めんどくせぇことばかり スーチー国家顧問『習近平は日本語で脅す』 髙山正之
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スーチー国家顧問『習近平は日本語で脅す』 髙山正之

髙山さんの《変見自在》のシリーズの中に『スーチー女史は善人か』というのがあります。スーチーさんは独裁体制下のミャンマーに、英国式の民主主義を根づかせようとする旗手として降り立った女神のように描かれておりました。

今回の『習近平は日本語で脅す』のなかでもスーチーさんが取り上げられているんですけど、だいぶ、扱いが変わってきています。そう、それは、ロヒンギャがらみです。

国民民主連盟(NLD)が勝って、党首を務めるスーチーさんが国家顧問の地位に就任しました。就任以前から、彼女は遅れたアジアに民主主義を教えにやってきた英国人として振る舞いました。時には、アジアを侵略したと日本を非難したこともありました。

その当時、私はブログにこんなことを書いています。

《長らく軍事政権から警戒され、自宅軟禁状態に置かれたアウンサン・スーチー氏が日本の戦争責任に言及しました。それが、かの英雄、アウンサンの娘の発言であると考えれば、正直私はショックを受けました。同時に、軍事政権が彼女を警戒してきたことの意味が理解できました》
 
ミャンマーが直面してきた近現代史の問題は、軍事政権による独裁体制にあると、スーチーさんは思っていたんでしょう。だからこそ、民主主義の国である英国で教育を受け、英国人の夫を持ち、英国人の子を産んだ自分が、ミャンマーに帰って遅れた人々に民主主義を教えて導けば、それがミャンマーのためになると、スーチーさんはそう考えたんでしょう。

でも、国家を率いる立場に立って、彼女は、おそらく気がついたんです。政治体制うんぬんを言う前に、ミャンマーは、もっと深い問題を抱えているということに。

そしてその問題こそが、父を殺したということにも、おそらく彼女は気がついたんじゃないでしょうか。

『習近平は日本語で脅す』    髙山正之


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尖閣強奪のみならず、日本併合まで企む「皇帝」の演説は70%が日本語だった
第1章 新聞では何も学べなくなった
第2章 歴史を正しく知れば何も怖くない
第3章 新しい時代を前に知っておくべき事
第4章 世界に蔓延するウソつきの面々
第5章 やっぱり朝日の記事は奥深い


英領植民地時代には、ビルマ社会は改変されてしまいました。それは、英国人が、最小限の労力で最大限の利益を手に入れるために行われたことでした。

英国人は、イスラム系インド人を導入して金融を、華僑を導入して商売を受け持たせました。山岳民族を山から降ろしてキリスト教を教え、警察や軍の仕事をさせて、最下層におかれた敬虔な仏教徒であるビルマ人を取り締まらせました。現代のミャンマーを苦しめている問題の多くは、そこから派生したものばかりです。

つまり、1948年に独立したミャンマーは、2018年の現在も、英領植民地時代の置き土産に苦しめられているのです。ロヒンギャがミャンマー領内に移動をするのは英国がミャンマーに戦争を仕掛けたことが一つのきっかけです。当時のビルマを他民族多宗教国家に作り変えるには好都合でした。それを含めて、上記の英国のやり方は、それこそ英国の常套手段ってところです。

本来が、仏教徒のビルマ人の国であったところに、インドのヒンドゥー教徒を入れ、ムスリムを入れ、華僑を入れ、山岳民族をキリスト教化してビルマ人を押さえつけさせました。他民族多宗教国家に無理やり変えさせられて、なにしろその目的は、憎しみ合わせることそのものにあるんですから、こんなにたちの悪いものもありません。

そんな目に合されてきたことに、スーチーさんもようやく気がついたんでしょう。英国の責任です。英国が解決すべき問題です。にもかかわらず、自分の責任は棚に上げて、ノーベル平和賞を返還せよと、スーチーさんに迫る始末です。

英国から教えられなかった祖国の悲痛な歴史を、スーチーは初めて知った。ロヒンギャが警察を襲ったのを機に、スーチーは異邦人の排除に踏み切った。

英国は途端に論調を変えて、「民族浄化」とスーチーを罵った。ネット上ではスーチーのノーベル平和賞を剥奪しろという署名が40万を超えた。

しかし、英国にも本質を見失わない人はいる。評論家のフィリップ・バウリングが「英植民地時代の国境をそのまま戦後アジア諸国の国境にしたのが原因」と、植民地時代の出鱈目を一切清算しないで逃げた英国が悪いと指摘した。
本書p52

この本の中で、髙山さんは、この出来事を以上のように書いています。

英国から教えられなかったことは、他にもありますね。父であるビルマの英雄アウンサンの死の真相です。もう、スーチーさんは、誰かから知らされたでしょうか。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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