『平成後を生きる日本人へ』 渡部昇一
この本の編者である佐藤芳直さんは企業のコンサルタントを正業にされている方のようです。佐藤芳直さんによれば、バブル崩壊とそれに伴う経営の混乱は、決して日本式経営の敗北ではなく、マクロ経済政策の失敗であると受け止めてらっしゃるようです。ですが、残念ながら、その後、日本式経営の否定は進み、《効率化、合理化のスローガンの下に、年功序列や終身雇用は解体され、日本式経営の最大長所である長期的視野での新技術開発は忘れられ》てしまいました。
最近、未来に残したい日本企業みたいな特集を見ると、そういう会社の多くで、今や解体されてしまった年功序列・終身雇用を、以前のままではないだろうけど残しており、いわゆる家族的な経営を行っているんですね。
日本的経営には、力があるんです。
そんな佐藤芳直さんが、かつて企画し、成功させたセミナーの講師をお願いしたのが、渡部昇一さんだったそうです。以来、毎年のように渡部昇一さんのセミナーを実施してきたんだそうです。
佐藤さんは、ある時、渡部昇一さんに、「経営の大きな役割は、よい親を育てることにあるとおもいます。」と語り、渡部昇一さんが大きな笑顔で肯かれたことがあるそうです。
この本は、平成24年以来、渡部昇一さんを主任講師として、佐藤さんが代表取締役を務めるS・Y・ワークス主催の《日本人への遺言セミナー》での講演をベースに編集されたものだそうです。


お話の大半は、他の渡部昇一さんの本で読んだことがあることでした。当たり前といえば、当たり前ですね。
若い頃の一時期、左翼系の思想に惹かれたことがあります。でも、なんとか自力で修正することができました。自分の考えが上っつべりしているってことに気がつけたのは、基本的には家族のおかげだと思ってます。だけど、手助けしてくれたのは、渡部昇一さんの著作です。おそらくこれからも、自分に自身が持てなくなることがあるでしょう。そんなとき、私が捕るべき行動は単純なことです。《渡部昇一さんに戻る》、それだけです。
この本の終わりの方に、渡部昇一さんのトランプ大統領に関する意見を述べたところがあります。渡部昇一さんのトランプ大統領への論評は、おそらく呼んだことがなかったので、新鮮でした。渡部昇一さんの、トランプ大統領への直感みたいなものですが、「《この人は大実業家なんだな》、大実業家が馬鹿で、非常識である分けがない」って、捉えてらっしゃいました。さすがですね。
さらに、「ポリティカル・コレクトネスに風穴を開けた功績は大きい」という評価を下してました。この問題、日本では本当にあまり取り上げられないんだけど、本当に大きな問題だと思います。
渡部昇一さんの言葉を借りれば、《1970年代の日本の部落解放運動の中の一番の極端な連中みたいのが、あらゆる分野、男女差別、人種差別、貧富差別、何とか差別、かんとか差別、全部の分野に部落解放運動のラジカルな人みたいなのが》いて、そういう連中が、言葉尻を捕らえて人を攻撃するんだそうです。為にする攻撃です。
渡部昇一さんによれば、《言論の自由が日本よりない》そうです。日本でも、そのへんをけっこう感じることが多いですけどね。
亡くなったあとも、渡部昇一さんからは、学ぶことが多いです。

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
最近、未来に残したい日本企業みたいな特集を見ると、そういう会社の多くで、今や解体されてしまった年功序列・終身雇用を、以前のままではないだろうけど残しており、いわゆる家族的な経営を行っているんですね。
日本的経営には、力があるんです。
そんな佐藤芳直さんが、かつて企画し、成功させたセミナーの講師をお願いしたのが、渡部昇一さんだったそうです。以来、毎年のように渡部昇一さんのセミナーを実施してきたんだそうです。
佐藤さんは、ある時、渡部昇一さんに、「経営の大きな役割は、よい親を育てることにあるとおもいます。」と語り、渡部昇一さんが大きな笑顔で肯かれたことがあるそうです。
この本は、平成24年以来、渡部昇一さんを主任講師として、佐藤さんが代表取締役を務めるS・Y・ワークス主催の《日本人への遺言セミナー》での講演をベースに編集されたものだそうです。
『平成後を生きる日本人へ』 渡部昇一 扶桑社 ¥ 1,620 「先生、日本人にこれだけは言い遺さなければならないと思われることだけを語ってください」 |
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お話の大半は、他の渡部昇一さんの本で読んだことがあることでした。当たり前といえば、当たり前ですね。
若い頃の一時期、左翼系の思想に惹かれたことがあります。でも、なんとか自力で修正することができました。自分の考えが上っつべりしているってことに気がつけたのは、基本的には家族のおかげだと思ってます。だけど、手助けしてくれたのは、渡部昇一さんの著作です。おそらくこれからも、自分に自身が持てなくなることがあるでしょう。そんなとき、私が捕るべき行動は単純なことです。《渡部昇一さんに戻る》、それだけです。
この本の終わりの方に、渡部昇一さんのトランプ大統領に関する意見を述べたところがあります。渡部昇一さんのトランプ大統領への論評は、おそらく呼んだことがなかったので、新鮮でした。渡部昇一さんの、トランプ大統領への直感みたいなものですが、「《この人は大実業家なんだな》、大実業家が馬鹿で、非常識である分けがない」って、捉えてらっしゃいました。さすがですね。
さらに、「ポリティカル・コレクトネスに風穴を開けた功績は大きい」という評価を下してました。この問題、日本では本当にあまり取り上げられないんだけど、本当に大きな問題だと思います。
渡部昇一さんの言葉を借りれば、《1970年代の日本の部落解放運動の中の一番の極端な連中みたいのが、あらゆる分野、男女差別、人種差別、貧富差別、何とか差別、かんとか差別、全部の分野に部落解放運動のラジカルな人みたいなのが》いて、そういう連中が、言葉尻を捕らえて人を攻撃するんだそうです。為にする攻撃です。
渡部昇一さんによれば、《言論の自由が日本よりない》そうです。日本でも、そのへんをけっこう感じることが多いですけどね。
亡くなったあとも、渡部昇一さんからは、学ぶことが多いです。


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