めんどくせぇことばかり 『八月の六日間』 北村薫
FC2ブログ

『八月の六日間』 北村薫

そういえば、懇意にしていただいている高校の国語の先生が、この本の著者の北村薫さんが好きだって言ってました。「へ~、そうなんや~」ってヘラヘラ聞いていただけだったんですが、なんでも著者の北村薫さん、埼玉県の高校の、国語の先生だったそうです。履歴が重なってますね。

表紙の絵の様子から、山の本だと思って、先入観なく読み始めました。北村薫さんの書いた本も初めてで、お名前も特に意識せずに読み始めたんです。

物語は淡々と始まって、女の人が山に向います。その様子があまりにも自然で、女の人の生活の描き方もいかにもありそうで、てっきり編集の仕事をしている女性のエッセイかと思いこんでしまいました。

さらに読み進んだところで、「・・・あれ?」っとなって、調べて、著者が埼玉県の高校の先生から作家さんになったことを知りました。

山に関して言えば、主人公が山で遭難するわけでもないし、男と恋に落ちるでもないんです。さらに言えば、何も起こりません。何も起こっていないんです。

雑誌の編集をしている一人で生きる女性が、幾人かの親しい友人や、幾人かのストラレスを与えあう仕事仲間と関係しつつ、生活の中で自身をすり減らしていくわけです。そんな彼女が山とめぐりあい、山と関わって実生活と折り合いをつけて生きていく様子が描かれているだけです。

だから、山の本ではありません。一人で生きている女の人の本です。


角川文庫  ¥ 691

40歳目前、仕事はハードで、私生活も不調気味。そんな時、山歩きの魅力に出逢った。
九月の五日間
二月の三日間
十月の五日間
五月の三日間
八月の六日間

《九月の五日間》はいわゆる表銀座ですね。燕岳から入って、大天井から槍ヶ岳、上高地というコースです。

《二月の三日間》は冬の裏磐梯。雪山団体さんツアーに参加したという設定です。

《十月の五日間》は上高地から入って、蝶ヶ岳から燕岳というコースです。

《五月の五日間》は残雪の八ヶ岳。麦草峠から白駒池、高見石小屋に泊まって渋の湯に降りるコースです。

《八月の六日間》は、富山の折立から入り、太郎平から、北アルプス最深部に入っていきます。雲ノ平から三俣蓮華を通り、双六から鏡平、新穂高に抜けるコースです。

冬の裏磐梯は言ったことがありませんが、他は季節はともかく、ほぼ同じコースを歩いています。たんたんと、たんたんと歩いていく様子がいいですよ。

でも、この歩き方では、いつ遭難してもおかしくないと思います。山を再開してからは、北アルプスも南アルプスも言ってませんけど、今はこんな登山をする人が、けっこう歩いているんでしょうか。本当だったら、けっこうビックリだな。こういう歩き方してたら、一つ風が吹いたら、一つ雷がなったら、一つ天気が崩れたら、それだけで立派に遭難でしょ。

本当にここまで仕事で忙しい人でも山に登るのかな。月曜日には絶対に仕事に出なきゃいけないなら、日曜日の午後に帰るような計画は、私は立てないな。日曜日の午前中に帰る予定だとしても、天気が悪けりゃ月曜日の仕事は休みます。行かなきゃいけないときでも、しょうがないから休みます。迷ったら、何はともかくいっぱい飲んじゃえば解決です。そういうことも、実際何度かありました。

山で無理して人に迷惑をかけるのは、仕事で人に迷惑をかけることの比じゃありませんからね。

・・・山の本ではなくて、一人で生きている女の人の本だと言いながら、女の人が山を歩いている様子に文句をつけてしまいました。大変失礼いたしました。

私なんか、女の人、・・・連れ合いですよ。女の人に支えられて何とかやった来ましたので、一人で生きている女の人の苦労なんて推し量ることも出来ませんが、大変だろうということくらいのことは分かります。仕事では嫌な男はいくらでもいるでしょうからね。男の私の立場からでも嫌なヤツがいっぱいいるのに、女の人だったらもっともっといるでしょう。

それからもう一つ、山を歩くことに人を癒す効果があることも分かります。ただ、なんにも問題を解決してくれるわけではないのに、山はただそこにあるだけなのにね。そのように生きることが難しいなら、せめて山を眺めて暮らしたいもんです。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
関連記事

テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください


現代とはなぜこんなにも棲みにくいのか。
前近代から近現代へと変貌し続ける世相の本質をつかみ生き方の支柱を示す。
カウンター
カテゴリ
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
最新記事