想敵は言わずと知れたアメリカです。プーチンは中国と軍事同盟を組んで、アメリカに対抗する道を選択したのです。
ロシア史上一番の真人間が・・・。ああ、もったいない。

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
例えばフランス革命に関してなんですが、「ギロチンは平等思想の産物」なんですって。「身分に関係なくだれでも苦しまずに死ねる」ということでは、たしかにそうかも知れませんね。各地で反革命狩りが行われ、50万人もの人が反革命容疑者として捕まり、約1万6000人が死刑に処されましたよね。まあ、殺された方々に関しては、死の苦痛に関していえば、たしかに平等だったかもしれませんね。
各国軍が王や皇帝の傭兵中心であったのに対し、フランスは士気の高い国民軍であったことがナポレオンの軍の強さの本質だったとはよく言われますよね。たしかにそうだと思います。日本が国民軍を組織するのは、それから百年後のことになりますが、これが日本人の国民性にあってたんでしょうね。それこそ、凄まじく強力な軍を作り上げることになります。
ただ、ナポレオンは、その用兵術において、優れた能力を持っていたことも事実です。なかでも移動の速さは、他の国の軍の三倍の速さで移動したそうです。三倍の敵に囲まれても移動の速さで各個撃破したと言うんですから、驚きですね。
ゲーテが言ってますが、これによってフランス軍の兵士は、ナポレオンに従えば、これまでなし得なかったこともなしうると、心底信じられるようになったわけですね。そこにフランス軍の本当の強さがあったのかもしれませんね。
のちに、各国が国民軍に切り替え、ナポレオンの用兵を学んだからことから、ナポレオンも勝てなくなってしまいますけどね。
いずれにせよ、ナポレオン戦争は、フランス人が武器をもって周辺諸国と戦う経験をすることで、国民国家としてのフランスが形成されたという大きな意義を持ってますね。フランスがフランスに、フランス人がフランス人になったのが、このナポレオン戦争だったということでしょう。フランス語が普及したのものこの時だそうです。
フランス革命はあまりにも大きな動乱ですが、大きな動乱に発展したのは、そこに後のマルクス主義にも通じる極めて単純な二元論的な考え方が生まれていたからでしょう。
ただ、後のその傾向が明らかになった極左活動家に啓蒙された下層市民が武装蜂起であるパリ・コミューンでは、もっとひどいことになった。じつは、一般パリ民衆は反コミューンで、ビスマルクはフランス暫定政府を支持してこれを鎮圧してますね。殺戮は凄惨をきわめ、死者は3万人以上。フランス革命10年の死者を、コミューンはたった1週間で上回ったそうです。
パリ民衆は、コミューンに極めて危険な何かを感じていたんでしょうね。
『世界の歴史はウソばかり』 倉山満 ビジネス社 ¥ 1,512 世界が知られたくない暗黒史を大暴露! 史上最も格調高いヘイト本 |
さて、最近のロシアですが、プーチンが目指すのは、やはりソ連の復活でしょう。ただし、共産主義ではなく、ガスプロムのもとにおけるソ連の復活ということになります。ガスプロムは世界最大のガス会社で、ロシア政府が株式の50%を保有している実質的な国営企業。プーチンはその利益代表と考えればいいでしょう。
アレクサンダー・レベジはロシア・ナショナリストで、エリツィンと大統領選を争うが、ソ連からロシアを取り返すのに協力し、取り返した後はチェチェン紛争の凍結や西側との関係改善に尽力した人物です。共産主義と決別し自由主義経済の導入を目指した、ロシア史上一番と言ってもいいくらいの真人間です。そして、その政敵がプーチンでした。プーチンの政敵はよく不慮の事故で無くなるが、レベジは謎のヘリコプター事故で死んでしまいました。
プーチンは大統領になって間もない2001年、中国と組むことを選択して上海協力機構を発足させました。上海協力機構は軍事同盟で、テロ防止を掲げるものの仮想敵は言わずと知れたアメリカです。プーチンは中国と軍事同盟を組んで、アメリカに対抗する道を選択したのです。
ロシア史上一番の真人間が・・・。ああ、もったいない。


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