めんどくせぇことばかり モーゲンソープラン『第二次世界大戦 アメリカの敗北』 渡辺惣樹
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モーゲンソープラン『第二次世界大戦 アメリカの敗北』 渡辺惣樹

ヘンリー・モーゲンソーはFDR政権の第一期からずっと財務長官を務め、FDRの死(1945年4月12日)によってその座を去るまで、およそ11年間その職にあった。要職を務めた彼の取りえは、・・・FDR邸の近くに農園を持ち、何らかの偶然でFDR夫妻と知り合った、・・・ということのようです。

不動産業を営んだ父の遺産で農園を経営していたことから、FDRの縁故でニューヨーク州の農業諮問委員会委員長を務め、FDRが大統領選に当選すると、ニューディールの看板政策の一つ農業調整局の前身となった連邦農業委員会委員長となり、さらにずぶの素人のまま財務省の長官に抜擢されていきます。

財政のプロであるハリー・デキスター・ホワイトは、ずぶの素人であるモーゲンソーを通して、アメリカの国政に関わっていくことができたわけですね。二人の間には、“ユダヤ人のよしみ”という関係もあったようです。

勉強嫌いで歴史に疎かったFDRは、同じようにFDRの知り合いという以外に取りえらしいものを持たないモーゲンソーを妄信していたんですね。

日米開戦を考えるときに「ハル・ノート」は非常に重要でですが、原案を描いたのはハリー・デキスター・ホワイトですね。ホワイトはモーゲンソーの部下ですから、財務省の人間です。財務省の人間が国務長官であるコーデル・ハルの仕事に関与できたのは、なぜでしょうか。

ソ連のスパイであるホワイトは、FDRが妄信するモーゲンソーを抱き込み、以前からモーゲンソーはホワイトの意見をFDRにご注進していたわけですね。コーデル・ハルは、国務省の仕事に口を出してくるモーゲンソーを毛嫌いしていたそうです。

なかでも、このハル・ノートは最たるもんだったでしょう。無理難題を吹っ掛けられて、日本民族存亡の危機ですからね。そしてもう一つ、モーゲンソーが国務省の仕事に口出しをし、ある民族を存亡の危機に立たせた件があるんです。



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ハル・ノート、ヤルタ会談、国際連合、ブレトンウッズ体制、全てソヴィエトスパイが操った
第1章 モーゲンソープランの非道
第2章 ソビエトに最も貢献したスパイ
第3章 アルジャー・ヒス ヤルタ会談の黒幕にして国連を作った男
第4章 露見したスパイ網
第5章 ルーズベルト・トルーマン体制の破綻
第6章 ワシントン議会が暴いたソビエトスパイ
終章 「戦勝国」アメリカの敗北


それは、ドイツ民族。

戦後ドイツ占領政策は、国務省と占領後の軍制実務を取り仕切る陸軍省によって、44年夏には完成していたそうです。ハリー・ホワイトに入れ知恵されたモーゲンソーは、アイゼンハワー連合国軍最高司令官に対してドイツ占領政策案は「ドイツに寛容すぎる」と訴えているんです。

ワシントンに帰ったモーゲンソーは、「ドイツを徹底的に、しかも恒久的に封じ込め」るための占領案をFDRに提言するわけです。もちろん新たな占領案を練り上げたのは、ハリー・ホワイトです。

出来上がった占領案は、*ドイツ精神を破壊すること、*工業を根こそぎにすることを軸としたものに作り替えられます。「二度とナチスを再興させない」というロジックは、無理を通して道理を引っ込ませてしまったわけです。ドイツを再建させないことが、ホワイト案の“きも”となったわけです。

敗戦国ドイツは飢餓にみまわれます。ドイツ国内の民間人570万人、東部ヨーロッパから追放されたドイツ系民族250万人、戦争捕虜110万人、あわせて900万人が死んだとされていますが、背景にはモーゲンソーとホワイトのコンビが作った過酷な占領案があったわけです。

日本における歴史教育では、このアメリカ主導のドイツ占領政策の中で900万のドイツ人が死んだことが取り上げられることはありませんね。

トルーマンの時代になって、1946年3月、ハーバート・フーバー元大統領がドイツ視察に送られています。それにより緊急支援が始まるわけです。ただ、トルーマン大統領はフーバー元大統領の報告以前にモーゲンソープランのでたらめさを分かっていたようです。「あの野郎は、レンガ頭の能なしで、くそも味噌もわからない気違い野郎だ」とののしっていたそうです。




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ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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