『バッグをザックに持ち替えて』 唯川恵
ザックに持ち替える前、バッグを下げている状態の唯川恵さんを、とりあえず私は知りませんでした。今、調べてみたんですが、ずいぶんたくさん書いている方なんですね。amazonの作品一覧を見て見たんですけど、残念ながら読んでませんでした。この本が最初です。
あ、そうそう、『淳子のてっぺん』は、この方の作品なんですね。食指が動いたんですが、ついつい見送ってました。今度、機会があれば、ぜひ読んでみたいと思います。
ある程度の年齢が行ってから山登りを始めるとすれば、この本の著者ほど恵まれた環境にある人は、そうそういないと思います。なんと言っても、一緒に登ってくれる人、しかも相当な経験と技量を持った人が隣にいるってことは、とても恵まれた環境です。
ある意味では、それがすべてかな。登るにふさわしい山が近くにあっても、それが“ふさわしい”と判断できるには経験が必要ですよね。また道具のそろえ方もそうです。どこで何を揃えるべきか。それもやはり経験が必要です。
昨年の夏は天候が定まらなくて、予定した夏山登山を雨で流された方が多かったと思います。私もその一人。奥日光から日光白根山を目指したんですが、雨のため途中で湯元に戻りました。高校生を連れていたので、そのままテントでくすぶらせるのもどうかと思い、雨の中ではありましたけど、戦場ヶ原を歩かせました。
その後、バスでもう一度、湯元に戻ったんですけど、バスの中で60代のご婦人から声をかけられました。ザックカバーの使い方が分からないとのことでした。バスを降りた後で教えてあげたんですが、靴、ウェアー、雨具、ザック、ザックカバーと、いずれをとってもいいものばかりで、ずいぶんお金をかけさせられてる感じでした。
山道具屋さんは、そんないいお客さんなのに、しっかり道具の使い方を教えてあげなかったみたいで、靴の紐はなんだかゆるそうだし、ザックのショルダーのところが伸びっぱなしだし、事実、ザックカバーの使い方が分からなくて声をかけてきたわけですからね。
ザックのショルダーの長さを調節してあげてたら、そのご婦人のお友達の方が、うしろに列を作ってしまいました。雨で、やることもなかったからいいんですけど・・・。その方々は、湯元から戦場ヶ原に向かわれました。


ある程度の年齢が行ってから山登りを始めるとすれば、・・・年齢が行って、年齢が行ってとしつこく言ってごめんなさい。でも、山の始め方って、けっこう難しいと思うんです。それを考えれば、著者のケースは本当に恵まれてます。なにしろパートナーが相当な経験と技量を持った方なんですから。
だからこそ、順調にステップアップしてますよね。新しいことに挑戦して、それまでの自分の限界を超えて、世界が広がって、どんどん登りたい山が増えていって、面白くて面白くて仕方がない様子が伝わってきます。
それとともに、山でのルールみたいなものも、その方からしっかり教えてもらってらっしゃいます。すごく大事なことだと思うんです。山って、ただ登ればいいってものでもないでしょう。人にあったときのマナーとか、礼儀とかね。
私は山岳部で山を始めたので、山岳部でそういう事を教えられました。最近は、どうも、まったく山でのルールみたいなものからフリーな方もいらっしゃるみたいです。一人で登ってるとき、登ってる私が下ってくるおしゃべりしてる女性たちに道を譲ったことが何度かありました。奥武蔵、越生の越上山の山頂に近いあたりで、誰も来ないと思ったらしく、登山道でそのままおしっこしている30代の男性もいました。私が山を再開してからの話ですから、つい最近の話です。
たしかに、かつてはそういうのをめんどくさいと思うこともあったけど、山でのルールって、今思うと、いずれも優しさからきてるものであったり、安全のために考慮されたものです。そういう事をさりげなく教えられる人と山登りの経験を積んでいけたら、やっぱり一番いいですね。
そんなこんなで、著者は順調に経験を積んで、なんとネパールまで行ってしまった。どうぞ、今後も楽しい山登りを続けてください。そしていつかまた、この本みたいに、その体験を・・・、
いや、著者は小説家だった。小説を書きましょう。山岳小説の世界にステップアップしましょう。それがいい。そしたら読ませてもらいますよ。・・・その前に、『淳子のてっぺん』か。

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
あ、そうそう、『淳子のてっぺん』は、この方の作品なんですね。食指が動いたんですが、ついつい見送ってました。今度、機会があれば、ぜひ読んでみたいと思います。
ある程度の年齢が行ってから山登りを始めるとすれば、この本の著者ほど恵まれた環境にある人は、そうそういないと思います。なんと言っても、一緒に登ってくれる人、しかも相当な経験と技量を持った人が隣にいるってことは、とても恵まれた環境です。
ある意味では、それがすべてかな。登るにふさわしい山が近くにあっても、それが“ふさわしい”と判断できるには経験が必要ですよね。また道具のそろえ方もそうです。どこで何を揃えるべきか。それもやはり経験が必要です。
昨年の夏は天候が定まらなくて、予定した夏山登山を雨で流された方が多かったと思います。私もその一人。奥日光から日光白根山を目指したんですが、雨のため途中で湯元に戻りました。高校生を連れていたので、そのままテントでくすぶらせるのもどうかと思い、雨の中ではありましたけど、戦場ヶ原を歩かせました。
その後、バスでもう一度、湯元に戻ったんですけど、バスの中で60代のご婦人から声をかけられました。ザックカバーの使い方が分からないとのことでした。バスを降りた後で教えてあげたんですが、靴、ウェアー、雨具、ザック、ザックカバーと、いずれをとってもいいものばかりで、ずいぶんお金をかけさせられてる感じでした。
山道具屋さんは、そんないいお客さんなのに、しっかり道具の使い方を教えてあげなかったみたいで、靴の紐はなんだかゆるそうだし、ザックのショルダーのところが伸びっぱなしだし、事実、ザックカバーの使い方が分からなくて声をかけてきたわけですからね。
ザックのショルダーの長さを調節してあげてたら、そのご婦人のお友達の方が、うしろに列を作ってしまいました。雨で、やることもなかったからいいんですけど・・・。その方々は、湯元から戦場ヶ原に向かわれました。
『バッグをザックに持ち替えて』 唯川恵 光文社 ¥ 1,296 はじめての登山に懲りて、山なんてやめた――はずだった。それが・・・ |
ある程度の年齢が行ってから山登りを始めるとすれば、・・・年齢が行って、年齢が行ってとしつこく言ってごめんなさい。でも、山の始め方って、けっこう難しいと思うんです。それを考えれば、著者のケースは本当に恵まれてます。なにしろパートナーが相当な経験と技量を持った方なんですから。
だからこそ、順調にステップアップしてますよね。新しいことに挑戦して、それまでの自分の限界を超えて、世界が広がって、どんどん登りたい山が増えていって、面白くて面白くて仕方がない様子が伝わってきます。
それとともに、山でのルールみたいなものも、その方からしっかり教えてもらってらっしゃいます。すごく大事なことだと思うんです。山って、ただ登ればいいってものでもないでしょう。人にあったときのマナーとか、礼儀とかね。
私は山岳部で山を始めたので、山岳部でそういう事を教えられました。最近は、どうも、まったく山でのルールみたいなものからフリーな方もいらっしゃるみたいです。一人で登ってるとき、登ってる私が下ってくるおしゃべりしてる女性たちに道を譲ったことが何度かありました。奥武蔵、越生の越上山の山頂に近いあたりで、誰も来ないと思ったらしく、登山道でそのままおしっこしている30代の男性もいました。私が山を再開してからの話ですから、つい最近の話です。
たしかに、かつてはそういうのをめんどくさいと思うこともあったけど、山でのルールって、今思うと、いずれも優しさからきてるものであったり、安全のために考慮されたものです。そういう事をさりげなく教えられる人と山登りの経験を積んでいけたら、やっぱり一番いいですね。
そんなこんなで、著者は順調に経験を積んで、なんとネパールまで行ってしまった。どうぞ、今後も楽しい山登りを続けてください。そしていつかまた、この本みたいに、その体験を・・・、
いや、著者は小説家だった。小説を書きましょう。山岳小説の世界にステップアップしましょう。それがいい。そしたら読ませてもらいますよ。・・・その前に、『淳子のてっぺん』か。


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