めんどくせぇことばかり 『ざんねんな名言集』 真山知幸
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『ざんねんな名言集』 真山知幸

たとえば、数々の名言を残しているゲーテですが、では、ゲーテのように生きたいと思いますか。私は嫌ですね。だいたい、名言というのは、それ相応の苦い経験をもとにして生まれてくるものです。多くの名言を残した分だけ、ゲーテはつらい思いをしたはずです。あるいは、その感受性の豊かさと洞察力から、人のつらい状況に我がことのように心を痛めたはずです。

《涙とともにパンを食べたことのある者でなければ、人生の本当の味は分からない》

涙とともにパンを食べたわけですよ、ゲーテは。まあ、誰だってそうでしょうけどね。そういう思いは、誰にだってあるでしょうけど、つらい思いをしたからこそ、生きることのありがたさだって分かろうというもんです。そう思って、つらい時代を我慢することにも意味を見出せますよね。

そのゲーテが、妻への手紙に《わたしはもう、何の役にも立ちません》と嘆きを吐露しています。・・・これはこの本に載ってました。なんて魅力的なんでしょう。やはり私は、ゲーテのように生きたいとは思わないです。だけど、どんなゲーテの言葉だからこそ、人の心を動かすことがあるのかもしれませんね。

私は、マーク・トウェインの、《今から20年後、君はやったことよりも、やらなかったことに大きく失望するだろう》って言葉が好きで、若い人にこの言葉を使って話すことがあるけど、どうでしょうね。20年後、自分に失望したマーク・トウェインだからこその言葉なのか、あるいは、20年前、無謀な挑戦しまくったあげく、人生を棒に振ってしまった男のいい分けか。

マーク・トウェインは、自身の人生が波乱万丈。奴隷解放期の奴隷所有家庭で、南北戦争ではアメリカ連合国軍に志願ですからね。文才があったことで資産家とはなるものの、投資に失敗して破産してたりします。

そのあたりを考えると、後者の、“いい分け”の方かもしれませんね。土台、人生トータルで見ないと、言葉だけで判断するのは危険ということです。


『ざんねんな名言集』    真山知幸

彩図社  ¥ 1,080

ざんねんだけど魅力ある偉人たちの名言の数々を紹介。読めば不思議と元気になる一冊
1 ざんねんな名言集ー人間関係編
2 ざんねんな名言集ー仕事編
3 ざんねんな名言集ー恋愛・家庭編
4 ざんねんな名言集ー病気・ストレス編
5 ざんねんな名言集ー人生観編


ここ1年ほどの間、“ざんねんな”本がすごい勢いですね。

そう、世の人は、人の“すごさ”に惹かれなくなってきているようですね。まあ、分かりますけどね。“すごさ”って、追いつけませんからね。だけど、“ざんねんさ”なら追いつけるし、ここに名前の出てくるほどの人たちは、その“ざんねんさ”が、また、すごかったりするんですよね。

だって、「筏に乗って海外にでも」って逃げ出そうとしているのが、誇大、いや、古代“中国”の偉大なる思想家であるあの人なんですよ。

「歯が痛んで奈良漬も食えない」って泣き言を言ってるのは、日本国中を踏破して偉大なる業績を残したあの人なんですよ。

鉄血宰相と呼ばれたあの人が、「今は何もかも、味気なく、むなしい」なんて泣き言を言ってるんですよ。

「妻は毎日、子どもたちと一緒に死んでしまいたいと言っている」と嘆いているのは、資本主義経済の原則を解き明かした気になって、その後の世界の歴史を混乱の中に叩き込んだあの人なんですよ。

友人にエロ本を見せながら、「禁欲はけっきょく、何にもなりませんでした」と白状するのが、童話作家のあの人だというんですから、驚きです。

そう、そうなんです。偉人・鉄人と言われている彼ら、彼女らも、私たちのおんなじ人間なんです。そんな彼ら、彼女らが、こんな嘆きを漏らしているから面白いんです。本来は、こんな嘆きを漏らしている彼ら、彼女らが、あんなにも偉大な業績を残したことに驚愕しなければならないんですけど、今の時代は逆です。そんな彼ら、彼女らがこんな嘆きを漏らすからこそ、私たちも頑張る力をもらえるんですね。

だって、偉大なあの方がこんなことを言うんですよ。

「まるで、樽に詰められた塩漬けニシンだ」

ね、生きていく勇気が湧いてくるようでしょ。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































































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