『封印されたグリム童話』
なにか、とても純粋なものを感じてしまいました。
グリム兄弟の童話集は、ドイツの民衆の間に語り継がれてきた民話やおとぎ話を収集し、“お話”として完成させたものですね。ドイツの森は、黒くて、深いです。そこに語り継がれてきた民話やおとぎ話も、また、黒くて、深いんですね。
そんな黒くて、深いドイツの民話やおとぎ話ですから、ものすごいんです。グリム兄弟が手を入れてくれたから、人前に出すことができるようになりましたが、中には、手の入れようがないような話もあったわけですね。・・・いや、手を入れてこの状態なのかな。
なにしろ、この黒くて、深い森の奥では、さまざまなことが繰り返されましたからね。
グリム兄弟が、この民話やおとぎ話を収集する200年ほど前には、30年戦争なんて言うものがあって、ドイツは荒廃します。ペストの流行もあって、人口が半減してしまったとか。食料も乏しく、傭兵たちの略奪も日常茶飯事だったでしょう。
だから、ただ、森が黒くて、深いだけじゃないんですね。女や子供をさらうなんて当たり前で、それはただ凌辱を目的にしたものではなくて、食うためだったんでしょう。そんな中から集められた話なわけです。
副題には『“削除”された最も残酷でグロテスクな33話』とあります。“残酷すぎる”、“猥褻すぎる”、“グロテスクすぎる”と理由はいろいろなんですが、とにかく、“すぎる”本なんです。
《本書に収められているのは「有名作品の“本当は怖い”真の姿」ではありません。第7版までに兄弟の判断で闇に葬られた、「子どもに読ませられない物語」です。155年前、話集から外された禁断の物語》
これが、本書の宣伝の言葉です。


《本当は恐ろしいグリム童話》っていうシリーズがありました。とても面白くて、魅力的なシリーズでした。
あちらは、白雪姫だとか、雪の女王だとか、有名作品の怖い側面や、Hな側面を紹介するものでした。でも、この本は違います。《グリム兄弟がいろいろな理由で削除した問題作》ということなんです。
こちらは、子どもには、到底、読ませられないお話ということです。たしかに、《子どもたちの屠殺ごっこ》なんて、子どもには読ませられませんね。だって、肉屋の真似して、兄弟の首を描き切ってしまうんですよ。
私だって、子どもの頃には、ひどい遊びをしてました。でも、虫を虐待していた程度、・・・身近な両生類や、ちょっとした爬虫類、・・・中には哺乳類らしきものも、記憶の中には眠っているような気がしないでもありませんが、・・・まあ、そんな程度です。
冬の林の中に入って、朽ちた木に潜り込んで寝ている奴を、無理やり引っ張り出して、足を一本ずつもいでいくとか。気の皮をはいで、そこに休んでいたやつの腹を、針で刺してみるとか。
あ・あれ~。文字にしてみると、なんだか、とっても残酷。
と、まあ、そんなわけなんですが、ここに収録されている話にも、今の時代なら、人目に触れるところに出しても問題ないどころか、十分楽しめるような話も、いくつかありました。かえって、白雪姫なんかよりも純粋性が高くていいんじゃないかというような、・・・ね。
そうはいかない話も、もちろんありますよ。とっても、理不尽なの。理不尽な時代を通り抜けていますから、当然そんな話も生まれたんでしょうね。
この本、楽しめるし、興味深いですよ。

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
グリム兄弟の童話集は、ドイツの民衆の間に語り継がれてきた民話やおとぎ話を収集し、“お話”として完成させたものですね。ドイツの森は、黒くて、深いです。そこに語り継がれてきた民話やおとぎ話も、また、黒くて、深いんですね。
そんな黒くて、深いドイツの民話やおとぎ話ですから、ものすごいんです。グリム兄弟が手を入れてくれたから、人前に出すことができるようになりましたが、中には、手の入れようがないような話もあったわけですね。・・・いや、手を入れてこの状態なのかな。
なにしろ、この黒くて、深い森の奥では、さまざまなことが繰り返されましたからね。
グリム兄弟が、この民話やおとぎ話を収集する200年ほど前には、30年戦争なんて言うものがあって、ドイツは荒廃します。ペストの流行もあって、人口が半減してしまったとか。食料も乏しく、傭兵たちの略奪も日常茶飯事だったでしょう。
だから、ただ、森が黒くて、深いだけじゃないんですね。女や子供をさらうなんて当たり前で、それはただ凌辱を目的にしたものではなくて、食うためだったんでしょう。そんな中から集められた話なわけです。
副題には『“削除”された最も残酷でグロテスクな33話』とあります。“残酷すぎる”、“猥褻すぎる”、“グロテスクすぎる”と理由はいろいろなんですが、とにかく、“すぎる”本なんです。
《本書に収められているのは「有名作品の“本当は怖い”真の姿」ではありません。第7版までに兄弟の判断で闇に葬られた、「子どもに読ませられない物語」です。155年前、話集から外された禁断の物語》
これが、本書の宣伝の言葉です。
宝島社 ¥ 1,512 猥褻すぎる、グロテスクすぎる 理由は様々ですが、いずれも子どもには読ませたくない |
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《本当は恐ろしいグリム童話》っていうシリーズがありました。とても面白くて、魅力的なシリーズでした。
あちらは、白雪姫だとか、雪の女王だとか、有名作品の怖い側面や、Hな側面を紹介するものでした。でも、この本は違います。《グリム兄弟がいろいろな理由で削除した問題作》ということなんです。
こちらは、子どもには、到底、読ませられないお話ということです。たしかに、《子どもたちの屠殺ごっこ》なんて、子どもには読ませられませんね。だって、肉屋の真似して、兄弟の首を描き切ってしまうんですよ。
私だって、子どもの頃には、ひどい遊びをしてました。でも、虫を虐待していた程度、・・・身近な両生類や、ちょっとした爬虫類、・・・中には哺乳類らしきものも、記憶の中には眠っているような気がしないでもありませんが、・・・まあ、そんな程度です。
冬の林の中に入って、朽ちた木に潜り込んで寝ている奴を、無理やり引っ張り出して、足を一本ずつもいでいくとか。気の皮をはいで、そこに休んでいたやつの腹を、針で刺してみるとか。
あ・あれ~。文字にしてみると、なんだか、とっても残酷。
と、まあ、そんなわけなんですが、ここに収録されている話にも、今の時代なら、人目に触れるところに出しても問題ないどころか、十分楽しめるような話も、いくつかありました。かえって、白雪姫なんかよりも純粋性が高くていいんじゃないかというような、・・・ね。
そうはいかない話も、もちろんありますよ。とっても、理不尽なの。理不尽な時代を通り抜けていますから、当然そんな話も生まれたんでしょうね。
この本、楽しめるし、興味深いですよ。


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