めんどくせぇことばかり 『AI時代の新・地政学』 宮家邦彦
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『AI時代の新・地政学』 宮家邦彦

地理的条件っていうのは、そうそう変わるもんじゃありません。条件が変わらないんだから、まったく同じとは言わないものの、似たような現象が繰り返す可能性が高くなります。そんなことが起こりやすくなるのかは、歴史が教えてくれます。それは、そこに住む人のものの考え方や性格に、少なからず影響を与えます。

日本は島国、それも適当なスケールを持った島国という地理的条件を持っています。おかげで、近くに“中国”さんという、なんとも浮き沈みの激しいでかいのがいるんですが、いいところは取り入れさせてもらいながら、陸続きの朝鮮とは違って、手を出されることなくやって来ました。

大航海時代に入って、ポルトガルだ、スペインだって、アジアにやって来ました。オランダも、イギリスも来ましたね。その段階で、ヨーロッパの国々にいいようにやられたところもあったけど、日本がどうこうなるというものでもありませんでした。もちろん、少なからぬ影響はありましたが、**十万の兵力を日本まで送れるわけでもありませんからね。

それが、幕末の頃にはすっかり変わりました。船も含めて、往来のスケールが格段大きくなり、なにしろ黒船が登場していました。蒸気船の登場は地政学を変えてしまいましたね。

林子平は、「江戸の日本橋より唐、阿蘭陀まで境なしの水路なり」と、それまで日本の安全を保証してきた“島国”という地理的条件は、逆に、日本を丸裸で欧米の刃の前に投げ出したようなものであることを明らかにしました。

この本の“はじめに”にもありましたが、アルフレッド・マハンがシーパワー理論の中で論じた海洋戦略は、まさにその次代の地政学をもとにしたものでした。

発明は、それまでの地政学を変えてしまうことがあるんですね。



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国際関係は複雑でも、「筋道」が分かれば読みやすくなります
第一章 AI革命で激変する地政学
第二章 歴史の大局観を磨く
第三章 ダークサイドの覚醒と諸帝国の逆襲
第四章 「核の脅威」の本質
第五章 蘇るナショナリズム
第六章 米国は衰退し、中国の夢が実現する?
第七章 要人へのお節介メッセージ
第八章 ちょっと変わっているが、素晴らしい国

それ以来、地政学には、根本的な変化はありませんでした。日本が海軍力に航空戦略を組み込んで機動部隊を編成してもなにも変わりませんでしたね。原爆は強力な兵器ですが、日本に投下されて以来、使われてませんからね。ミサイルも、宇宙開発も、大きな変化ではあります。それらは、敵に、迅速に大きな被害を与えるものではありますが、人が関与しうるものであり、早いとは言っても、それなりの時間はかかるのです。

でも、筆者の言葉によれば、AI は、《軍事面での人間の関与を低下させ、国家間の地理的距離を変質させる》という点において、これまでの地政学に大きな変化をもたらすということなんです。

筆者は本の中で、AI の登場が、戦争をどう変えるかを論じています。

これまでの戦争の勝者は、“最先端技術を駆使した武器を大量に生産できる集団でした。ところが、そうですよね。インターネットは、サイバー空間や宇宙分野を新たに戦略に加えてしまいました。これによって、新たに廉価で効果的な非対称的攻撃対象が生み出されたわけです。

“中国”やロシアのサイバー・宇宙船部隊は、急速にアメリカに追いつきつつあるそうです。それ以外では、イスラエル、イラン、北朝鮮などのサイバー戦能力は、群を抜いているそうです。

でも、これも、今後予想されるAI 技術の軍事応用による変化に比べれば、比べ物にならないくらい、僅かなことなんだと筆者は言ってます。

《人間の物理的能力に依存しない攻撃能力》

今、この分野の開発を最も本格的に行っているのが“中国”だそうです。そしてこの分野の開発を国際条約で規制することは、事実上不可能ということです。

兵器限定ということではもちろんありませんが、AI 分野の研究を促進することは、国を挙げて進めていくべきことのようですね。




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ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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