めんどくせぇことばかり 昭和のスピード『昭和歌謡は終わらない』 近藤勝重
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昭和のスピード『昭和歌謡は終わらない』 近藤勝重

《チャラララー ダダダダーン チャラララー ダダダダーン チャラララー ダダダダーン》と繰り返される間に、石川さゆりがシモテから現れます。

ウエノ/ハツノ/ヤコウ/レッシャ/オリタ/トキカラ   アオモリー/エキハユー/キノナカー

いい感じですね。この間、上野・青森間700キロをひとっ飛びですね。

阿久悠作詞、三木たかし作曲のこの曲ですが、三木たかしさんの作った曲に、あとから阿久悠さんが詞をつけたんだそうです。曲の制約のある中ではめ込んだ言葉がこれって言うんですから、やはりすごい才能ですね。

女はもう、決して振り向かないという決意を抱いて連絡船に乗り込むんですね。理不尽とも思える、その運命を受け入れたかのように。

《ダダダダーン ダダダダーン》は、運命の《ダダダダーン》なんですね。

中学校の時の音楽の先生が、女性の先生でね。立派な体格の先生だったんで、今思えば、声楽の方だったんですね。その先生が歌謡曲の嫌いな先生で、そうはっきりおっしゃるんですよ。聞いてるこっちは、困っちゃってね。

だけど、音楽ですもんね。私たちは楽しんでいただけなんです。ただ楽しんでいた歌謡曲が、この歳になってから驚かされるほど奥の深さを持っていたわけです。・・・そうなんですよ、先生。

決して嫌いな先生じゃなかったんです。小学校の時の音楽の先生は男の先生で、静かに授業に臨めない私はよく怒られました。「お前が見たいのは東京タワーか? それともエッフェル塔か?」って聞くんですよ。「と、東京タワー」って答えると、両耳を持たれて、持ち上げられるんです。そして、「東京タワーは見えたか?」って。「み、み、見えました」

中学校の女の先生は、私に東京タワーを見せようとかはしませんでしたからね。決して嫌いじゃなかったので、歌謡曲が嫌いと言われると、困っちゃったんです。



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昭和歌謡ブームの理由とは?社会派ジャーナリストが改めて問う「時代と歌」
1 男と女の起承転結……
2 ザ・昭和の愛人ソング
3 今に生きる女の強さ 昔に生きる男の弱さ
4 二人のカリスマ なかにし礼&阿久悠
5 追想「別れの一本杉」
6 汽車の別れ
7 政治の季節― ラブ&ピース
8 吉田拓郎とフォーク歌謡
9 歌う大スターひばり、裕次郎、そして健さん
10 逢いたいなあ ちあきなおみ、 サブちゃん いつまでも
11 歌も「東京」一極
12 百恵―聖子―明菜
13 ジュリーがいた!
14 昭和歌謡と歌詞の力
15 阿久悠とAI
16 「人生いろいろ」―歌謡曲と島倉千代子
17 星空の歌 坂本九、荒木一郎
18 詞とテレサ・テン、桑田圭祐、五木ひろし

歌った石川さゆりさんの話が紹介されてました。石川さゆりさんが、連絡船を利用されていた方から言われた話なんだそうです。「海峡を渡る3時間40分だか50分の間に、いろんな自分の思いを整理するんですよ」って。

青函連絡船の事故があって、台風のせいだったんですよね。今でもあるじゃないですか。日本海に抜けた台風がどんどんスピードを上げて津軽海峡に向かっていくの。

それがあって、富士山頂の観測ドームが作られて、台風の予報も格段進歩したんですよね。更に青函トンネルが作られて、連絡船はその役割を終えました。

青函トンネルが開通して、早くなって、安全になったわけです。だけど、本土から北海道に渡る思いを整理するには、ちょっと早すぎるかもしれませんね。

なんでもかんでも、どんどん早くなりますよね。昭和は、そこに至る過程に、十分な意味が、物語があったんですけど、その意味とか物語とかって、あれは本当になくてもいいもんなんでしょうか。なんかの歪は生まれないんでしょうか。

早さってことで言えば、“汽車”っていうのも、よく歌謡曲に歌われました。久世光彦さんは、「汽車にあって電車にないのは《未練》である。このまま行こうか、戻ろうか。発車のベルが鳴っても、まだ間に合うのが汽車だった」とおっしゃったそうです。

♫あれは三年前 止める あなた 駅に残し 動き始めた汽車に 一人飛び乗った♫ って、電車じゃ出来ませんよね。汽車は、まだ間に合いそうな気がするんですよね。動き始めてからでも、なにかできるような。

私が中学の時に、兄が大学入学で東北に行ってしまうのを見送りに行ったんです。走り始めても、十分追いかけられるんですよね。ホームの端まで十分並走できるんです。そこまで行っても、まだ声は届く。汽車が見えなくなって、はじめて本当の喪失感が訪れるんですね。

やはり、そこに至る過程って、それだけで十分な物語になる時間なんですね。




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ジャンル : 本・雑誌

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結構奥深い 昭和歌謡

今晩は。石川さゆりさんの有名な持ち歌「津軽海峡冬景色」にはそんな意味があったかと、再発見みたいな感じで 今回貴記事を拝読しました。

想えば、昭和歌謡はこれ以外にも 耳にして心に刺さる曲が幾つかありまして。
拙者は 普段はジャズとかフュージョンにインストとかを聴きまして、昭和歌謡は進んでは聴きませんが、流れて来れば覚えありってのは結構ありまして。

「ジュリーがいた」・・先日の、さいたまスーパーアリーナ公演のドタキャンが話題になった、沢田研二さんの持ち歌も何曲かありますね。やはり「時の過ぎゆくままに」が拙ベスト・・かな。

HAKASE(jnkt32) さま

ジュリーですか。まずいですね。私とかぶります。
連れ合いが大のジュリーファンで、今回、スーパーアリーナに行ってなくてよかったって言ってました。
ジュリー、“意地がある”ってことですが、だったらもうやめた方がいいと思います。
なかにし礼さんはとっくにやめました。

ありがとうございました



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歌と知恵でハッピーライフ^^
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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