めんどくせぇことばかり 『アマテラスの二つの墓』 戸矢学
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『アマテラスの二つの墓』 戸矢学

伊勢とは「祟り神が封印された地の果て」

アマテラスに由来する場所に神社を建てるなら、・・・確かに高天原がふさわしいですね。では、高天原はどこでしょうか。天上世界ですよね。天上世界というのはどこでしょうか。天国?

戸矢学さんは、長江下流の江南のどこかである可能性が高いと言っています。

“中国”の春秋時代に、春秋の五覇と呼ばれる地域勢力がありました。斉、晋、楚、呉、越の五つです。呉の国は海人族の国であったと言います。人々には文身、つまり入れ墨の習俗があったそうです。また、水に入った時に害をなさないように、神を短くしていたそうです。

魏志倭人伝に、「(邪馬台国は)男は大小となく、皆黥面文身す」とあります。

呉は、七代の夫差のとき、越王勾践によって滅亡しています。時に、西暦紀元前473年ですね。

なんて夢を広げておりますが、著者の戸谷さんの歴史推理は、そんなに単純じゃありません。それこそ、戸谷さんの精緻な推理に、興味はそそられるものの、その精緻さになれるまでは、正直なところ、読むのが苦痛の時間が続きました。ただし、そこで諦めないで下さい。慣れて来せすれば、その先に、至福の時間が広がります。

前提としては、アマテラスを実在の人物と捉えることです。実在のアマテラスがいて、そこから日本の歴史が始まっているということを前提にして、この歴史推理が始まっています。

その上で、大きな鍵となるのが、宇佐神宮と伊勢神宮。それが、『アマテラスの二つの墓』という題名につながってきます。一つはその遺骸が葬られた墓、もう一つは霊位が祀られた墓。この二つの墓の謎を解くのが、日本の過去を解き明かすことにつながります。



河出書房新社  ¥ 1,998

宇佐と伊勢の神宮両方に祀られるアマテラス。遺骸は宇佐に、霊位は伊勢に
第1部 宇佐篇
第一章 比売大神の本名とは―神名が示す女神の素顔
第二章 「よこしま」な国に「卑しき」女王!?―古代日本の固有名詞を解く
第三章 宇佐神宮は最古級の前方後円墳―神道と道教の融合
第四章 日本の建国は宇佐から―天皇家のルーツを知る
第五章 南方からやってきたアマテラス―建国は太陽王とともに
第2部 伊勢篇
第六章 「よみがえり」「むすひ」となるアマテラス―縄文と弥生の結節点
第七章 天皇に祟りをなした八咫鏡―三種の神器筆頭の秘密
第八章 「天照」は飛鳥以後の新造語―隠された大和言葉
第九章 伊勢神宮は太陽信仰ではない―内宮を目隠しするアサマ山
第十章 伊勢は地の果て―埋葬される心御柱


長江下流域の江南地方から日本列島に渡った者たちがいたのは、お米の研究からも間違いないことのようですよね。

《震旦国陳大王の娘・大比留女が処女懐胎して八幡王子を生み、船で大隅に渡来した》・・・これは鹿児島神宮に伝わる八幡神/オオヒルメに関する伝承だそうです。

まったく、すごい伝承があるもんですね。“オオヒルメ”って、アマテラスの別名でしょう。震旦っていうのは“中国”の古い呼び名で、インドでそういう名称が使われたんですよね。アマテラスは“中国”からって話のつながりです。どうやら、紀元前2世紀頃に・・・。

この本の中では、この伝承と、魏志倭人伝に現される黥面文身の人々と呉の国の海人共通性を関連付けていくんですね。呉の国の遺民が日本列島に渡ったことはまず間違いないんですから、この考察は面白いです。

それに、大和朝廷の初期において、海人系の氏族が天皇を影のように支えていますよね。安曇氏とか、安倍氏とかですか。

それから神話の中では、海幸彦と山幸彦の話がありますね。戦いに敗れた海幸彦は山幸彦とその子孫を支えることになるけど、その海幸彦の子孫が隼人でしょ。

あるいは、そこで天皇家の力となった海の力とは、龍王のことでしょうか。ムムム、なんか怪しくありません?こっちの方が、遥かに海人族のイメージに近い。天皇家の祖である山幸彦は海神龍王の娘と結婚して、海の力を手に入れます。その娘は豊玉姫でした。

いや~、正直なところ、全体的には、ちょっと根拠の薄い推理に感じられました。「え~?」って首をひねるような。でも、そこから理屈を通していくだけの博識は、本当にすごいですね。むしろ、そのことに驚かされました。そんな理詰めの本を読んだあとだけに、今はちょっとファンタジーに走りたい気分です。

韓国人って呼ばないでね。




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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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