めんどくせぇことばかり 『駐在刑事』 笹本稜平
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『駐在刑事』 笹本稜平

前に山に登ってる頃は、たぶん、笹本稜平さんはまだ山の本を書いてなかったと思うんです。山に登れない時期に山の本を読むといたたまれなくなるから、もちろんのこと、この間は読まなかったんです。山に登るようになってから読み始めたんですけど、二十数年間ですからね。ずいぶん山の本もたまってまして、これは嬉しいことでしたね。

だから、作者さんが最近出した本をまず読んで、ああ、こういう本を書く人がいるんだということを知って、その人が以前に書いた本を探して読むような形になるんです。

この本もそうですね。2004年以降、『小説現代』に時々書いていたシリーズで、単行本になったのが2006年、文庫として出たのが2009年ですね。私はちょっと前に、古本屋さんで見つけて買っておきました。

警視庁捜査一課から青梅警察署水根駐在所に追い出された刑事さんが、奥多摩の自然や人に触れ、事件を解決していく中で本来の自分を取り戻し、新しい生き方を手に入れていく様子が描かれています。

笹本稜平さんの山の本は、一線のクライマーを描いたものもいいんですけど、山を背景に人の物語を描いたものが、何とも言えずにいいんですよねぇ。実際には、この『駐在刑事』よりも後に書かれたものですが、私はすでに1年以上前に読んだ本で『春を背負って』っていうのがありました。それも、山を背景に描いた人の物語なんですが、これもいいですよ。

山岳ものというと、かえって、そういう物語の方が少なくなってしまうのかもしれませんね。その点でも、笹本稜平さんに大いに期待したいところです。

・・・人生の先輩に向かって、生意気なことを申しました。

そういえば、『駐在刑事』はシリーズ化して、あとから『駐在刑事 尾根を渡る風』というのが出ているようですね。そんなに前のものでもないみたいですね。本屋さんにあるかな。それとも、古本屋さんを回るようでしょうかね。


『駐在刑事』    笹本稜平

講談社文庫  ¥ 713

警視庁捜査一課から青梅警察署水根駐在所所長へ左遷された警部補 
終わりのない悲鳴
血痕とタブロー
風光る
秋のトリコロール
茶色い放物線
春嵐が去って


最初の作品、《終わりのない悲鳴》では、のっけから、舞台は小河内ダムから石尾根を通って雲取山に向かうルートで発生します。「あれ、これって・・・」って思って、すぐに《山と高原地図23 奥多摩》を引っ張り出し、地図を片手に本を読み始めてしまいました。「水根沢林道、みず・・・、あった!」って感じですね。

奥多摩に行くようになったのは山を再開してからで、それ以前は、あまり足が向かなかったんです。どっちかというと、すぐ上信越の方に足が向いてしまいました。だいたい、奥多摩は、というより、青梅は飯能の隣町なのに、鉄道だと拝島に行ってから戻ってこなきゃいけないじゃないですか。あれがなんとももったいなくてね。

私は秩父高校時代に山岳部で山を始めました。もしも奥多摩に行くなら、高校の時は、飯能から名栗経由で山越えするか、武甲山や熊倉山から長沢背稜を越えて奥多摩に入るか、雲取から奥多摩に下りちゃうとかしたことはあるけど、それでも帰ってくるときは、結局、拝島まで行ってから戻るのが、何ともまどろっこしくてね。

だから、どうせ秩父から出るなら、飯能から拝島に行ってって気にはなれないので、寄居から髙﨑経由でどっかってことになっちゃったんです。

今は車で行きます。車だと、青梅は飯能の隣町ですからね。だから、うちから奥多摩まで、御岳駅あたりまでで、だいたい1時間。高速使えばもっと早いですから、うんと近く感じます。

そうしたら、奥多摩が秩父と同じ文化圏だったってことが良く分かりました。秩父と奥多摩は、山によってつながれているところですからね。間には、なにも入らないんです。だから、太平洋を挟んだ日米が隣り合ってるように、一山塊を挟んだ秩父と奥多摩もお隣さん。かつて太平洋は日米を隔ててましたけど、あの一山塊は秩父と奥多摩をつないでいただけです。

もっともっと奥多摩を良く知りたいと思っていたら、『駐在刑事』じゃないですか。うれしかった~、この本に出合えて!

奥多摩になじみを持ったのは、まだ山を再開してからだから、まだ1年半しかたってないです。1年半くらいじゃ奥多摩を語るわけには行きませんね。

でも、多くの話は、奥多摩で事件が起こっているので、何だか自分の地元みたいな気がしてドキドキしながら読んでしまいました。それにしても、江波警部補が青梅警察署水根駐在所に赴任してから、奥多摩もめっきり物騒な場所になったもんですね。





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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本






















































































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