『365日のサラダ』 金丸絵里加
サラダなんて柄にもないんですけどね。
煮っ転がしだの、お浸しだのならともかくね。まあ、それもいいんですよ。煮っ転がしだの、お浸しだのも。いいんですけど、要は、野菜をたくさん食べようということなんです。肉も食べます。大好きですから。ご飯も、麺も、魚だって大好きです。
でも、少し、野菜の比重を増やそうということです。それで炭水化物を少し抑え気味にしてね。それで、もう少し、動きやすい体を作ろうということなんです。
私の身長は181㎝。一番大きかったときは183㎝あったはずなんですけど。高校の時ですね。なんだか縮みました。
それはいいとして、若い頃はガリガリでした。連れ合いと結婚して、一気に10kg太ったんですが、それでも75kgでした。それが、少し前まで+10kgあったんです。
適正体重ってのは、・・・ええと、《(身長m)×(身長m)×22》だそうです。そうすると、・・・72kgなんですよ。そんなわけで、朝、走り始めました。
なんてことないと思ってたんです。足の痛みが増して、どうにもならなくなった50歳ちょっと前くらいまでは、走ってたんです。筋トレもして、逆にやせ過ぎだろうとかって言われてました。
《少し走れば、やせる》っていう信仰みたいなもんがあったんです。食事制限なんて考えたこともありません。
走り始めたのは6月下旬。それがですね。なかなか体重が動き出さないんです。「こんなはずない」って思ったんですが、誰かが言ってたのが頭をよぎりました。「歳を取ると代謝が悪くなる」って。
本当だったんですね。
「いつも、週末は山を歩いているのに、どうしてこんなに太っちゃったのかな」ってつぶやいたら、連れ合いに返されました。「山に登るようになってから、すごく食べるようになったよ」
ガーン! 食いすぎでした。
それでも食事制限は嫌です。一杯食って、腹いっぱいになって、かつ、体重を落としたい。・・・ということで、野菜です。


サラダなんて、柄にもないんです。だから、・・・だからこそ、サラダなんです。柄にもないから、サラダには近寄らなかったんです。とっても興味を持ちながら、かつて、『サラダ記念日』がものすごい話題になったときでも、結局、近寄りませんでした。
近寄ったのは《男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日》くらいのものでした。面白かったですね~。三田寛子がかわいかったな~。そんな可愛かった三田寛子さんも、今では立派な熟女になられて、本当にようございました。
ということで、サラダについてです。柄にもないサラダだけに、私にとってはとても新鮮なわけです。まるで雪の降った翌朝、テントから抜け出して、自分の前に広がる、踏み跡が一つもない真っ新な雪原を目にしているようなもんですね。あっ、いやいや、ポテトサラダとマカロニサラダの踏み跡だけ残ってますね。
・・・ごぼうのきんぴらサラダ? 水菜の上にきんぴらを乗せただけ?
・・・オクラとチーズのおかか和え? オクラのお浸しにチーズが混ざってるだけ?
ほらね。すごいじゃないですか。真っ新な雪原は、私のとってあまりにも新鮮です。そんなものを、サラダと称していいんですね。これなら、煮っ転がしだろうとお浸しだろうと、サラダってことでいいじゃないですか。
分かりました。野菜をおいしく食べるという考え方が“サラダ”なんですね。そのために塩やドレッシングをかけてみてもいいし、野菜に火を入れてみてもいいんですね。それから、肉や魚と合わせてみて、それで野菜がおいしく食べられるなら、そんなサラダがあっていいわけです。
大根のゆかり和えサラダとか、トマトとしらすのサラダなんて、無理やり“サラダ”化してますが、明らかに和風です。でも、サラダはそんなことにはこだわりません。
まさに、《この味がいいねと君が言ったから七月六日はサラダ記念日》なわけなんです。
ああ、『サラダ記念日』。これからでも読んでみるかなぁ。

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
煮っ転がしだの、お浸しだのならともかくね。まあ、それもいいんですよ。煮っ転がしだの、お浸しだのも。いいんですけど、要は、野菜をたくさん食べようということなんです。肉も食べます。大好きですから。ご飯も、麺も、魚だって大好きです。
でも、少し、野菜の比重を増やそうということです。それで炭水化物を少し抑え気味にしてね。それで、もう少し、動きやすい体を作ろうということなんです。
私の身長は181㎝。一番大きかったときは183㎝あったはずなんですけど。高校の時ですね。なんだか縮みました。
それはいいとして、若い頃はガリガリでした。連れ合いと結婚して、一気に10kg太ったんですが、それでも75kgでした。それが、少し前まで+10kgあったんです。
適正体重ってのは、・・・ええと、《(身長m)×(身長m)×22》だそうです。そうすると、・・・72kgなんですよ。そんなわけで、朝、走り始めました。
なんてことないと思ってたんです。足の痛みが増して、どうにもならなくなった50歳ちょっと前くらいまでは、走ってたんです。筋トレもして、逆にやせ過ぎだろうとかって言われてました。
《少し走れば、やせる》っていう信仰みたいなもんがあったんです。食事制限なんて考えたこともありません。
走り始めたのは6月下旬。それがですね。なかなか体重が動き出さないんです。「こんなはずない」って思ったんですが、誰かが言ってたのが頭をよぎりました。「歳を取ると代謝が悪くなる」って。
本当だったんですね。
「いつも、週末は山を歩いているのに、どうしてこんなに太っちゃったのかな」ってつぶやいたら、連れ合いに返されました。「山に登るようになってから、すごく食べるようになったよ」
ガーン! 食いすぎでした。
それでも食事制限は嫌です。一杯食って、腹いっぱいになって、かつ、体重を落としたい。・・・ということで、野菜です。
『365日のサラダ』 金丸絵里加 永岡書店 ¥ 1,512 毎日野菜を食べたい。サラダのバリエーションがたくさんあったらうれしい |
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サラダなんて、柄にもないんです。だから、・・・だからこそ、サラダなんです。柄にもないから、サラダには近寄らなかったんです。とっても興味を持ちながら、かつて、『サラダ記念日』がものすごい話題になったときでも、結局、近寄りませんでした。
近寄ったのは《男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日》くらいのものでした。面白かったですね~。三田寛子がかわいかったな~。そんな可愛かった三田寛子さんも、今では立派な熟女になられて、本当にようございました。
ということで、サラダについてです。柄にもないサラダだけに、私にとってはとても新鮮なわけです。まるで雪の降った翌朝、テントから抜け出して、自分の前に広がる、踏み跡が一つもない真っ新な雪原を目にしているようなもんですね。あっ、いやいや、ポテトサラダとマカロニサラダの踏み跡だけ残ってますね。
・・・ごぼうのきんぴらサラダ? 水菜の上にきんぴらを乗せただけ?
・・・オクラとチーズのおかか和え? オクラのお浸しにチーズが混ざってるだけ?
ほらね。すごいじゃないですか。真っ新な雪原は、私のとってあまりにも新鮮です。そんなものを、サラダと称していいんですね。これなら、煮っ転がしだろうとお浸しだろうと、サラダってことでいいじゃないですか。
分かりました。野菜をおいしく食べるという考え方が“サラダ”なんですね。そのために塩やドレッシングをかけてみてもいいし、野菜に火を入れてみてもいいんですね。それから、肉や魚と合わせてみて、それで野菜がおいしく食べられるなら、そんなサラダがあっていいわけです。
大根のゆかり和えサラダとか、トマトとしらすのサラダなんて、無理やり“サラダ”化してますが、明らかに和風です。でも、サラダはそんなことにはこだわりません。
まさに、《この味がいいねと君が言ったから七月六日はサラダ記念日》なわけなんです。
ああ、『サラダ記念日』。これからでも読んでみるかなぁ。


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